アンジャッシュ・渡部建という名前が、今となっては懐かしい。もはや「あの人は今」状態だ。そんな渡部が不倫スキャンダルで表舞台から姿を消したのは、昨年6月。それから1年3カ月が経過し、活動自粛は異例の長さになっている。
そんな中にあって、同じようなスキャンダルを食らっても復活しているタレントもいる。許された男と、いまだに許されない男の境界線はどこにあるのだろうか?
宮崎謙介と原田龍二は妻が鎮火?
たとえば、元衆議院議員の宮崎謙介氏だ。2016年、男性議員として異例の“育休”宣言をしたものの、妻で元衆院議員の金子恵美氏の妊娠中に不倫し、議員辞職に追い込まれ、金子氏もその余波で再選できなかったという苦い過去がある。
世間の反感も収まっていた昨年11月、4年ぶり2度目の不倫スキャンダルに見舞われ、またしても大逆風にさらされたが、それでも金子氏は離婚しないどころか宮崎氏の良さを熱弁し、テレビで夫婦共演を果たしている。また、当の宮崎氏も普通にメディアに露出している。
原田龍二も、その一例だろう。19年5月、複数の女性ファンと自分の車の中で性行為をしていたことが発覚、“4WD不倫”と騒がれた。しかし、今や『しゃべくり007』(日本テレビ系)や『行列のできる法律相談所』(同)などのバラエティ番組、『検事・佐方~恨みを刻む~』(テレビ朝日系)、『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』(テレビ東京系)といったドラマに出演し、山本漢方製薬の「大麦若葉」のCMでは妻で元女優の愛さんと共演している。
この3者は不倫スキャンダルという点は同じだが、パートナーの対応に若干の違いがみられるといえそうだ。
異例の“妻同伴”会見が奏功した例も
過去の不倫スキャンダルでも、妻の存在によって世間の“アレルギー”が軟化した例がある。タレントの峰竜太は結婚から7年後の1982年に女優やモデルなど複数の女性との不貞が明らかになったが、謝罪会見に妻の海老名美どりが同席。ここから、峰は“恐妻家”キャラで大ブレイクを果たした。実際、海老名からは不倫を報じた雑誌を1ページ読むごとに叩かれたという。
また、川﨑麻世も93年7月に斉藤由貴との不倫が報じられ、会見を開いたのだが、会見場では妻のカイヤが腕組みをしながら鬼の形相でにらみつけるという、まさかの展開に。ここから、カイヤは“鬼嫁タレント”としてブレイクしていった。しかし、これは川﨑がカイヤを半ば無理矢理連れ出した“演出”だったという。
「もちろん、謝罪の場に妻を引っ張り出すことがすべて得策だとは思えませんが、一人で針のむしろになるよりは、マスコミの興味も分散され、メディアでの報じられ方も違ってきます」(テレビ局関係者)
原田も会見で、妻から「原田、アウトー!」と一喝されたと語り、話題となった。その点、渡部の妻の佐々木希はインスタグラムで「この度は、主人の無自覚な行動により多くの方々を不快な気持ちにさせてしまい、大変申し訳ございません。今回の件について、夫婦でしっかりと話し合いをしようと思います」と記したのみで、以降は沈黙を守っている。
「世間的には佐々木に同情が集まっており、渡部は昨年12月にやっと謝罪会見を開きましたが、その時期や内容をめぐって、さらに叩かれました。いわば、渡部はいまだに一人で前線に立ち、批判の的になっている状態です」(同)
騒動を過熱させる“キラーワード”
前述の3者の不倫が話題となったのは“キラーワード”の存在も大きかった。渡部の“多目的トイレ不倫”がわかりやすいが、宮崎氏の場合は“育休不倫”、原田の場合は“4WD不倫”として報じられたからだ。
過去にも、矢口真里の“クローゼット不倫”やベッキーの“ゲス不倫”のように、メディアが見出しに打ちやすいキャッチーな言葉があると、騒動が過熱し、そうしたキラーワードを多く目にすることで、世間のイメージダウンも加速していく。
一方、いってしまえば“ありきたり”な不倫報道は過熱しにくい。たとえば、2013年に独身OLとの不倫が報じられた沢村一樹、16年に同級生の女性との不倫が報じられた芸人・とにかく明るい安村、19年に独身と偽って不倫していた過去が報じられた俳優の小手伸也のケースなどだ。
日村勇紀と山本圭壱の違いとは
不倫ではないが、バナナマン・日村勇紀は未成年女性との淫行の過去を18年9月に「FRIDAY」(講談社)に報じられた。02年、当時16歳の女性Aさんが21歳の女子大生だと偽りファンレターを送ったことがきっかけで、2人は連絡を取り合うようになる。その後、Aさんは本当の年齢を打ち明けたものの、当時恋人がいた日村は「年齢は関係ない」「Aちゃんも好き」と言っていたという。
そして、日村は初めて会ったAさんに酒をすすめ、ホテルで関係を持ったという。記者の直撃に、日村は「覚えてない。でもそういうことですね、相手がそう言ってるんですもんね」と返している。
当時は独身だった日村だが、18年4月にフリーアナウンサーの神田愛花と結婚。この報道を受けて、神田はツイッターで「これまで以上に皆様に笑いをお届けする事が出来るよう、わたくしも精一杯彼をサポートして参る所存です」と釈明した。
そして、日村は今も『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)、『Youは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、『沸騰ワード10』(日本テレビ系)、『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)、『バナナマンのせっかくグルメ!!』(同)と、地上波のゴールデンタイムに引っ張りだこだ。
「一方、06年に10代女性との淫行で芸能活動を休止した極楽とんぼ・山本圭壱は、地上波テレビに復帰するまで10年かかりました。日村がスキャンダル後も露出が減らなかったのは、その一件が16年前ということも影響しているのでしょう」(同)
萎縮するテレビ局やスポンサー
ネット時代の前は、こうしたスキャンダルが起きても、限られた雑誌媒体が後追いするぐらいだったが、今やそうした雑誌に加えてネットメディアが集中的に報じるため、まさに火だるま状態となる。
また、もちろんSNSの普及も大きいだろう。ツイッターの日本国内の月間利用ユーザー数は4500万人だという。今や巨大メディアとなったツイッターでの投稿が世間を騒がせることも珍しくなくなった。つまり、本来なら小さな波紋だったものに、波風が立ち、大騒動になってしまうわけだ。そして、ネット上での誹謗中傷が社会問題化している。
一方で、テレビ局やスポンサーは世間の不満が“可視化”されることで委縮してしまうようになった。今後、メディアのあり方やスキャンダル報道、世間の空気感はどのように変わっていくのだろうか。
(文=編集部)