映画界の性被害を防ぐ新たな職業「インティマシー・コーディネーター」 ピロシキーズがその裏側に迫る

 ロシア出身の人気YouTuberコンビ「ピロシキーズ」が30日、自身のYouTubeチャンネルを更新。「#MeToo」運動から始まったというインティマシー・コーディネーターという職業にスポットが当てられ、視聴者から「興味深い」「勉強になった」といった声が集まっている。

 ピロシキーズは、情報番組のコメンテーターとしても知られる小原ブラスとモデルやタレントとしても活動する中庭アレクサンドラの“関西育ちロシア人”コンビ。今回の動画では、インティマシー・コーディネーターの西山ももこさんをゲストに迎えてトークを展開した。

 インティマシー・コーディネーターとは、映画やテレビなどの濡れ場・ヌードといったセクシャルなシーンを専門に扱うコーディネーター。ハリウッド女優らが次々と性被害を訴えた「#MeToo」運動から生まれた仕事だそうで、2020年ごろから日本でも広まってきたという。

 西山さんによると、映画やドラマのラブシーンの台本は「ここで愛を深める」「キスをする」「抱きしめる」といった簡素な記述しかなく、どの程度の行為をするのか、どのくらい肌を露出すべきなのかを、出演者が把握しないまま進行することが少なくないという。

 監督がその場で演出することで「キスで舌を入れる」「バストを露出する」といったことが事前の了解なく進められる場合もあり、弱い立場の女優らが嫌と言えずに押し切られてしまうケースが発生する。そうした演出のエスカレートを防ぐため、インティマシー・コーディネーターが間に立って交渉するのだそうだ。

 しかし、決して濡れ場や肌の露出を否定するものではなく、あくまで監督の演出意図と出演者の認識のギャップを埋めるための交渉だとしている。そのため、制作サイドや監督側から「コーディネートしてほしい」と指名されることも多いそうだ。また、現場での不要な露出や男性俳優が摩擦などで“反応”してしまう事態を防ぐため、濡れ場で使われる「前貼り」を改良するといったこともしているようだ。

男やからって裸になって当然いいとは限らない

 アレクサンドラも思い当たるような経験があるそうで、Netflixの作品に出演する仕事があったが、登場シーンが短いのに「バストを露出しなくてはならない」という条件だったために断ったという。しかし、後日完成した作品を観たら代わりに出演した女優は胸を出していなかったそうで、必須条件ではなかったとわかって「イラっとした」と悔しそうに振り返った。

 また、ブラスは「実は僕、乳首NGなんですよ」と告白。テレビの温泉ロケなどでは、男性が上半身裸で入浴するのが当たり前になっているが、ブラスは「男やからって裸になって当然いいとは限らない」と話した。

 西山さんはそれに同意しながら「(インティマシー・コーディネーターは)女性のための職業と思われがちだけど、そうではない。ジェンダーは関係ない」とし、乳首を出すのを嫌がる男性がいると想定すらしてない現状に疑問を呈し、性別関係なく露出などについては確認すべきであると訴えている。

 これにネット上の視聴者からは「ほんとにこれからの時代に必要なご職業!」「初めて知ったお仕事で、すごく勉強になりました」といった声が寄せられており、今回の動画によって“気づき”を得た人も多いようだ。