JRA【クイーンS(G3)展望】五輪開催が波乱の要因に!? 「ディープインパクト産駒」マジックキャッスル、テルツェット、ジェンティルドンナ妹は苦戦必至か

 8月1日には夏の牝馬限定重賞、クイーンS(G3)が行われる。今年は東京五輪の影響で、札幌から函館に場所を移し、開催される。

 昨年は11番人気のレッドアネモスが混戦を断ち、馬連配当は1万3870円の波乱となった。しかし、過去10年で馬連万馬券はその1度だけ。1番人気は「5-2-2-1」と比較的平穏に収まる傾向のレースと言えるだろう。

 今年の出走想定馬のなかで実績上位かつ人気上位が予想されるのはマジックキャッスル、テルツェット、ドナアトラエンテの3頭。いずれもディープインパクト産駒という共通点を持つ。

 注目したいのがディープインパクト産駒の洋芝適性。例年このレースが開催される札幌の芝コースでは、通算勝率14.9%(558戦83勝)と悪くない。しかし、同じ洋芝でも函館の芝コースに替わると勝率は9.4%(478戦45勝)まで下がる(どちらも7月18日時点)。

 ディープインパクト産駒3頭はそろって洋芝未経験。未知数とはいえディープインパクト産駒が苦手とする傾向のある函館が舞台だけに、そろって凡走する可能性もありそうだ。

 3頭の中で実績最上位はマジックキャッスル(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)だろう。昨年は牝馬クラシック3冠を皆勤。秋華賞(G1)ではデアリングタクトを追い詰める2着に好走した。

 1月の愛知杯(G3)で重賞初制覇を飾ると、続く阪神牝馬S(G2)で2着。前走のヴィクトリアマイル(G1)は最内枠から直線インをじわじわ伸び、3着を確保した。大きく崩れたのは12着に敗れた桜花賞(G1)だけで、コースを問わず安定した走りを見せている。

 鞍上を務める戸崎圭太騎手とは通算「2-2-1-0」とコンビ相性も抜群。枠、馬場、ペースなどを味方につけることができれば、最も勝利に近い存在であることは間違いない。

 21日の1週前追い切りでは51秒3-12秒0の好タイムを出し、好調をアピール。愛知杯以来の重賞2勝目を狙う。

 マジックキャッスルと同世代のテルツェット(牝4歳、美浦・和田正一郎厩舎)も上位人気が濃厚だ。

 こちらは昨年8月にようやく1勝クラスを勝ち上がり、出世が遅れた晩成タイプ。牝馬クラシックとは無縁だったが、今年4月のダービー卿チャレンジT(G3)にかけて約8か月間で怒涛の4連勝を飾り、素質を一気に開花させた。

 前走・ヴィクトリアマイルでは4連勝の内容も評価され、3番人気の支持を集めた。しかし、スタートでやや立ち遅れると、直線に懸けたが末脚不発で14着に敗れた。

 鞍上は近2走で騎乗したM.デムーロ騎手からテン乗りのC.ルメール騎手に乗り替わる。リーディングジョッキーを背に大敗からの巻き返しはなるか。

 注目ディープインパクト産駒の3頭目は、全姉にジェンティルドンナがいるドナアトラエンテ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 その血統背景もあってデビュー前から注目を浴びてきた存在だったが、オープン昇級を果たしたのは5歳を迎えた今年1月という遅咲き。年初の初富士S(3勝クラス)を勝つと、重賞初挑戦の中山牝馬S(G3)では9着と大敗を喫した。

 巻き返しを期した前走の福島牝馬S(G3)は、中団前目の好位から直線で末脚を伸ばしたが、逃げたディアンドルを捕らえきれず2着。重賞勝利はお預けとなった。

 鞍上は前走に続き、川田将雅騎手が手綱を取る。デビューから11戦すべて1番人気を背負ってきた期待の良血馬が重賞で“三度目の正直”なるか。

 シャムロックヒル(牝4歳、栗東・佐々木晶三厩舎)は格上挑戦となった前走マーメイドS(G3)で、軽ハンデを生かして逃げ切り勝ち。今回は鞍上を団野大成騎手に戻し、重賞2連勝を狙う。

 この他には、桜花賞2着、秋華賞3着の実績があるシゲルピンクダイヤ(牝5歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)、昨年のオークス(G1)3着馬ウインマイティー(牝4歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)3着の好走歴があるクラヴァシュドール(牝4歳、栗東・中内田充正厩舎)などもチャンスをうかがう。

 注目のディープインパクト産駒3頭は、函館芝を“克服”できるのか。秋へ向けて注目の一戦、クイーンSは、函館競馬場で8月1日15時35分に発走予定だ。