『めざまし8』視聴率で露呈した『スッキリ』との差…フジテレビの誤算と谷原章介の問題点

 22年の歴史に幕を下ろした『とくダネ!』(フジテレビ系)から『めざまし8』に変わって2カ月。御年73歳の小倉智昭から、次の10年、20年を見据えて48歳の谷原章介に司会が交代したわけだが、視聴率的にはどのような変化が見られたのだろうか?

女性層の視聴率で『スッキリ』に完敗

「たとえば『とくダネ!』が終了する1カ月前、3月1日のオンエアを世代別、そして“役割”別に見てみます。平均世帯視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人視聴率は3.0%となっています。その中でF3(女性50歳以上)は5.1%、また“役割”の項目で見ると『主婦』は4.6%と、決して高くはないものの、それほど悲観的になることもない数字です。

 一方で、裏番組の『スッキリ』(日本テレビ系)と比べて『とくダネ!』が負け込んでいたのが、F1(女性20~34歳)、F2(女性35~49歳)でした。同じく3月1日の『スッキリ』のF1の視聴率が4.2%であるのに対し、『とくダネ!』のF1は1.4%と、2.8ポイントの差をつけられています。続いて、F2でも『スッキリ』が7.7%であるのに対し、『とくダネ!』は4.0%と、3.7ポイントも離されています。今回の谷原の起用は、『スッキリ』が独占していたF1、F2層の取り込みを狙った施策でした」(テレビ局関係者)

 では、谷原に変わった後の『めざまし8』はどうなったのだろうか?

「1カ月前の数字ですが、4月15日の視聴率は世帯5.3%、個人2.8%でした。そして、肝心のF1はというと1.3%、F2は4.0%、F3は4.7%。さらに『主婦』の項目では4.5%でした。つまり、『めざまし8』の視聴者層は『とくダネ!』のそれと、なんら変わらないことがわかったのです。率直に言えば、番組の顔を小倉から谷原に変えたところで、そう簡単に新たな視聴者は振り向かないということでしょう」(同)

 夜の時間帯は「何かおもしろい番組がやってないか」と頻繁にチャンネルを変えると言われているが、情報番組が並ぶ朝はよほど嫌いなコメンテーターなどがいない限り、なかなか視聴傾向が変わらないという証左だろう。

「さらに悲しいのが、『めざましテレビ』(第2部)では約8%あったF2の視聴率が、『めざまし8』が始まった後は半分以下になるという現実です。これは『とくダネ!』時代も起きていた流出ですが、この傾向は『めざまし8』でも変わっていないようです」(同)

『めざまし』ブランドの無駄遣い?

 さらに、『めざまし8』の誤算はタイトルと内容の差にもあるという。

「『めざまし8』というタイトルの意図について、プレスリリースでは『めざましテレビ』でストレートに扱ったニュースを深く解説する“大人のめざまし”を標榜する、と発表されていました。

 つまり、同時間帯の民放1位に君臨する『めざまし』ブランドを最大限に活用するという触れ込みだったので、かなり脅威を感じていたのですが、実際は『めざまし』の総合司会を務めていた永島優美アナを起用しただけで、テーマソングやテロップのロゴ、エンターテインメントコーナーの新設など、ほかの部分は『とくダネ!』のプチリニューアルを図っただけでした」(同)

 また、『めざまし8』の問題点はほかにもあるようだ。

「『めざまし8』は『とくダネ!』とほぼ同じスタッフがつくっているので、そもそもの構造的な欠陥はありますが、出演者のバランスも悪い。まず“総合解説”という役割です。月・木は弁護士の橋下徹氏、火曜日は国際政治学者の三浦瑠麗氏、といったメンバーが担当しています。これは『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でいうところの玉川徹氏、または『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)での読売テレビ報道局解説委員長・高岡達之氏をイメージしているのでしょうが、別に“コメンテーター”という肩書きでもいいわけです。

 しかも、『めざまし8』には、この“総合解説”のほかに日替わりのスペシャルキャスターもいます。ちなみに、水曜日は3時のヒロイン(ただし、大半の時間は福田麻貴のみ)という謎のキャスティングですが……。また、“コメンテーター”の役割を担う人もいれば、フリップボードを読み上げて進行していく“情報キャスター”(フジテレビアナウンサーが担当)もいます。さらに、時には感染症の専門家や政治ジャーナリストもいるのです。つまり、スタジオには司会の谷原と永島アナを含めて、最大7人も8人もいることになる。いわば、船頭が多すぎるのです」(同)

 キャスターに抜擢された谷原は好感度が高く、スマートでダンディーな見た目も視聴者受けが良さそうだが……。

「“紀州のドン・ファン”と称された和歌山県の資産家・野崎幸助さんの殺害容疑で元妻が逮捕されたニュースの際は、あごに手をやりながらボードの前を歩くなど、まるで刑事か探偵のように振る舞っていました。また、最近では体調不良で活動休止中の江頭2:50にエールを贈る意味で、彼のモノマネをすることが多いのですが、悪く言えば若干、嘘くさい(笑)。数々の発言も、声が良すぎるせいなのか、どうも胸に響いてこないのです。まぁ『モーニングショー』でも『スッキリ』でも、ましてや『ラヴィット!』(TBS系)でもない視聴者が消去法で見ているということでしょう。いずれにしても、積極視聴されている番組ではないと思われます」(同)

石田純一もキャスター挑戦の過去

 さて、俳優からワイドショーや情報番組の司会者に定着したタレントといえば関口宏や坂上忍がいるが、一方で“失敗例”もあるという。

「名脇役として知られる前田吟は2002年4月、現在の『モーニングショー』の枠で放送されていた『スーパーモーニング』の司会に大抜擢されました。誠実で温厚な人柄が評価されて、キャスターに初挑戦。局側も『見る方に安心感を与えるキャラ』として期待を寄せていたのですが、平均世帯視聴率は同時間帯のワイドショーで最下位の4%台と低迷、わずか半年で交代させられています。

 また、石田純一も1997年3月末から『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)で初めて報道キャスターに挑戦しましたが、女優・長谷川理恵との不倫騒動や元妻・松原千明との別居などのスキャンダルが響き、視聴率は5%と低迷。彼も、わずか1年で降板しています。ちなみに、この『スーパーJチャンネル』のキャスターは月~木が石田で、金曜日は田代まさしでした。このキャスティングは、今となってはテレビ史に残る特記事項でしょう」(同)

 いずれにしても、『めざまし8』が『スッキリ』に完全勝利するのはいつになるのだろうか?

(文=編集部)