現在放送中のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の主題歌『アルデバラン』選定の過程において、多額のカネが動いていたと10日発売の「女性セブン」(小学館)がスクープした。
「セブン」によれば、「NHK公認ドラマ音楽プロデューサー」を持つ人物が、主題歌を担当するアーティスト選定をめぐりNHKに協力し、この人物が各レコード会社の窓口となり選定に携わり、採用されたレコード会社から1000万円単位の謝礼を受け取っていたという。ちなみに『カムカム』の主題歌を歌うAIの所属事務所ユニバーサルミュージックは「セブン」の取材に対し、「契約に基づいて法令の範囲内で適切に行っております」と回答している。
テレビ局関係者はいう。
「いわゆるトレンディードラマ全盛期だった30年前あたりから、連ドラの視聴率に連動して主題歌がミリオンセラー級のヒットになる現象が起こり、局のプロデューサーや制作部長あたりが、主題歌に起用されたレコード会社からいろんなかたちで見返りを受けていた時代が一時期あった。実際、ある局のドラマの主題歌が特定のレコード会社に偏っているという傾向はよくみられた。
こうした話はドラマの主題歌に限らず、バラエティやドラマのキャスティングをめぐって、芸能事務所が自分のところのタレントを起用してもらう見返りとして、局の幹部やプロデューサーを接待したり、さまざまなかたちで“謝礼”を渡したりというのは普通に行われていた。ただ、ここ10年ほどはコンプラの観点からNGとされ、そうした慣習は基本的には“ないもの”とされており、実際にかなり鳴りを潜めてる。
NHKの朝ドラの主題歌選びの過程でカネが動いているという話は以前からいわれていたことで、今回記事が出て“やっぱり”というのが業界的な受け止め方だろう。NHKはかなり官僚的な組織なので、“以前からずっとやってきたことだから”という理由で、“慣習”としてこのコーディネーターを利用していたのかもしれない。恐らくNHKがこの人物と何か明確な契約を取り交わしているわけではないだろうし、NHK自身がレコード会社からカネを受け取っているわけではないので“問題ない”という認識だったのかもしれない。
ただ、ドラマの制作過程に関与していた人物が裏で外部の協力会社から数千万円単位のカネを受け取っていたというのは、民放の局でも間違いなく問題になるし、担当プロデューサーなりが処分の対象になってもおかしくない話。公共放送のNHK、しかも朝ドラというコンテンツでそうした行為が行われていたのだとすれば、やはり局として監督責任が問われてしかるべきだろうし、他に類似の事例がないか、しっかりとした調査が必要だろう」
受信料から多額のカネを投入しドラマ制作
また、別のテレビ局関係者はいう。
「一般的に民放の連ドラの場合、1時間モノで一本当たりの製作費は2000万~5000万円くらいが相場だが、朝ドラは15分で1本当たり1000万円ほどといわれている。国民から集めた受信料からそれだけ多額のカネを投入して、公共放送であるNHKが娯楽番組であるドラマやバラエティ、『紅白歌合戦』をはじめとする歌番組をつくる必要があるのかという意見は以前から根強く、他の民放からすれば“明白な民業圧迫”だという批判もある。
そうしたなかで、朝ドラをめぐって“汚れたカネ”が飛び交っているのだとすれば、NHKの根本的なあり方が問われることになる」
NHKによる詳細な説明が求められるところであろう。
(文=Business Journal編集部)