JRA 「柴田大知・丹内祐次乗せるのやめて」名指し批判! 直木賞作家「どれだけの馬の未来を潰したか」発言に賛否⁉

 5日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は、M.デムーロ騎手騎乗のマイネルファンロン(牡6、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。

 管理する手塚師は「すごいな。引っかかる馬で、これまでどの騎手もうまく乗れなかったんだけど、うまく抑えてくれた。勝因はジョッキーだね」と、デムーロ騎手の神騎乗とも見て取れる好騎乗を称えた。

 同馬を所有する「マイネル軍団」でお馴染みのサラブレッドクラブ・ラフィアンはこれが嬉しい今年重賞2勝目。何を隠そう1勝目は、デムーロ騎手がマイネルファンロンの半妹ユーバーレーベンで制したオークス(G1)だ。

 昨年は重賞未勝利に終わった同クラブだが、代表の岡田繁幸氏が存命中は柴田大知騎手・丹内祐次騎手を起用するのが特徴だった。だが岡田氏が今年3月に亡くなって以降、デムーロ騎手を乗せる機会が増加している。新潟記念の勝利により、その流れは更に加速すると思われる。

 そこでファンの間で浮上してきたのが、デムーロ騎手の「主戦待望論」だ。

 これを支持している代表格に挙げられるのが、昨年「少年と犬」で第163回直木賞を受賞した作家の馳星周氏である。

「馳氏は競馬好きの作家として有名です。特にステイゴールドが好きで、現役馬でも熱心に産駒の応援をしているようです。

詳しくは馳氏のTwitterをご覧いただきたいのですが、競馬好きというよりも大のステイゴールドファンですね(笑)

本当にステイゴールドとその産駒たちへの愛が伝わってきます」(競馬誌ライター)

 馳氏は手塚師の新潟記念の振り返りコメントのツイートを引用し、「ミルコを主戦にしようよ、ラフィアン」と、呟いている。

 過去にも、「ラフィアンと岡田総帥の馬はもうしょうがないと思うけど、他の馬主のときは柴田J、丹内J乗せるの、ほんとにやめて欲しいです」と、主戦交代を提言していた。

 ステイゴールド大好きの馳氏にとって、直仔のマイネルファンロンを初騎乗で勝たせたデムーロ騎手の手腕は、他のファンよりも鮮烈なインパクトがあったのだろう。

 しかし、なぜステイゴールドとは一見あまり関係のないラフィアンに対して、デムーロ騎手主戦を提言するのだろうか。

「ステイゴールドは2つの牧場を行き来する国内シャトル種牡馬でした。内、1つの牧場はビッグレッドファームです。同ファームの元代表は岡田繁幸氏で、ここで生産された馬が基本的にラフィアンで走ることになります。つまり、ラフィアンにはステイゴールドの産駒が多数います。

産駒で種牡馬となったゴールドシップとウインブライトも現在ビッグレッドファームで繋養されています。今後、マイネル軍団でステイゴールド関連の馬は増えていくことでしょう。それだけに、マイネル軍団の主戦を勝負強いデムーロ騎手にしてほしいのではないでしょうか」(同ライター)

 ステイゴールドの種牡馬としての才能を買っていた岡田氏へ尊敬の念を表している。

 一方、ファンを中心に賛否両論の議論が展開される原因となったのが次の発言だ。

 馳氏は「岡田総帥の功績はわかっているし認めているけど」と一定の理解は示しつつも、岡田氏のこれまでの騎手起用について「彼亡き後のラフィアンの騎手起用と結果を見ると、どれだけの馬の未来を潰してきたのかとも思う」とツイート。これは主に手綱を任されてきた騎手たちに対する厳しい意見にも思われる。

 さすがに少々“過激”とも受け取られかねない発言のため、これには馳氏に賛同するファンもいれば、どうしてそんなことを言うのかといった反論があったのも当然だった。

 ただ、馳氏は現役のステイゴールドの子どもを応援する一方で、引退した子どもたちへの寄付も行っている。結果を残せず、種牡馬や繁殖牝馬になれなかった競走馬が辿る悲惨な末路も競走馬の運命も知っているからこそ、少しでも勝てるチャンスの見込みがある騎手を起用して欲しいという、競馬ファンなら誰でも思ったことのある意見を述べただけかもしれない。

 直木賞作家までも巻き込んだマイネル軍団の“主戦争い”だが、今後どのような展開が待っているのだろうか。目が離せない秋競馬となりそうだ。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。