「木下優樹菜が第一次的に賠償責任を負う」3億円賠償請求訴訟、プラチナム巻き込み泥沼化

 ついに“お騒がせ”も、これが最後になるのだろうか――。

 タピオカ店主への“恫喝DM”騒動を経て、昨年7月に所属していた事務所のプラチナムプロダクションから契約解除と芸能界引退が発表された木下優樹菜。引退後の現在も、アパレルブランド「GALFY(ガルフィー)」の「2021 Limited Collection」のモデルに抜擢され、全国に店舗を展開するパーソナルトレーニングジム「CHICKEN GYM(チキンジム)」のイメージキャラクターも務めるなど、精力的に活動を続けている。

 その一方、自身のInstagram上で頻繁に情報を発信し、物議を醸すことも少なくなく、相変わらず“お騒がせ”キャラは健在のようだ。

 4月には、3度目となる緊急事態宣言が発令された直後、インスタのストーリーに、知人らとバーベキューを楽しむ様子を投稿。かなり酔っている様子で笑顔でピースサインするショットや、服が乱れたまま眠っている写真などを投稿。翌26日には、「@inaseri_toyosuさんお取り寄せ海鮮たち 美味しすぎて みんなに飲まされて 酔幸」と綴り、マスクなしで酔っ払った様子の自身の写真も投稿し、批判を浴びたことも記憶に新しい。

 その木下が今度は“3億円賠償請求訴訟”に巻き込まれているというから、穏やかではない。27日付「J-CASTニュース」記事によれば、芸能界引退前に木下を広告のイメージモデルに起用していた化粧品会社「ロハス製薬」は、タピオカ店とのトラブルでブランドイメージが毀損されたとして、木下とプラチナム、広告会社のBirdmanを相手取り、約3億円の損賠賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたという。ロハス製薬側はJ-CASTニュースの取材に対し、「見解の相違があり、話し合いが決裂しましたので、提訴しました」としてるが、テレビ局関係者はいう。

「タレントがドラマや映画の制作期間中やCM契約の期間中に不祥事を起こして活動休止などに至った場合、テレビ局やクライアント企業と所属事務所の間で、実際に発生した損害などをもとに賠償金・違約金の金額について協議し、合意した金額を事務所が支払うのが一般的です。局やクライアント企業にしてみれば“迷惑を被った”ということになりますが、事務所とはそれまで重ねた長いお付き合いもあるし、それ以降も持ちつ持たれつの関係が続く。お互いに大切な“お取引先さま”ということで、通常は双方の事情を踏まえながら話し合いで決まるものです。

 今回のように泥沼化して裁判にまで発展するということは、プラチナムと化粧品会社の間でよほど大きな認識の違いがあるのか、あるいは、どちらかが相手側を怒らせるほど不誠実な対応を取ったのかもしれません」

 また、芸能事務所関係者はいう。

「クライアント企業や広告代理店との契約主体は芸能事務所なので、賠償金などは一時的には事務所が負担し、不祥事を起こしたタレント本人が数年かけて事務所に“返済”していくというケースが大半。不倫騒動を起こしたベッキーや、ひき逃げを起こした伊藤健太郎もそうです。

 最終的に賠償金の額がどうなるかは、わかりませんが、恐らくプラチナム・広告会社・木下の3者が支払うことになる金額のほぼ全額を、最終的には木下が負担するという流れになるのでないでしょうか。多額の金の負担をめぐっては、プラチナムと木下が争うことになる展開もあり得ると思います」

 今後の裁判の行方について、山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士に解説してもらう。

山岸純弁護士の解説

 今回、化粧品会社は「ブランドイメージの毀損」を理由として損害賠償請求をしていますが、交通事故によって怪我を負わされたことの損害賠償請求や、建築ミスによって欠陥住宅を建てられたことの損害賠償請求などと異なり、この「ブランドイメージの毀損」というものは、賠償額としては算定しにくいという特徴があります。

「木下さんがCMに出ていた頃は、その化粧品に関し〇〇万円の利益があったが、騒動の後、CMを変えたら利益が●●万円に減った」という場合がわかりやすい損害(「木下さんがCMをやってた化粧品だから買うのをやめた」という原因がわかりやすい)として考えられますが、その化粧品に関し、いわゆる「CM効果」がどの程度あったのかを立証するのは困難でしょう。

 特許権を侵害したような場合、「その特許侵害がなければ得られていた利益を損害とみなす」という強力な規定があるので、損害額をたてやすいのですが、化粧品の売上・利益はさまざまな要素によって成り立つものであることから、「木下さんのせいで利益が減った」ことを立証するのは、とても大変です。

 もっとも、化粧品会社としては、木下さんにふざけたことをされてトバッチリを受けたことは間違いないわけですから、巨額の損害賠償請求もしたくなるところでしょう。

 なお、損害賠償が認められる場合、当然、木下さんが第一次的に賠償責任を負います。

 また、契約上の話をするならば、確かに「起用したタレントが不祥事を起こした場合、違約金〇〇万円」という規定があるかもしれません。この場合、「違約金の額」が当然に損害賠償の額とみなされますので、前述のような「立証」が不要となります。しかし、「不祥事」にあたるかどうかについて意見が分かれれば、その点を裁判で争うことになるのでしょう。

(文=編集部、協力=山岸純/山岸純法律事務所・弁護士)

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。