12日、中山競馬場では京成杯AH(G3)が行われる。秋の開幕週に開催されるだけに、逃げ、先行馬が残りやすい。過去2年を見ても、馬券圏内の6頭はすべて4角3番手以内だった。今年も先行脚質の馬に注目すべきだろう。
キャリア6戦のうち、デビュー戦を除く5戦で先行策を取っているグレナディアガーズ(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)。NHKマイルC(G1)以来となる実戦で、G1馬の実力を見せつけたい。
勝ち上がりは3戦目とやや時間を要したが、未勝利戦、そして朝日杯FS(G1)を連勝。一気にスターダムにのし上がった。しかし、3歳初戦のファルコンS(G3)を取りこぼし2着に敗れると、NHKマイルCでも1番人気を裏切り3着。不完全燃焼のまま3歳春シーズンを終えた。
古馬との初対戦でその真価が問われる。次走は11月に米国で行われるブリーダーズカップ(以下BC)マイルを予定。海外遠征に向けて、G3なら春のような取りこぼしは許されない。
BC挑戦は母の存在も大きいだろう。カナダで生産された母ウェイヴェルアベニューは、米国で現役生活を送り、20戦7勝の成績を残した。15年には、ダート7FのBCフィリー&メアスプリントを勝利しており、グレナディアガーズには母仔BC制覇が懸かる。
“壮行レース”に向けて仕上がりも順調のようだ。2日に行われた1週前追い切りは、栗東CWで6ハロン80秒8-12秒1をマークし、僚馬に先着した。復活勝利を挙げ、海外挑戦に弾みをつけたい。
もう1頭の3歳馬バスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)も古馬とは初対戦。春の悔しさを胸にマイル重賞2勝目を狙う。
重賞初勝利は今回と同じ舞台のニュージーランドT(G2)だった。好スタートから先手を奪うと、平均ペースでレースを引っ張り、直線では後続を突き放して最後は2着に5馬身差をつける圧勝。この一戦が評価され、NHKマイルCでは3番人気の支持を受けた。
グレナディアガーズ、シュネルマイスターとともに3強の一角を担ったNHKマイルCは、スタート直後にまさかのハプニングが待っていた。ゲートが開き、ハナを切るとみられていたバスラットレオン。直後に鞍上の藤岡佑介騎手が落馬し、僅か数秒で競走中止の憂き目に遭った。
幸い、人馬ともに大きなケガなどはなく、中2週で日本ダービー(G1)に挑戦。鬱憤を晴らすべく果敢に逃げたが、勝ったシャフリヤールと2秒9差の15着に敗れた。結果を残しているマイル戦で、再スタートを切る。
栗東に帰厩したのは8月下旬。乗り込み本数はまだ少ないが、1週前には栗東坂路で52秒1-12秒0と上々のタイムをマークしている。3度目の対戦となるグレナディアガーズに初の先着を果たせるか。
18年マイルCS(G1)覇者のステルヴィオ(牡6歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)が、7か月ぶりに実戦に復帰する。
勝利からは遠ざかっているが、昨年春以降は1400mのG2戦に照準を合わせ、京王杯SC(G2)とスワンS(G2)で2着に好走。年末の阪神C(G2)は12着、ダート初挑戦の根岸S(G3)で10着に敗れ、その後は3月に声帯除去手術を受けて休養に入っていた。
マイル戦は、19年安田記念(G1)以来。重賞初制覇(18年スプリングS・G2)を飾った中山競馬場で復活Vを果たせるか。
カテドラル(牡5歳、栗東・池添学厩舎)は、夏場も使われた強みを生かしたい。
安田記念は12着に敗れたが、7月の中京記念(G3)で2着に好走。今年はマイルG3を2戦こなしているが、すべて2着と安定している。
この他には、東京新聞杯(G3)を制したカラテ(牡5歳、美浦・高橋祥泰厩舎)、通算「4-3-2-0」で3連勝中の上がり馬、カレンシュトラウス(牡4歳、栗東・平田修厩舎)もマイル路線での活躍を狙う。
昨年の2着馬で、中山マイルを得意とするスマイルカナ(牝4歳、美浦・高橋祥泰厩舎)と19年ターコイズS(G3)など中山で重賞通算3勝を誇るコントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)の牝馬2頭も上位を窺う。
京成杯AHを制してマイル戦線に名乗りを上げるのはどの馬になるのだろうか。発走は12日15時45分を予定している。