パチスロ「残念すぎたシリーズ第3作」~3号機名機伝説『バニーX.O』編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.59】


 前にも何度か書いたと思うが、自分がパチスロを打ち始めたのは平成の世が幕を開けた1989年のこと。

 前年春の規則改正で様々な新機軸を搭載した2号機が登場し、従来からの1.5号機と混在しているという状況であったわけだが、パチスロを覚えたばかりの自分にとっては、古い新しいを問わず、すべてが新鮮で刺激に溢れていた。

 さて、そんな2号機の時代において、数ある中でもトップクラスの人気を誇ったのが、オリンピアの『バニーガール』と、後継の『スーパーバニーガール』である。

 当時としてはおしゃれで洗練されたルックスはもちろんのこと、内部状態によって継続ゲーム数が変動する「フルーツ」が生み出すナチュラルな荒波や、「ズレ目」「中段単チェリー」といったシンプルながらも奥深い出目が多くのファンを魅了。

 とりわけ二代目の『スーバニ』は、3号機時代はもとより4号機時代に入っても各地で現役高稼働を続けるなど、異例ともいえるロングセラーとなった。

 自分自身の中でも「彼女」たちは、最高で最愛の2号機。間違いなく2号機最高傑作だと頑なに信じている。

 前置きが長くなってしまったが、今回はそんな「バニー姉妹」の流れを汲みながらも、不幸にも短命に終わってしまったシリーズ3作目、『バニーX.O』についてのお話である。


 1992年春にオリンピアの3-1号機としてリリースされた本作は、当然のことながら「あのバニーシリーズの最新作が遂に登場!!」と、大いなる期待と注目を集めた。

 しかしながら、厳しすぎる3号機の規定のもとで「バニー」の名を冠してしまったことが、結果的に「彼女」を苦しめることとなる。

 最大の不幸は、2号機バニーにおいてその特徴的な出玉の波を生み出す重要な要素となっていたフルーツが廃されてしまった点。

 要するに、BR両ボーナスでのみ出玉を増やす、ごくごくフツーのAタイプ仕様になってしまったのである。

「フルーツの代替として、オマケ的な性能でもいいからシングルボーナスの集中役を搭載すれば、2号機バニーのような変化に富んだ出玉の波を生み出せたのではないか」と、いまさらながら思ってしまう。

 まぁ、百歩譲って純Aタイプ機になってしまったことには目をつむろう。しかし、リール制御や出目演出までもが激変してしまったことに対しては、自分も含め多くの2号機バニーファンが心底落胆し、怒りと憤りに震えた。

 2号機バニーから継承されたのは、1リール確定目の「中段単チェリー」ただひとつ。出目演出の面で大きなウェイトを占めていた小役の取りこぼしorボーナスの「ズレ目」は、何の意味も持たないただのハズレ目となってしまったのである。

「さすがに、これはマズイ」と、おそらくは販社が苦し紛れに考えたのだろう。ホールに導入されてしばらくすると、「パターン目」という謎の出目が発表された。

「この目が出たら○○ゲーム以内のボーナス発生期待度は○○%」「長時間におよぶ試打から割り出した信頼度の高い出目」ということらしいが、「完全確率抽選方式の台に前兆パターンなど存在するわけもないだろ!!」と、余計にファンの怒りを買うのであった。

 そんな失笑劇があった一方で、都内の一部店舗などでは最初っから爆裂連チャンバージョンに化けて導入され、別の意味で話題と注目を集めた。「こりゃ、そのまんまじゃ使えないな」と、いわゆる闇の業者たちが先手を打ったのだろう。

 当時、自分もこの爆裂バージョンを、記事用のデータ取りで何度か打ったのだが、なかなかの暴れっぷりに「まぁ、連チャンすれば何でも面白いわな」と、仲間たちと呆れ笑いしたものだ。

 旧基準のヒット作を新基準でリメイクしてはみたものの、オリジナルを超えることができず失敗に終わってしまう、というケースはいまも枚挙に暇がない。

 そもそも、規制が強化された新基準のもとで規制がゆるかった旧基準のものを再現することなど無理な話。開発者の苦悩も、大いに理解はできる。

 しかし、こと『バニーX.O』に関していえば、30年近くが経ったいまでも自分は、無念さのあまりについつい唇を噛んでしまう。「もうちょっと、なんとかできただろうに…」と。

(文=アニマルかつみ)