JRA小倉の「新馬マイスター」福永祐一が新潟でどん詰まり連発の大失態、誤算続きの新馬戦でまさかの急ブレーキ

 24日から始まった函館・新潟の2場開催。通常であれば、基本的に関東・関西で騎手や馬が分かれるのだが、今年は東京オリンピック開催への対応および暑熱対策の観点から、変則開催となり、関東・関西関係なく騎手や馬が各競馬場に参戦している。

 そのため、関東寄りのイメージがある新潟競馬場にも関西騎手が多く、その中にはコントレイルとシャフリヤールで日本ダービーを連覇した福永祐一騎手もいた。

 福永騎手は、先週まで小倉競馬場を主戦場として騎乗。小倉開催が4週の間、休止する関係で新潟競馬に参戦してきた。

 小倉の福永騎手は絶好調だった。わずか3週で計14勝を荒稼ぎし、地元開催で気を吐いた川田将雅騎手を上回る夏の小倉暫定リーディングに輝いている。2位の松山騎手が10勝であるため、現時点で大きなリードを手にした。

 福永騎手が小倉リーディングにつけている要因の1つに「新馬戦」における好成績が挙げられる。14勝のうち5勝が「2歳新馬戦」だったのだ。5勝の中には、単勝オッズ1.5倍の人気馬で挙げたものはあるが、将来のお手馬候補となる2歳馬で【5-1-0-2】の成績を残したことは、今後の福永騎手にとっても大きなプラスとなるだろう。

 これほどの活躍をするのだから、「新馬の福永」と言いたくなるが、新潟開催になってから福永騎手は、新馬戦でファンの期待に応えられないレースが続いている。その中でも、大きく期待を裏切ったレースが2つある。

 1つ目は、24日新潟5Rのプルサティーラ(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。同馬は、ディープインパクト産駒の素質馬で、サンデーレーシングが1口175万円、40口募集したほどの高額馬だ。

15年の愛オークス(G1)などを制したカヴァートラブを母に持ち、期待されていた馬だった。13日の当歳セレクトセールでは、キズナ産駒の半妹を1億5000万円でCyber Agentの藤田晋代表取締役社長が落札したこともニュースになった。

 福永騎手はデビュー前のプルサティーラについて「ディープの牝馬という感じ。軽い芝で良さそうなタイプ。いい動きだった」と絶賛しており、管理する中内田厩舎の片山裕也助手は「小柄な牝馬で気のいいタイプ。スピードがありそうだし、ゲートも水準以上」と評価していた。

 レースは、、フルゲート18頭立ての芝1600mでデビュー。ゲートも水準以上という片山助手のコメント通り、好スタートを切るとインの4番手につける。しかし、勝負どころの4コーナーにかけて後ろの馬が徐々に進出すると、インの6番手に押し込められてしまった。

 最後の直線コースに入り、勝負所を迎えたものの、インにいた関係で四方が塞がって進路を確保できず。それでも、外から蓋をしてきた馬が抜け出たところを利用して、何とか活路を見出したが時すでに遅し。伏兵馬の逃げ切りを許す結果となってしまった。


 レース後、SNSやネットの掲示板では一部のファンから「包まれる前に何とかしないと……」「これでは教育どころじゃない」と福永騎手の進路取りに疑問を呈す声も出た。

 この新馬戦の敗北でリズムを崩したのか、福永騎手は開幕週の新潟で行われた新馬戦に騎乗するも未勝利。好結果を残した小倉とは、一転して一急ブレーキとなった。

 不調を象徴した極めつけは、翌25日新潟6Rの2歳新馬戦である。騎乗馬は、ブルーグラス(牡2歳、栗東・高橋義忠厩舎)だ。

 こちらは今年の青葉賞(G2)を制したワンダフルタウンの半弟にあたる素質馬で、兄が新潟で芝1800mの2歳レコードを樹立していることなどが評価され、4番人気の支持を受けていた。

 しかし、スタートで後手を踏んだ結果、18頭立てのレースで13番手の後方から追走の苦しい位置取り。そして最後の直線で、インコースを選択した福永騎手は、再び行き所をなくし、満足に追えなかった結果、7着に敗れてしまった。挙句、最後の直線コースで外側に斜行したことについて過怠金1万円の処分を受けるというオマケもついた。

 1400mながら前半3F33秒9に対し、後半3Fが36秒9と後ろの馬に有利なペース。そのため、後方にいたとしても、進路さえ確保できていればチャンスは十分にあったかもしれない。そういったこともあってか、前日に続いての残念な結果に、不満を漏らすファンも少なくなかった。

 現在、全国リーディングで3位につけている福永騎手だが、1位のルメール騎手が函館を主戦場にしており、2位の川田騎手との差を少しでも詰めるためにも、負けられない戦いが続く。連日の猛暑の影響で「夏バテ気味」かもしれないが、是非とも踏ん張って大活躍だった小倉の勢いを取り戻したいところだ。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。