武豊「勝てるとは思っていなかった」オグリキャップ感動の有馬記念ラストラン! 17万人超ファンがオグリコール、「不祥事続き」笠松が生んだヒーローの血が中央に返り咲き間近?

 平成競馬を彩る代表的なシーンとして、競馬ファンから多くの支持を得ると考えられるのが、平成2年(1990年)の有馬記念(G1)だろう。

 競馬ブーム真っ只中だったこの年、暮れのグランプリを迎えた中山競馬場には17万7779人ものファンが押し寄せた。鳴り物入りで「地方の怪物」から「中央の怪物」へと駆け上がった芦毛のヒーロー・オグリキャップ。そのラストランでコンビを組んだのが若き天才・武豊だった。

 引退レースを一目見たいと考えたのが、ファンの大半の目的だったといっても過言ではない。

 4番人気に支持された一方で、このときのオグリキャップは秋の天皇賞(G1)を1番人気で6着、続くジャパンC(G1)も4番人気で11着と大敗。闘志溢れる全盛期の走りに翳りを見せ始めていたことから「オグリはもう終わった」という声も出ていた。

 コンビを任された武豊騎手さえ、後に「勝てるとは正直思っていなかった」と、当時の心境を述懐したレースだったが、天才に導かれた芦毛のスーパーホースは大方の予想を覆して見事な勝利を飾る。大観衆から沸き起こった「オグリコール」が、冬の中山に響き渡った。

 最近は『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)や、同作品のスピンオフ・『ウマ娘 シンデレラグレイ』の主人公としても、再びスポットライトを浴びることになったオグリキャップ。

 だが、オグリキャップがデビューした故郷・笠松競馬では、関係者による不祥事が多発し、中には永久追放となる「競馬関与禁止」処分とされる者も出た。この関係で現在笠松競馬は休止の憂き目に遭っている。

 ただでさえ、そのような状況下にありながら、笠松競馬に所属する騎手の1人が、元・地方騎手の実施したSNS上での懸賞に応募して金銭授受が判明し、管理者指示事項違反とされる「公正を害する恐れがある行為」として問題視されたばかりだ。

 その一方で、オグリキャップに関する話題は、悪い報せばかりでもない。

 現役の競走馬ではただ1頭であるオグリキャップの孫・ミンナノヒーロー(牡4歳、岩手・佐藤祐司厩舎)が4月25日、岩手・水沢競馬場で待望のデビュー。結果、敗れはしたが2着に好走し、オグリファンを喜ばせた。同馬は母にオグリキャップ最後の産駒ミンナノアイドル、父はゴールドアリュールという血統。全兄にはJRAで3勝を挙げたストリートキャップがいる。

 ミンナノヒーローは中央デビューを予定していたものの、骨折により登録を抹消。一時は引退の危機にも晒されたが、関係者の熱い想いを託されて岩手競馬・佐藤祐司厩舎からデビュー。5月9日の2戦目で待望の初勝利を飾った。

『岐阜新聞Web』が報じた記事によると、「まだデビューしたばかりで、これから覚えていくこともたくさんある。基本的な能力面では今後すごく楽しみが持てる馬だと思います」とコンビを組んだ村上忍騎手の評価は上々。

 3勝を挙げればJRAに戻れるということについて、「元々、中央時代からの期待馬。岩手で走っている間、僕ができることはいろんなレースを教えていくこと。そうすれば中央に帰った後もレースがしやすいから、その辺を心掛けてやっていきたいです」と前向きなコメントを残してくれている。

 はたして、ミンナノヒーローは全国のオグリキャップファンの期待に応え、中央で再び偉大な祖父の血を復活させることが出来るだろうか。

 次走も大いに注目してみたい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。