JRA クイーンS(G3)川田将雅ドナアトラエンテは「消し」! 函館開催Bコース替わりでイン強襲狙う「◎」は……

 今年も早いもので、もう8月。1日、中央競馬では牝馬限定重賞のクイーンS(G3)が行われる。

 通常、札幌競馬場で行われるクイーンSだが、今年は東京オリンピックの影響で函館開催。頭数は12頭と少ないが、メンバー的には一長一短で難解なレースとなっている。

 函館の芝1800mといえば巴賞(OP)が行われるコースだが、スタートから1コーナーまでの距離が短く2ハロン目がコーナー。通常、最もペースが上がりやすいところがカーブとなるためペースは上がりにくく、先行馬が有利になりやすい傾向がある。

 とはいえ、洋芝で馬場は重く、スピードだけでは押し切れない舞台。逃げ馬の複勝回収率が極端に低く、ペース次第では差し・追込馬にもチャンスは生まれそうだ。

■巴賞(過去10年)の脚質傾向(着度数、複勝率、複勝回収率)
平地・逃げ【2-1-0- 8/11】 27.3% 42%
平地・先行【5-5-5-22/37】 40.5% 98%
平地・差し【0-4-5-29/38】 23.7% 82%
平地・追込【2-0-1-22/25】 12.0% 89%
平地・捲り【1-0-0- 0/ 1】100.0% 170%

 また、枠番傾向は内外フラット。今週からBコース替わりとなることを踏まえれば、若干内が有利になると考えたい。

■巴賞(過去10年)の枠番傾向(着度数、複勝率、複勝回収率)
1枠【3-0-0- 8/11】27.3% 155%
2枠【1-1-1- 9/12】25.0% 45%
3枠【1-2-0- 9/12】25.0% 73%
4枠【1-0-1-10/12】16.7% 90%
5枠【1-0-1-11/13】15.4% 32%
6枠【1-2-3-10/16】37.5% 134%
7枠【0-2-3-13/18】27.8% 61%
8枠【2-3-2-11/18】38.9% 98%

 今回は、以上の内容を考慮して予想を組み立てた。

「◎」は、3番フェアリーポルカ

 近2走は相手関係などを考慮してダートを使われたようだが、過去の重賞2勝は芝1800m。本質的には芝向きで、昨年のクイーンSでも6着と健闘したように実力は確かだ。

 昨年の同レースは通常通りの札幌開催であったが、フェアリーポルカより後ろにいた差し馬が4着までを独占。札幌で行われた際の同レース過去10年(函館開催の2013年を除く)を振り返っても差し馬が複勝回収率「119%」と先行馬の「49%」を大きく上回っており、先行力のあるフェアリーポルカにとって函館コースに替わることはプラスとなるだろう。

 陣営は「前走を使い身体が締まりましたし、気合乗りもよくなっていますよ」と話しており、状態面も上向き。乗り慣れた和田竜二騎手から三浦皇成騎手に乗り替わるが「癖がない馬なので、騎手変更も問題ないと思います」と意に介さない様子だ。

 内目の3枠3番も、先行するには絶好枠。ロスのない立ち回りができれば、昨年以上の成績が期待できると見た。

「○」は、6番マジックキャッスル。

 前走はヴィクトリアマイル(G1)で3着と健闘。勝ち馬グランアレグリアからは0.7秒離されたが、2着のランブリングアレーとはクビ差の接戦だった。

 陣営は「前走は勝ち馬が強過ぎましたね。前走後はこのレースを目標に美浦で乗られてから函館入厩しましたが、落ち着きもありますし動きは抜群です。前走の内容からも、ここは好勝負してもらわないとね」と自信をみなぎらせる。

 ヴィクトリアマイルはスローペースだったが、3走前の愛知杯(G3)ではハイペースを差し切り勝ち。今回のメンバーであれば、展開を問わず差し込んでこられそうだ。

「▲」は、8番ウインマイティー。

 昨年のオークス(G1)で、3着と好走した実力馬。近走は精彩を欠く結果が続いているものの、変わり身があるとすればこの馬を置いて他にいないのではないだろうか。

 気になる状態だが、陣営は「前走の愛知杯でブリンカー着用など改善を試みましたが、結果が出なかったので気分転換を図るため放牧に出しました。その甲斐あってか活気が戻ってきましたし、牧場サイドもデキに自信があるからこそミルコ(・デムーロ騎手)に依頼したと聞いている。洋芝適性は高いと思うので、復活のきっかけを掴んでほしいですね」と巻き返しを図る。

 オークス、紫苑S(G3)ではマジックキャッスルと僅差の走りをしていただけに、状態さえ戻っていれば逆転も十分に考えられそうだ。

「△」は、1番クラヴァシュドール、9番テルツェットの2頭。

 クラヴァシュドールは、陣営が「能力はあるんですが、気持ちのコントロールが難しい馬ですね。滞在効果に期待したい」とメンタル面での不安を語るが、今回は相性のいい藤岡佑介騎手が騎乗。桜花賞(G1)4着の実力を発揮できれば馬券圏内も期待できそうだ。

 また、テルツェットは陣営が「1800mには対応できると思いますし、調整は順調で元気もありますよ」と色気を見せるも、「前走は出遅れが痛かったですね」と話すように二の脚が遅く、後方からの競馬となりそうなことが懸念材料。能力は認めつつも、押さえまでとした。

 なお、人気しそうなところでは5番ドナアトラエンテを「消し」とする。

 ドナアトラエンテは良馬場の前走で好走したものの、不良馬場となった中山牝馬S(G3)は直線で失速。馬場が重い洋芝の函館は合わなそうであり、今回も終いが甘くなると見てバッサリと切った。

 以上を踏まえ、印は以下の通り。

◎3番フェアリーポルカ
○6番マジックキャッスル
▲8番ウインマイティー
△1番クラヴァシュドール
△9番テルツェット

 馬券は三連複で勝負。保険としてワイドも押さえておく。

三連複 フォーメーション
◎○▲-◎○▲-◎○▲△△ 7点

ワイド ボックス
◎○▲ 3点

 今回のクイーンSは、前走で逃げた馬がローザノワール、サトノセシル、シャムロックヒルと3頭。ドナアトラエンテも川田将雅騎手で前のポジショニングから早めに押し上げる可能性が考えられる。

 前の脚が鈍り、2、3列目のインからフェアリーポルカが抜け出しを図るところ、ウインマイティー、マジックキャッスルが中を割っての差し。そこにペース次第では外から届きそうなテルツェットでどうだろう。

 五輪シフトで、函館開催となるクイーンS。上手く折り合って内を捌けた際は、馬名の通りクラヴァシュドール(金の鞭)さく裂で万馬券も期待できるかもしれない。

(文=宍戸ハレ)

<著者プロフィール>
 競馬好きというよりは予想好き。知的推理ゲームをこよなく愛する馬券狂である。券種は基本的に三連複とワイドだが、的中率より回収率重視で軸は殆ど人気薄という生粋の穴党。馬券が当たると異様にテンションが上がるも、年に数回だけという悲しい現実と向き合っている。