18日(日)、函館競馬場では函館記念(G3)、小倉競馬場では中京記念(G3)が行われる。ともにハンデ重賞とあって、波乱を期待するファンも多いだろう。
「さすがに荒れすぎだろ……」
超がつく穴党ファンですら、そうつぶやきたくなるような波乱が連発したのは、1年前の7月19日のことだった。WIN5の最後のキャリーオーバーがこの日であることからも、察しがつくだろう。
その日のWIN5対象レースと勝ち馬は次の通り。
1R目、阪神10R オークランドRCT(アバルラータ、8番人気、12万7900票)
2R目、福島10R 横手特別(オーケストラ、3番人気、1万7135票)
3R目、函館11R 函館記念(アドマイヤジャスタ、15番人気、156票)
4R目、阪神11R 中京記念(メイケイダイハード、18番人気、1票)
5R目、福島11R 福島テレビOP(トゥラヴェスーラ、2番人気、0票)
WIN5対象3レース目と4レース目の両重賞で人気薄が連勝。その時点でキャリーオーバーが濃厚と考えられていたが、なんと1票の残存票があった。
「キャリーオーバーを願う多くのファンが見守る中、最終関門である福島テレビOPが行われましたが、勝ったのは2番人気のトゥラヴェスーラ。人気馬の勝利だけに、4億円以上を一人が総取りした可能性もあると思われましたが、結果は的中者なしのキャリーオーバー。15番人気と18番人気を的中させるというミラクルを起こしながら、最後の最後で大魚を逃がしたファンはさぞ無念だったと思います」(競馬誌ライター)
あれから1年、函館記念と中京記念に戻ってきたのはキャリーオーバーの主役たちだ。
昨年の函館記念を15番人気で制したアドマイヤジャスタ(牡5歳、栗東・須貝尚介厩舎)。18年のホープフルS(G1)でサートゥルナーリアに迫った実力馬も惨敗が続き、G1・2着の面影はなかった。ところが、テン乗りの吉田隼人騎手が見事な好騎乗。パシュファイヤーの効果もあったのか、アドマイヤジャスタは1年9か月ぶりの美酒を味わった。
その数分後に最低18番人気で中京記念を制したのがメイケイダイハード(牡6歳、栗東・中竹和也厩舎)だった。こちらもテン乗り、酒井学騎手が5戦連続2桁着順のスランプに陥っていた馬を勝利に導いた。
1年前にキャリーオーバーの主役を務めた2頭は、その後ふたたび低迷している。アドマイヤジャスタは、この1年いいところなく、5連敗中。一方のメイケイダイハードはそれを上回る9連敗中であり、どちらも丸1年間、馬券に絡むこともできていない。
アドマイヤジャスタは1年ぶりの函館で、あの時の走りを思い出せるか。メイケイダイハードは、舞台が阪神のマイルから小倉1800mに替わっての一戦。こちらは芝では初距離となる上にコース替わりは決してプラスとは言えないだろう。
そんなメイケイダイハードに代わる激走穴馬候補が中京記念に出走するという。それが、アバルラータ(牝7歳、栗東・鮫島一歩厩舎)だ。
「お気づきかもしれませんが、実はアバルラータも1年前のキャリーオーバーに貢献しています。対象1レース目を8番人気で優勝し、“流れ”を作りました。オープン昇級後は7戦して最高着順は7着ですが、着順ほど負けていないレースも多く、チャンスはあると思います。
何より小倉では3戦して全て2着という“隠れ小倉巧者”。テン乗りに定評がある西村淳也騎手が52kgの軽ハンデを生かして、アッと驚かせてくれるかもしれませんよ」(同)
13日現在、『netkeiba.com』のアバルラータの予想オッズは140倍。昨年は“脇役”だったが、今年は大波乱の“主役”を務める可能性は十分ある。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。