23日、川田将雅騎手が『netkeiba.com』で連載している『VOICE』が更新され、ラヴズオンリーユーと挑む米ブリーダーズCへの熱い意気込みを語っている。
詳細はぜひ本コラムを一読いただきたいが、その中で気になったのが「一日も早くJRAのホームページを改善する必要があると感じました」と川田騎手がメッセージを残していることだ。
2018年の夏から秋にかけて、約2か月間の英国遠征を敢行した川田騎手。現地の関係者から聞いたのは「日本のレース映像はなかなか観ることができない。JRAのホームページからレース映像に辿り着くのが非常に難しい」という声だったという。
「香港の情報は、日本とは比べものにならないほど浸透しています」と話す川田騎手も、何年も改善を提案しているが、未だ満足のいく状況にはなっていないようだ。
「JRAの公式ホームページは情報が非常に充実している分、サイトが複雑化している印象です。私も経験がありますが、特に競馬初心者にサイトの使い方を教えるのが難しい。『なかなか欲しい情報にたどり着けない』といった声もよく聞きます。
また、JRAの公式ホームページには当然、海外の競馬関係者へ向けた英語バージョンも存在しますが、日本の競馬ファンでさえ見たことがない人が大勢いると思います。日本語バージョンのトップページからは、一番下に小さく書かれた『Horse Racing in Japan』というところをクリックすれば切り替わりますが、コラムの中で川田騎手も指摘されている通り、もっと目立つ場所にあってもいいと思いますね。
ちなみに英語バージョンの公式ホームページは日本語版とデザインも違って、海外の競馬公式サイトに沿ったとてもいい造りになっています。ただ、肝心の認知度が低いというのが、なんとももったいないですね」(競馬記者)
実際に、JRAのネット戦略はそのコンテンツや資金力の割に上手くいっているとは言えない状況だ。YouTubeの『JRA公式チャンネル』のチャンネル登録者数は21.7万人に過ぎない。
例えば、プロ野球のパ・リーグ専門チャンネルとして、ファンから高い支持を集めている『(パーソル パ・リーグTV公式)PacificLeagueTV』の登録者数は79.5万人。JRAの認知度を考慮すれば、21.7万人は非常に少ないと述べざるを得ないだろう。
「英語の公式サイトもそうですが、『JRA公式チャンネル』もJRAが決して手を抜いているわけではなく、むしろ豊富なコンテンツがある充実した内容になっています。
例えば、今週の神戸新聞杯(G2)だけでも、出走各馬の前走の映像をまとめた『参考レース』、追い切りをまとめた『調教動画』、シャフリヤールの福永祐一騎手やステラヴェローチェの吉田隼人騎手などのインタビューを収録した『重賞リポート』と、競馬ファンにとっては至れり尽くせりの内容。さらにレースが終われば、レースVTRもアップされます。
それにもかかわらず、『参考レース』が約5000回、『調教動画』が約8000回、『重賞リポート』が約4000回と寂しいと言わざるを得ない視聴回数。少なくとも、あと10倍の人が見てもおかしくない内容だと思いますね」(同)
一方、関西のレースを中心に中継を行っている『カンテレ競馬』の公式チャンネルでは、同じようにシャフリヤールの福永騎手にインタビューを行った動画が2.4万回も視聴されている。先週のローズS(G2)のレース映像もJRAの公式が5.9万回に対して、カンテレが4.3万回とほぼ変わらない視聴数を獲得している。
「『カンテレ競馬【公式】』の動画やサムネイルが上手く編集されていることもありますが、『JRA公式チャンネル』があまりに王道というか、ベタっとした感じで見た目に魅力を感じないんですよね……。
YouTubeの視聴者数を伸ばすには、特徴的なサムネイルを用意するのが常套手段。ファンは魅力的に映る動画を見ようと思いますし、『JRA公式チャンネル』はちょっと前時代的なイメージがあります。内容は悪くないだけに、もったいないですよ」(別の記者)
近年、日本競馬が世界に誇る国際レース・ジャパンC(G1)の外国馬出走の減少や低レベル化が問題視されて久しいが、JRAがネット戦略で後れを取っていることから、海外の競馬関係者が日本競馬の情報を得にくくなっていることも一因にあるようだ。
大昔は欧州各国にとって、その情報の少なさから「東洋の神秘」「黄金の国」などと伝えられた日本。だが、インターネットで世界が繋がる現代社会において、情報が少ないということは単純に「不安」にしか繋がらないはずだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。