『鎌倉殿の13人』菅田将暉の源義経はどう死ぬのか?前半最大の注目回&名場面に

鎌倉殿の13人』(NHK)は5月8日放送の第18話で壇ノ浦の戦いが描かれ、ついに平家が滅亡。続く15日放送の第19話では、北条義時(小栗旬)が源頼朝(大泉洋)と源義経(菅田将暉)の関係修復を模索するが、後白河法皇(西田敏行)や源行家(杉本哲太)の邪魔もあって失敗に終わり、決別してしまう様子が描かれた。

 そして22日に放送される第20話のタイトルは「帰ってきた義経」。義経が、かつて庇護されていた奥州に逃れ、藤原秀衡(田中泯)を頼るところから物語は始まる。しかし、秀衡はほどなく死去してしまい、嫡男の藤原国衡(平山祐介)と、次男ながら跡継ぎの泰衡(山本浩司)は不仲という不安定な状況。頼朝はそれにつけ込んで義経を討つよう義時に命じる。

 ここまでがホームページの「あらすじ」に書かれた主な物語であり、さらに予告映像では、義時の「九郎殿(義経)を連れて必ず戻ってまいります」という言葉に頼朝が「生かして連れて帰るな。新しい世を作るためじゃ」と冷たく言い放つシーンがあった。

※下記、史実やホームページの「略年譜」に書かれた出来事を含む、ネタバレの可能性があります。

菅田将暉が首をはねられるのか?

 あまり事前に知らされていないが、史実から離れることは考えづらい以上、今回の第20話で義経が命を落とすことは間違いない。『鎌倉殿の13人』の義経と言えば、これまでの“悲劇のヒーロー”というイメージから一変し、傲慢で卑怯、短気で狡猾な人物像で描かれてきた。

 また、戦場では圧倒的な強さで勝ち進むカリスマ性があり、それを飛ぶ鳥を落とす勢いの菅田将暉が演じることで、初登場シーンから強烈なインパクトを残し続けてきた。だからこそ、「あの義経が死んでしまうのか」という寂しさとともに、「史実通り自害し、首をはねられ、頼朝のもとに送られるのか」「菅田将暉は義経の最期をどう演じるのか」などが注目を集め、ツイッターの世界トレンド1位を獲得するだろう。

 さらに予告映像のシーンでは、「気高く誇り高く」という文字に合わせて、静御前(石橋静河)が舞を披露するシーンもあった。捕らわれた静御前は、頼朝の前で義経を思いながらどんな舞と歌声を見せるのか。それに頼朝や北条政子(小池栄子)はどんな反応をするのか。こちらもトレンド入りの可能性が高い名シーンとなりそうだ。

 そしてもう1つ忘れてはいけないのは、史実では静御前が義経の子を妊娠していたこと。さらに、予告映像に善児(梶原善)の姿があったこと。善児と言えば、これまで頼朝と八重(新垣結衣)の子・千鶴丸、北条宗時(片岡愛之助)、伊東祐親(浅野和之)らを暗殺してきただけに、「今度は義経と静御前の子を……」という不穏な空気が流れているのだ。

 これらのシーンで頼朝はどんな姿を見せるのか。そして、頼朝を演じる大泉洋はどんな演技を見せるのか。冷徹に振る舞うのか。それとも、弟を想い号泣するのか。いずれにしても、「#全部大泉のせい」「#鎌倉殿どうでしょう」のハッシュタグがこれまで以上に飛び交い、大いに盛り上がるだろう。

義時が非情さを心に宿すきっかけに

 義経の最期が描かれるということは、その直後に「頼朝の奥州平定があり、征夷大将軍になるシーンが控えている」ということ。さらにその後、頼朝の死後に、『鎌倉殿の13人』というタイトル通り、有力御家人による十三人の合議制が始まっていく。

 言わば、脚本を手がける三谷幸喜が「これを描きたい」と思ったところがいよいよ始まるということだろう。それはこれまで頼朝のもとに集っていた御家人たちの間で謀略が飛び交い、次々に脱落者が生まれるシビアなパワーゲームであり、その中で主人公の義時はどう生き残り、登り詰めていくのか。

 序盤の義時は、頼朝、父・時政(坂東彌十郎)、兄・宗時らに振り回され、戦に尻込みし、初恋相手の八重には袖にされるなど頼りない男だった。しかし、盟友の三浦義村(山本耕史)から「お前は少しずつ頼朝に似てきている」と言われるなど、徐々に頼朝の非情さを身につけ始めている。その傾向は頼朝の死によってさらに強くなっていくのではないか。

 最後に第20話の物語に話を戻すと、頼朝の非情さが最も表れているのが、弟・義経を討つシーンであることは間違いないだろう。ここで義時は衝撃を受け、自らの心に非情さを宿すターニングポイントになるのかもしれない。義経、頼朝、静御前、政子、義時。第20話はこれら全員に見せ場がある前半戦屈指の注目回になるはずだ。

(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。