フジテレビのコント番組『新しいカギ』悲惨な低視聴率の裏事情…『かりそめ天国』の高い壁

 やはり、コントは今の時代に合わないのだろうか。4月から鳴り物入りで始まったコント番組『新しいカギ』(フジテレビ系)に、なかなか上昇の気配が見られない。

「たとえば、7月2日の視聴率は世帯5.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人3.3%でした。裏番組は、オリンピックを間近に控えた特番『修造&一茂のイミシン~東京五輪へ!やっぱりアスリートはスゴいぞ!SP~』(テレビ朝日系)。視聴率的には『イミシン』が世帯11.1%、個人6.2%と、同番組の圧勝でした。

 また、6月25日放送の『新しいカギ』は世帯3.7%、個人2.3%。対して、テレ朝で通常通りオンエアされていた『マツコ&有吉 かりそめ天国』の視聴率は世帯9.5%、個人5.4%で、『新しいカギ』は勝負になりません」(テレビ局関係者)

『新しいカギ』が放送されている金曜夜8時台は『沸騰ワード10』(日本テレビ系)も控えているが、不思議とあまりかぶることはない(夜7時からの『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』の拡大版とかぶることが多い)。だが、通常通りの編成になると『かりそめ』と『沸騰』という2強の挟み撃ちに遭うことになり、そのときの視聴率は目も当てられないという。

初回が有吉&夏目の共演とかぶる不運

「『新しいカギ』は、チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコという3組のレギュラーに加え、丸山礼、女優の岡崎紗絵といった準レギュラーが、さまざまなコントを繰り広げる番組です。

 番組名は、1992年から1年間放送されたコント番組『新しい波』(フジテレビ系)にあやかったものです。同番組で見いだされたナインティナイン、極楽とんぼ、よゐこ、オアシズの光浦靖子が、同じくフジテレビの『とぶくすり』のレギュラーに抜擢され、のちに『めちゃ×2モテたいッ!』『めちゃ×2イケてるッ!』(同)に発展していきます」(芸能ライター)

 伝説の“出世魚番組”にあやかって名付けられた『新しいカギ』だが、4月23日の第1回は、かなり不運な船出となってしまった。

「この日、裏の『かりそめSP』で、有吉弘行が夏目三久と結婚後初共演を果たしたのです。2人は前身番組の『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)で出会ったことで知られているだけに、この日は有吉、夏目、そしてマツコ・デラックスの3人が揃い踏み。2017年に終了した『怒り新党』が4年ぶりに復活したのです。しかも、夏目が今秋に芸能界を引退することも同番組内で発表され、世間を驚かせました」(同)

 そんな話題満載の『かりそめ』とぶつかつてしまった『新しいカギ』の初回放送は、どのような結果だったのだろうか?

「『新しいカギ』が個人3.1%、世帯4.7%だったのに対し、『かりそめ』は個人9.5%、世帯16.3%で、『かりそめ』の完勝でした。もともと『かりそめ』はF2(女性35~49歳)からの支持が厚かったのですが、この日はさらに3~4ポイント上積みされ、10.6%を記録しています」(前出のテレビ局関係者)

キャラクターコントで子ども人気を獲得?

 このような屈辱的な記憶も、後に人気番組になれば語り草になるものだ。現状では歯が立たないように見えるが、突破口もなくはないという。それが、C層(男女4~12歳)とT層(男女13~19歳)のさらなる獲得だというのだが……。

「『かりそめ』に惨敗した4月23日のオンエアを見てみると、『沸騰』がC層8.1%、T層4.8%と断トツですが、『かりそめ』のC層は5.2%、T層は4.8%。これに対し、『新しいカギ』のC層は4.5%、T層は3.2%と、それほど悲観的になることはない数字です。

 さらに、6月25日のオンエアでも、『沸騰』はC層6.2%、T層3.8%で同時間帯1位ですが、『かりそめ』はC層2.3%、T層3.3%、それに対して『新しいカギ』はC層4.3%、T層2.5%。わずかではありますが、『新しいカギ』はC層では『かりそめ』に勝っているのです」(同)

『新しいカギ』のコントの中には、『クイズタイムショック』(テレビ朝日系)でおなじみだったクイズ「今、何問目?」という問題自体をパロディーにした「クイズ何問目」や、大人気アーケードゲーム「太鼓の達人」の画面にさまざまなボケを繰り出す芸人が登場し、霜降り明星・粗品がツッコミを入れていく「ツッコミの達人」といったアドリブメインの企画もあるが、特に顕著なのがキャラクターコントだ。

「チョコプラの松尾駿と霜降りのせいやが、それぞれ坂上忍と爆笑問題・太田光になりきった小生意気な幼稚園児を演じる『サカガミくんとオオタくん』、チョコプラの長田庄平が、常に力んで物を壊してしまう引っ越し業者を演じる『力見引越センター』、テンションが上がると宙を飛ぶ大学生『すぐに舞い上がっちゃう ぶっとび!飛美男くん』と、とにかくわかりやすいキャラクターが子どもたちにウケているのかもしれません」(前出の芸能ライター)

チョコプラがYouTubeでヒットを飛ばす皮肉

 しかし、今の時代、コントをつくることのハードルはさらに高くなっているという。

「コントの定石といえば、流行っている事象や話題の人物を取り上げることでしたが、今やその場はYouTubeに移り変わっています。特にチョコプラなどは瑛人の『香水』のMVをパロディーにしたり、最近では東京五輪の開会式で話題となった『動くピクトグラム』をわずか3日後に再現するなど、その即応性で人気を集めています。

 これまではコントがそうしたトレンドを取り入れていたのですが、もはやYouTubeのスピードにはかなわない。予算がかからない上に、最小人数でできますからね。『新しいカギ』にメインで出ているチョコプラが、番組発ではなく、テレビとはライバル関係にあるYouTubeでそうしたヒットを飛ばしているのは、なんとも皮肉なことです」(前出のテレビ局関係者)

不定期の『ただ今、コント中。』は好視聴率

 そんな『新しいカギ』はレギュラー番組だが、フジテレビでは昨年末から、サンドウィッチマン、かまいたち、バイきんぐ、3時のヒロイン・福田麻貴らが出演するコント番組『ただ今、コント中。』が不定期で放送されているほか、3時のヒロイン、ぺこぱ、四千頭身、そして人気モデルの久間田琳加による『Do8(ドエイト)』というコント番組も、過去2度オンエアされている。

「『ただ今、コント中。』の第3弾が7月10日に放送されましたが、視聴率は世帯6.7%、個人4.1%でした。C層3.2%、T層4.4%、さらにM2(男性35~49歳)の積極視聴も顕著で5.7%。F1(女性20~34歳)は4.7%、F2も7.3%、F3(女性50歳以上)3.3%と、各世代とも理想的な伸びを示しています。裏番組の状況などもあるとは思いますが、正直『新しいカギ』よりも人気が高いです。また、『Do8』スタッフも本気でレギュラーを狙っているそうですから、あなどれません」(同)

 ドラマでは“月9”が完全復活したフジテレビ。“お家芸”のバラエティでさらなる復権を図りたいところだが、中でも期待を集める『新しいカギ』の今後やいかに?

(文=編集部)