20日、中山4Rに行われた2歳未勝利戦(芝1800m)は、戸崎圭太騎手が騎乗した2番人気アスクビクターモア(牡2歳、美浦・田村康仁厩舎)が、1番人気アサヒの追撃を振り切って優勝。
昨年のセレクトセールで1億7000万円(税抜)で取引された期待馬が、2戦目でしっかりと勝ち上がりを収めた。
戸崎騎手はレース後、「新馬戦のときからポテンシャルを感じていた。最後の脚もしっかりとしていた」とコメント。管理する田村師も「オーラがある馬」と以前から話しており、同馬から相当の素質を感じている様子。昇級する次走も、いきなりの好勝負が期待できそうだ。
また、1番人気に支持されるも痛恨の出遅れ、向正面から追い上げを図ったものの2着と惜敗したアサヒ(牡2歳、美浦・金成貴史厩舎)も、3着馬には5馬身の差をつけており、こちらも次走はほぼ鉄板級とみて間違いなさそうである。
この結果を受けて評価が大きく上がったのが、今年の札幌2歳S(G3)の覇者ジオグリフ(牡2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)だ。
6月、東京で行われた芝1800mの新馬戦で上記2頭と対戦。直線で前を行く両馬を、外から上がり33秒3の豪快な末脚でなで斬り。1分48秒2の好タイムで、アサヒ以下に1馬身半以上の差をつけての完勝を収めている。
今回、アスクビクターモアとアサヒが強い競馬でワンツーを決めたことで、SNSやネットの掲示板には、「この2頭に勝ったジオグリフは化け物」「皐月賞までは無敗」「ジオグリフの初戦は伝説の新馬戦」といったコメントが付くなど、評判はウナギ登りのようだ。
昨年はソダシが勝った出世レースの札幌2歳Sで、4馬身差の独走。2歳王者はもちろんのこと、来年のクラシックでの活躍も確約されつつあるのかもしれない。
ただ、そんなジオグリフの不安点をあえて挙げるとすれば血統面だろうか。
父のドレフォンは現役時代、アメリカで1200m~1400mのダートG1を3勝。いわずもがなのバリバリのダート短距離馬である。ジオグリフ自身は芝1800mで2勝を挙げているが、新種牡馬の産駒でもあるだけに、今後どのような馬へと成長するのかは現時点で未知数である。
一方、今回勝ち上がったアスクビクターモアはディープインパクト産駒。母父はサクラローレルの父としても有名なレインボウクエストだ。サクラローレルは古馬になってから力を付けていったように、アスクビクターモアにも今後の成長力が期待できそうだ。
またアサヒも父はマイナーなカレンブラックヒルながら、近親にディープインパクトを持つ血統馬。相当のポテンシャルを秘めている可能性もある。
「ジオグリフは母のアロマティコが秋華賞(G1)とエリザベス女王杯(G1)で3着。近親のインティライミがダービーで2着など、一族がG1になると善戦止まりなのが多少気になるところですね。
デビュー戦で後れを取ったアスクビクターモアとアサヒですが、共に将来性は抜群。来年のクラシックでジオグリフにリベンジを果たすシーンがあるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)
順調に進むようであれば、3頭が再び大きなレースで顔を揃える日もやってくるかもしれない。果たして軍配はどの馬に上がることになるのか。再戦の機会を楽しみに待ちたいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。