フジテレビは20日、昨年3月にこの世を去った日本を代表するコメディアン・志村けんさん(享年70)の半生を描くドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』を12月に放送すると発表した。公開中の映画『東京リベンジャーズ』(ワーナー)の龍宮寺堅(ドラケン)役で注目を集めている俳優、山田裕貴(ワタナベエンターテインメント所属)が志村さんを演じる。人気俳優の新たな境地が見られそうな本作。インターネット上では期待の声で溢れかえっているのかと思いきや、意外にも不安視する声も見られた。脚本・演出を福田雄一氏が手掛けることが原因のようで、20日早朝、Twitter上では「福田雄一」がトレンド入りした。
Twitter上では山田裕貴×福田雄一に賛否両論
Twitter上では「志村の物語を福田雄一がドラマにするのとても楽しみ」(原文ママ、以下同)「私の大好きな芸人さんを大好きな俳優さんが大好きな監督の作品で演じる」などと歓迎の声が上がる一方、以下のような辛辣な意見も飛び交っていた。
「志村けんのドラマを福田雄一で…ムロツヨシや佐藤二朗中心にいつもの対象に敬意のない手癖でやらせて叩かれて干されてくれないかな」
「志村けんの伝記ドラマの監督脚本が福田雄一と聞いて眉間に皺が寄る」
なぜ福田氏をめぐって賛否が噴出しているのか。キー局制作局社員は語る。
「もともと福田さんはテレビドラマ『勇者ヨシヒコシリーズ』(テレビ東京系)などの脚本・演出を手がけて知る人ぞ知る人物でした。一躍世間の注目を浴びたのが2017年公開の漫画『銀魂』(空知英秋、集英社)の実写映画化の成功でしょう。
原作を読み込み、そのテイストを忠実に再現しつつも、福田さんご自身の独特な世界観をしっかり織り込む作風なので、好き嫌いは分かれるでしょうね。
例えば、米DCコミックス原作のヒーロー映画『シャザム!』(2019年公開、ワーナー)の日本語吹き替え版を福田さんが監修・演出したのですが、その際もひと騒動ありました。実写映画版『銀魂』に出演していた俳優の菅田将暉や佐藤二朗、アニメ版『銀魂』の主人公、坂田銀時役の声優の杉田智和をはじめ阪口大助などを、まるっと『シャザム!』に起用してしまったのです。いわゆる『福田組』で出演陣を固めた上で、『銀魂』を意識した映画パンフレットを販売したことなどに対して、『作品イメージを損なう』などと原作コミックスファンなどから批判の声が上がったのです。
また昨年は、監督を務めた『新解釈・三国志』(東宝)での劇中のセリフが差別だとも話題になりました。
ドリフと志村けんさんはお笑い界の伝説です。しかし、ドリフや志村さんのコントは、最盛期だった当時から『差別』『セクハラ』『教育上不適切』などといった反発がありました。そうした表現に関して、今は当時より厳しくなっています。忠実に再現すればするほど、反発が出る可能性はありそうです。
福田さんが志村さんの半生やコントをどのように描くのか。注目しています」
監督作『新解釈・三国志』に外国人差別、ルッキズムとの指摘
同社員が言及する『新解釈・三国志』に関し、当時のTwitterの投稿を調べてみたところ、呂布役の城田優が「中途半端な外人顔」「エスパニョール」などと呼ばれるセリフが「外国人差別」などと批判され、貂蝉役の渡辺直美が「時代考証的に美人」と表現するシーンが、「ルッキズムで差別的」などと指摘されていた。また作品全体の内容についても、ニュースサイトのReal Sound映画部が今年1月23日付の記事『“三国志ファン”が表明したい「新解釈・三國志」への違和感』で疑問を呈していた。
山田裕貴の熱演は疑いないとして、福田氏の演出力の腕の見せ所だろう。果たして、志村さんの半生はどのように描かれるのか。
(文=編集部)