JRA優勝賞金1億5,000万円!! クロノジェネシスかレイパパレか、それともアリストテレス? 宝塚記念(G1)優勝で決まる「賞金事情」とは

 2021年のJRA上半期を締めくくる宝塚記念(G1)。

 ヨシオとキングミニッツが出走回避を表明したことで、ゲートインする馬は13頭。やや寂しい感も否めないものの、同レースは年末の有馬記念(G1)と並ぶ、ファン投票で出走馬が決まるグランプリレースでもある。

 宝塚記念の1着賞金は1億5,000万円。これは同3億円のジャパンCと有馬記念、2億円の日本ダービーに次ぐ高額賞金で、春秋の天皇賞と同額。賞金面では、宝塚記念は数あるG1レースのなかでも、グランプリにふさわしいレースといえるだろう。

 この1億5,000万円を狙う13頭のなかには、自身の賞金にまつわる記録がかかる馬もいる。

 1頭目は、グランプリ3連覇を狙うクロノジェネシスだ。宝塚記念出走直前の現時点で、JRAでの獲得本賞金(以降、本賞金)は8億5,250万円。

 もしもクロノジェネシスが勝利すれば、JRAでの本賞金は10億円を突破。これは牝馬として史上5頭目の“大台”突破となる。

 牡馬よりも現役生活が短い傾向にある牝馬ながら、過去に「10億円超え」を記録したほか4頭の牝馬たちは、みな歴史に名を刻む女傑ばかり。

 ウォッカとジェンティルドンナの本賞金は約12億円で、ブエナビスタは約13億円。そしてトップに立つのが、約14億円を稼いだアーモンドアイだ。

 アーモンドアイの場合、海外での賞金や、ほか諸々の出走手当などを含めた総獲得賞金を計算すると、その総獲得賞金は約19億円。キタサンブラックやテイエムオペラオーの約18億円を押さえて、牡馬を含めた日本競馬のなかで歴代1位に輝いている。

 果たしてクロノジェネシス優勝で、牝馬5頭目の「10億円超え」なるか。ちなみに宝塚記念の2着賞金は6,000万円、3着3,800万円、4着2,300万円、5着1,500万円で、ここで10億円を突破した歴代の女傑たちに肩を並べるには、優勝するしかない。

 クロノジェネシスに次いでもう一頭。宝塚記念で人気を集めそうなレイパパレも、その結果次第で2021年「賞金王争い」のトップに立つ可能性がある。

 ここで注目したいのが、先のアーモンドアイら、デビュー戦から積み上げた本賞金ではなく、あくまでも今年1月からの「賞金王争い」についてだ。

 現在の2021年「賞金王」は、今年の日本ダービー(G1)を制したシャフリヤール。ダービーの賞金2億円の他に、毎日杯(G3)優勝、共同通信杯(G3)3着を含むと、今年稼いだ賞金は合計2億4,750万円となっている。

 このシャフリヤールに対して、今年初戦で大阪杯(G1)を制したレイパパレ。大阪杯の賞金1億3,500万円が現時点で稼いだ本賞金で、宝塚記念優勝なら1億5,000万円が加算。2021年の本賞金は合計2億8,500万円となり、シャフリヤールを抜いて2021年上半期「賞金王」の座に就くことになる。

 宝塚記念優勝で、暫定ながら「賞金王」となるレイパパレ。もし2着に甘んじると、前述の6,000万円が加算されて合計1億9,500万円。シャフリヤールを抜くことはできず、レイパパレが上半期の「賞金王」になるには、こちらも優勝しかない。

 さらにアリストテレスも、今年の「賞金王争い」を賑わせる資格を持つ一頭だ。

 今年1月のアメリカジョッキークラブC(G2)優勝した同馬は、阪神大賞典(G2)7着、天皇賞・春(G1)などグレードの高いレースに出走。今年ここまで稼いだ本賞金は8,500万円。もしアリストテレスが宝塚記念を優勝すれば、1億5,000万円が加算されて同馬の本賞金は2億3,500万円に跳ね上がる。

 レイパパレが2着でも1億9,500万円となることから、アリストテレスは同時に2021年の「賞金王争い」でも、レイパパレを抜き去ることになるのだ。

 クロノジェネシスやレイパパレ、そしてアリストテレス。もちろん、この3頭以外にも優勝の可能性はあるが、果たして優勝賞金1億5,000万円をゲットするのはどの馬だろうか。

 史上5頭目の「10億円超」牝馬誕生なるか、さらに2021年の「賞金王争い」の行方にも注目しながら、上半期最後のG1レースを楽しみたい。(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。