乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の坂道3グループが今、ラジオ界を席巻している。担当番組は合計27本。そこにはどんな戦略が、そして人気の秘密が隠されているのだろうか。
“噛み噛み女王”から有吉も驚愕の話し手まで
乃木坂46の担当ラジオ番組は、メインパーソナリティを張る番組からアシスタント出演まで、すべて合わせると16本。それも関東だけではなく、北海道の放送局AIR-G’(FM北海道)や山梨県を放送対象とするFM FUJI、中京圏をネットするCBCラジオ、関西MBSラジオなど、幅広い地域をカバーしている。
1期生として活躍し、現在はキャプテンを務めている秋元真夏が単独出演しているのが『秋元真夏(乃木坂46) 卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオ サンデー』(文化放送)、通称『卒アルラジオ』だ。日曜19時から20時までのトーク番組だが、ここで彼女の“噛み癖”が炸裂している。
「アドバイしゅ」「しゅペシャル」「はまままつ町」といった、噛みっぷりが話題になっているのだ。2021年12月26日の放送では、熱心なリスナーによる集計調査によって、4月の開始以来、放送39回で噛んだ回数が743回にのぼることが判明。秋元は反省しつつも「来年は500回に減らす」と公約していた。だが、年明け一発目、1月2日の放送は昨年の録音ではあったが、冒頭でいきなり「2022年、令和4月1日」と、ありえない原稿読みをしてしまう。しかし、秋元は「まだ500分の1です」と開き直っていた。
そんな愛すべきキャプテンとは好対照の、生まれ持っての“しゃべり手”もいる。2期生の山崎怜奈だ。20年10月から始まった『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)では、月曜から木曜の13時から14時55分まで約2時間の生放送を担当している。慶応大学を卒業した、乃木坂屈指の才女による縦横無尽のフリートークは必聴だ。
そんな山崎のDJ然とした堂々たるしゃべりを評価していたのが有吉弘行。ロケバス移動の際にラジオから流れてきた彼女のトークに「どういう人生送ったら、あんな上手にできんのかなと思った」ということを、21年1月のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN)で話していた。山崎の声は車中のラジオには打ってつけで、まさにドライブの恋人だ。
さらに、19年4月から『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のメインパーソナリティを担当している新内眞衣も、乃木坂の“ラジオ班”に欠かせない1人だ。しかし、新内は今年1月末で卒業を予定している。
「新内の卒業後も、『乃木坂46のオールナイトニッポン』は別のメンバーが引き継ぐそうです。これは櫻坂46にも言えることですが、新たな人材を育てるためでしょう。現在、4期生の柴田柚菜が担当している『金つぶ』(bayfm78)のアシスタントMCは、かつては衛藤美彩、山崎怜奈、北川悠理が務めていました。
また、FM FUJIの『沈黙の金曜日』では4期生の弓木奈於が、アルコ&ピースとトークを繰り広げています。この番組でも、元メンバー・永島聖羅、中田花奈がアシスタントを務めていましたが、20年10月から弓木が引き継いでいます。
さらに特徴的なのが、乃木坂の16番組のうち半数以上は4期生が担当しているということ。目下、卒業が相次いでいる乃木坂ですが、次世代の才能をラジオで発掘、育成する戦略なのかもしれません」(テレビ局関係者)
個性が爆発する櫻坂メンバーのラジオ
続いて、櫻坂46だ。調べた限り、担当ラジオ番組はファンクラブ限定のWEBラジオ『さくみみ』を除いて4本。松田里奈が『レコメン!』(文化放送)、尾関梨香が『櫻坂46 こちら有楽町星空放送局』(ニッポン放送、略称『こち星』)、土生瑞穂が『ゴチャ・まぜっ天国!』(MBSラジオ)に出演しているほか、日向坂46と2週、3週交代で担当している『さくらひなたロッチの伸びしろラジオ』(NHKラジオ第1、略称『のびらじ』)がある。
特筆すべきは、各メンバーの強烈な個性だろう。月曜深夜の『レコメン!』でお笑いコンビ「オテンキ」のりと共にパーソナリティを務めている松田は、21年9月末で同番組を卒業した先輩メンバー・菅井友香の後任として抜擢されたのだが、のりとの相性も抜群で、わずか3カ月ですっかり番組に馴染んでいる。基本的には受け身のキャラでグズつくトークもあるが、とにかく明るく、声もラジオ向きだ。
月曜の松田から始まる櫻坂ラジオの1週間を締めくくるのが、日曜23時から30分間放送されている『こち星』だ。松田の突き抜けた明るさとは対照的に、担当している尾関は落ち着いたトークが魅力で、いわば癒やしの存在。もちろん彼女も愛されキャラで、その天然ぶりが人気だ。
16年4月からスタートした同番組は、平手友梨奈、長濱ねると歴代の櫻坂(欅坂)メンバーがパーソナリティを担当し、尾関はその3代目。21年12月26日で放送300回を迎えた。
「12月19日のオンエアでは、放送300回に先駆け、同番組が文化放送を代表する番組になったときの“架空”の記念パーティーが開催されました。その内容は、天の声(女性司会者)からの無茶ぶりに対し、即座にスピーチしなければならないという対応力が求められる企画。冒頭であいさつを求められた尾関は『大雨の中、お集まりいただき、ありがとうございます』と、いきなり“雨の中”の設定で話し始めていました」(同)
今後も、より多くの櫻坂メンバーの声がラジオで聞けることを期待したい。
日向坂のラジオは放送休止でもトレンド入り
最後は日向坂46だ。見ると体温が1~2度上がりそうな天性の明るさを持つメンバーが多いが、ラジオでもそんな“4番バッター”が集結している。
先ほどの『のびらじ』に加えて、加藤史帆がレギュラーを務める火曜日の『レコメン!』、齊藤京子が出ている木曜日の『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)、丹生明里、金村美玖、渡邉美穂の2期生メンバーが出演する『ベルク presents 日向坂46の余計な事までやりましょう』(TOKYO FM)、佐々木美玲の『星のドラゴンクエスト Presents 日向坂46佐々木美玲のホイミーぱん』(TOKYO FM)、そしてメンバーが週替わりで出演する『日向坂46の「ひ」』(文化放送)、松田好花がレギュラーを務める『ひなこい presents 日向坂46松田好花の日向坂高校放送部』(ニッポン放送)の7本だ。
日向坂のラジオの人気はすさまじく、21年11月に松田の『日向坂高校放送部』がプロ野球・日本シリーズ中継延長のために放送休止となったときは、ネット上でファンの残念がる声が殺到し、放送されていないのにトレンド入りを果たした。さらには、自身の脳内で放送を始め、それに対するリアクションをSNS上でつぶやくリスナーまで続出したのだ。
「佐々木が担当している『ホイミーぱん』の枠は、もともと同じ日向坂メンバーの小坂菜緒による『星のドラゴンクエスト presents 日向坂46 小坂菜緒の<小坂なラジオ>』が放送されていました。しかし、小坂の活動休止に伴い、佐々木の番組がスタートしたという経緯があります。番組内で、佐々木は折に触れて小坂の話をしており、12月26日放送の『日向坂46の「ひ」』でも、齊藤京子が高橋未来虹と小坂のことを話す場面があるなど、メンバー間の結束の強さがうかがえます」(同)
今後、坂道3グループの人気が、若者のラジオ離れを食い止める動力源になるのかもしれない。
(文=編集部)