今、再現ドラマバラエティが花盛りである。
主なものを挙げるだけでも、月曜の『クイズ!THE違和感』(TBS系)、『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)、『逆転人生』(NHK)から始まり、火曜日は今年で放送20年を迎える『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)、水曜日は『ワールド極限ミステリー』(TBS系)、木曜日は『THE突破ファイル』(日本テレビ系)、『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)、土曜日は田中みな実、南海キャンディーズ・山里亮太、テレビ朝日の弘中綾香アナウンサーが司会を務める『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)と、実に週8本。まさに毎日のように各局でオンエアされている。
『スカッとジャパン』が大ヒット
かつて「再現ドラマ」と言えば、主婦向けの投稿ものが多かった印象がある。たとえば、1993年にスタートしたのが、フジテレビの平日午前中の『どうーなってるの?!』。
「激安店やグルメ情報、格安物件など生活情報を紹介していましたが、やはり視聴率を上げる起爆剤となったのが、不倫や家庭内離婚など一般女性の赤裸々な体験をもとにしてつくられる再現VTRでした。夫や子どもを送り出した後の主婦たちが、電話やファックスで自らの経験を続々と告白したのです。結局、この番組は8年、後継番組の『こたえてちょーだい!』も6年続きました」(テレビ局関係者)
そんな中、1997年に『アンビリバボー』が、さらに2001年には『世界仰天ニュース』がスタートし、世間を震撼させた事件や涙を誘わずにはいられない感動エピソードを再現VTRにするという手法で一躍、お茶の間に受け入れられた。
この2つの再現ドラマバラエティが居並ぶ中、2014年に登場した“新星”が『スカッとジャパン』だ。巷の迷惑な人に仕返しをしたという視聴者の体験談を再現ドラマに仕立て、スタジオのゲストらが“スカッと度合い”を判定するという趣向の番組である。
科学的根拠のない血液型占いを信じ込み「B型は仕事が雑」と部下をいびるお局OL、宿泊先のホテルで「ネックレスが盗まれた」と騒ぎ立てる中年女性など、これまで『どうーなってるの?!』でも紹介されてきたような人物像に対して「スカっと撃退する」という目線を加え、さらにスタジオトークで盛り上げる。既視感がありながらも、そこにスパイスを加えたことで、同番組は大ヒットした。
「そんな『スカッとジャパン』をさらに進化させた形の番組が『突破ファイル』です。同番組では、さまざまなピンチをどう切り抜けたのかをコミカルなドラマテイストで紹介しています。さらに、『あざとくて何が悪いの?』は視聴者投稿をもとに、世にはびこる“あざとエピソード”を再現VTRにしている。このように、一口に再現ドラマといっても、細分化されているのが最近の特徴です」(同)
『スカッとジャパン』では、2014年のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)の陰湿な編集長役で注目された木下ほうかが「イヤミ課長」を好演し、人気に火がついた。イヤミを言い終わった際の締めの一言「はい、論破」は、2015年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされたほどだ。
再現ドラマバラエティは視聴者の反応をダイレクトにVTRに落とし込めるので、話題のキャラクターを育てやすいというメリットがあるのだろう。
再現ドラマから本当のドラマ出演へ
また、『THE違和感』の再現ドラマ内で悪役を演じることがある、お笑いコンビ・宮下草薙の宮下兼史鷹が、金曜ドラマ『リコカツ』(TBS系)に出演した。これは、『THE違和感』での人気によりオファーが舞い込んだとも言われている。さらに、『突破ファイル』の人気シリーズ「突破交番」で正義感あふれる警官を演じていたハナコ・岡部大も、のちにNHK連続テレビ小説『エール』に出演している。
再現ドラマから本当のドラマへ、という流れが生まれつつあり、今や再現ドラマバラエティはネクストブレイクの宝庫なのかもしれない。
「そんな中、『世界仰天ニュース』と『アンビリバボー』は一時的な人気者に頼らず、地道に再現ドラマをつくるという姿勢を崩しておらず、番組としての信条がうかがえます。最近でこそ、『仰天』はスペシャル時にタレントの身に起きた出来事を本人再現で紹介していることもありますが……」(同)
視聴者が自分の嗜好に合わせて楽しめる再現ドラマバラエティ。その人気は、まだまだ続きそうだ。
(文=編集部)