6月から始まった2歳新馬戦も、先週までに86レースを消化。各路線で、未来の重賞候補も次々と誕生している。
中でも、元JRA騎手の安藤勝己氏が自身のTwitterで「今日の阪神5Rはメンバー良すぎて少頭数って注目の新馬戦。G1級が何頭かおって、ゆくゆく伝説の…ってなるかもしれないよ」と綴り注目を集めたのが6月20日の新馬戦だった。
勝利したのは、川田将雅騎手が騎乗したダノンスコーピオン(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。
この新馬戦には、新種牡馬キタサンブラックの期待馬コナブラック、陣営から「リスグラシューに近いイメージ」と評されたルージュラテールなどが出走。結果的にはルージュラテールが粘り込んでタイム差なしの2着、そこから3馬身離れた3着にコナブラックが入線した。
ルージュラテールとコナブラックは、次走の未勝利戦を人気に応えて快勝。ダノンスコーピオンから2.2秒も離されて5着に敗れたグランデも次走の函館2歳S(G3)で3着と健闘したのだから、ダノンスコーピオンへの期待度も高まるばかりだ。
そんなハイレベルの一戦を制したダノンスコーピオン陣営が次走に選んだのは、11月13日のデイリー杯2歳S(G2)。新馬戦と同じ阪神の芝1600mの舞台で、重賞初勝利を狙っている。
デイリー杯2歳Sといえば3年前にこのレースを制したアドマイヤマーズが、続く朝日杯FS(G1)も勝利して無敗の2歳王者に。その後はNHKマイルC(G1)、香港マイル(G1)も制しているように、ダノンスコーピオンにとっても今後を占う大事な1戦だろう。
ただ、心配なのは引き続き騎乗することが予想される川田騎手。初めてデイリー杯2歳Sに参戦した2007年のキャプテントゥーレ以来、勝利がないのは気になるところだ。
しかし、これに関して「今年がチャンス」という見方もある。。
川田騎手は今年、芝の重賞を10勝しているが、そのうちの6勝が阪神競馬場。特にマイル戦では4戦3勝と勝率75%を誇っている得意コースなのだ。
京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更で、昨年に引き続き阪神競馬場で施行される予定のデイリー杯2歳S。京都での開催がない分、同じ関西の勝ち鞍が増えるのは当然かとも思われるが、他の騎手と比較すると違いがわかる。
■2021年 阪神競馬場での重賞成績(着度数、勝率、連対率、複勝率)
川田将雅【6- 0- 1- 4/11】 54.5%、54.5%、63.6%
和田竜二【2- 3- 1- 7/13】 15.4%、38.5%、46.2%
福永祐一【1- 2- 3- 7/13】 7.7%、23.1%、46.2%
ルメール【1- 2- 0- 4/ 7】 14.3%、42.9%、42.9%
武豊 【1- 0- 0- 5/ 6】 16.7%、16.7%、16.7%
その他の騎手で最高は和田竜二騎手の2勝であり、リーディングトップのC.ルメール騎手でも1勝。関西を主場とする福永祐一騎手ですら1勝しかできていないのだから、いかに川田騎手が勝利しているかわかるだろう。
さらにこの条件は4戦3勝で、敗れたのは桜花賞(G1)のみ。G1以外の重賞ではチューリップ賞(G2・1着同着)、阪神牝馬S(G2)、アーリントンC(G3)と全て勝利しており、これは「スーパー川田将雅」モードに突入する条件ともいえそうだ。
昨年も阪神競馬場で行われたデイリー杯2歳Sだが、川田騎手が騎乗したスーパーホープは4番人気で3着。単勝1.3倍と断然の人気だったレッドベルオーブのレコードVに1馬身と少しまで迫った。
今年のダノンスコーピオンは、それ以上に支持される可能性も十分。川田騎手の続投なら、さらなる活躍も期待できるのかもしれない。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。