パチスロ「その『状態』に入ると、まるで台がブッ壊れたかのように…」~3号機名機伝説『ドリームセブンJr.』&『マジカルベンハー』編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.54】


 新要件パチスロ4号機の登場を控え、業界健全化の名のもとに1992年の春から秋にかけて挙行された基板改修・再封印作業。

 これにより、前年から猛威を振るっていた裏モノ連チャン機の多くはノーマル化するかあるいは撤去され、相応の効果を発揮したものと思われていた。

 ところが、である。作業が一段落すると新たな勢力が続々と出現。3号機時代の末期を暴れ回るのであった。

 そんな新勢力の代表格ともいえるのが、高砂電器の3-2号機『ドリームセブンJr.』と、同一の仕様を持つ大東音響の兄弟機『マジカルベンハー』である。

 デビューは1991年の春。仕様はオーソドックスなAタイプだが、前者はボーナス絵柄に赤と青2色の7絵柄を、後者は赤7と青3(パチスロ史上初の7以外の数字絵柄)を採用している点が、当時は目新しかった。

 しかし、それ以外の部分に関してはスペックを含め取り立てて目立つ要素もなく、良くも悪くも「フツーの3号機」だった。

 そんな『ドリセブJr.』と『マジベン』がにわかに注目を集めたのは、デビューから1年が経った1992年春のこと。

「ビッグ中の小役ゲーム中に強制的に777を揃えて再度ビッグをスタートさせる」という信じがたい攻略法が発覚したのである。

 随所で正確無比なビタ押しが要求されるなど非常に難易度の高い攻略法だったが、通常ならビッグ1回で350枚しか取れないところ成功すれば1000枚は余裕で取れるとあって、破壊力は絶大だったことは言うまでもないだろう。

結局、この攻略法は最終的に「規定枚数を超えると電源が落ちる」といった対策部品の取り付けによって封じられてしまうのだが、攻略騒動が一段落してしばらくすると、こんどは別の騒動が巻き起こる。

…そう。第51回で取り上げた『スペバト』&『スペスペ』と同様、裏モノ化して大増殖を開始したのである。

 裏モノゆえにいくつかのバージョンがあったが、最もメジャーだったのは、やはり「状態」バージョンだろう。

 BR両ボーナスが、速攻連打と数珠連打を織り交ぜて果てしなく続く様が、「まるで台がブッ壊れたような状態」だったことからそう名付けられたのだが、その前代未聞の強烈すぎる連チャン性に多くのファンが熱狂した。

 ところで、パチスロ必勝ガイドでいまもなお連載が続く看板実戦企画「91時間バトル」の記念すべき第1回(1993年11月号に掲載)の対戦機種が、何を隠そうこの『ドリセブJr.』の「状態」バージョンだった。

 闘いの舞台となったのは、JR中央線は高円寺駅北口の商店街にあったS店。地元密着型の見本のような、規模は小さいが非常に活気のある店だった。

 初日の担当を命ぜられた自分は、前日に下見をした上で慎重に狙い台を絞り込み、そして鼻息も荒く勝負に挑んだ。しかし、度重なる投資とショボい連チャンを繰り返すばかりでモノホンの「状態」に突入することなく、無念の敗北を喫してしまった。

 その後も度々、一撃必殺ウン千枚のモノホン「状態」を夢見て『ドリセブJr.』と『マジベン』と対峙するも、結果は散々。相性が悪かったのか、とにかく自分はこの2機種でロクにいい思いをしたことがない。

 しかし、「状態」バージョンの爆裂遺伝子はその後、4号機の時代に移ろいでからも『キングガルフ』や『リズムボーイズ』など様々なマシンに受け継がれ、多くのファンを熱狂させるのであった。

(文=アニマルかつみ)