20日の阪神メインは、牝馬によるハンデ重賞・マーメイドS(G3)だ。過去10年で“平穏”に収まったのは、「3-2-6」番人気で決まった2017年くらい。今年も上位人気は割れており、出走する16頭すべてにチャンスがありそうだ。
18年から3年連続で格上挑戦の馬が勝っているが、今年は前走3勝クラスで4着に敗れた13番クラヴェル(牝4歳、栗東・安田翔伍厩舎)を「◎」に指名したい。
昨年8月に新潟で2勝クラスを勝った後は、3勝クラスで「3→5→4→4」着と惜敗が続いている。ただし戦ってきた相手は決して弱くない。3着に敗れた昨秋の大原Sで先着を許したのは、後に大阪杯(G1)を勝ったレイパパレ。その後もデゼルやウインキートスなどの重賞勝ち馬と差のない競馬をしている。
前走のシドニーTでは、勝ったソフトフルートに0秒2差をつけられた。前回はともに55kgを背負っていたが、今回はクラヴェルが51kgでの出走。一方のソフトフルートは54kg。前日時点ではソフトフルートの方が人気を集めているが、斤量の差だけ見れば、逆転のチャンスは十分あるだろう。
血統も魅力的だ。クラヴェルの母ディアデラマドレは、格上挑戦で臨んだ7年前のこのレースを制している。クラヴェルにとって、初の重賞舞台で母娘制覇を狙う。
鞍上は53歳の大ベテラン、横山典弘騎手。クラヴェルとは6戦連続のコンビとなる。安田翔厩舎とは相性が良く、キングオブコージで昨年の目黒記念(G2)を制している。前日最終6番人気なら、狙わない手はないだろう。
「○」は、横山典騎手の長男・横山和生騎手が騎乗する8番ソフトフルート(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
シドニーTでクラヴェルを破り、今回が昇級初戦。ただし、こちらは昨秋に大舞台を経験している。昨年10月の秋華賞(G1)では、道中最後方を進むと、上がり最速の末脚を繰り出し、3着に追い込んだ。
続くエリザベス女王杯(G1)でも6着に入り、そのポテンシャルの高さを示した。その後は自己条件の3勝クラスで2戦連続5着に敗れていたが、前走で念願のオープン入り。昨秋の経験を生かす時だ。
血統的には、父ディープインパクトの存在が後押しする。過去10年で、ディープインパクト産駒は「3-3-0-8」とマーメイドSとは好相性を誇る。
斤量の差でクラヴェルを上に取ったが、同斤量なら実力はこちらが上だろう。テン乗り横山和騎手と父・典弘騎手が最後の直線で追い比べを演じれば、高配当は間違いない。
「▲」は6頭いる関東馬のうちの1頭、14番サンクテュエール(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)を指名する。
こちらもディープインパクト産駒で、前走・福島牝馬S(G3)で復活の兆しを見せる3着に好走した。前走後は、このレースを目標に順調に調整されてきた。杉原誠人騎手から川田将雅騎手への乗り替わりはプラス材料で、シンザン記念(G3)以来の勝利をつかみたい。
「△」はキズナ産駒の2番アブレイズ(牝4歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
昨年2戦2勝でオークス(G1)に臨んだ逸材も、故障があって復帰後は本来の力を発揮できていなかった。前走のメイS(OP)でようやく連敗に終止符を打ち、重賞2勝目を狙う。
圧巻の動きを見せたのは1週前追い切り。栗東坂路で49秒2の好時計をマークした。好状態の今なら、トップハンデ56kgを克服してもおかしくない。
「×」は、1番シャムロックヒルと10番キングスタイルの2頭を押さえる。
アブレイズと同じキズナ産駒のシャムロックヒル(牝4歳、栗東・佐々木晶三厩舎)は、半姉サラスが2年前に7番人気でこのレースを制覇。久々の実戦となるが、調教でいい動きを見せており、最内枠から経済コースを通っての粘り込みに期待したい。
ディープインパクト産駒のキングスタイル(牝4歳、栗東・田中克典厩舎)は、転厩初戦で2勝クラスを勝ち、今回は格上挑戦となる。410kg前後の小柄な馬体に50kgの軽ハンデ、前走から5kg減は魅力的。無欲の追い込みに徹すれば、3着までなら食い込んでもおかしくない。
以上、今週は6頭に印を回したが、横山親子が騎乗する2頭をダブル本命という扱いでフォーメーションを組み立てたい。三連複ならどれが来ても万馬券になるだろう。あとはワイドもフォーメーションで押さえておく。
三連複フォーメーション 14点
◎○→◎○▲△→◎○▲△××
ワイドフォーメーション 5点
◎○→◎○▲△
<筆者プロフィール>
八木遊
競馬、野球ライター。スポーツデータ会社、テレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、Twitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。