16日、東京競馬場では古馬牝馬によるヴィクトリアマイル(G1)が開催される。今年は現役最強マイラーのグランアレグリアが断然人気となりそうだ。
★上位人気馬の単勝予想オッズ★
・グランアレグリア 1.3倍
・レシステンシア 4.7倍
・デゼル 16.7倍
・マジックキャッスル 17.0倍
・テルツェット 21.5倍
昨年の安田記念(G1)で当時敵なし状態だったアーモンドアイを撃破したグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。秋にはスプリンターズS(G1)とマイルCS(G1)も勝って短距離G1・3連勝を飾った。
5歳となった今年は大阪杯(G1)で初めてとなる2000m戦で、コントレイルに次ぐ2番人気に支持されたが、重馬場に苦しみ4着に敗れた。今回は距離をベストのマイルに戻し、牝馬限定戦なら負けるわけにはいかないだろう。
前走後はノーザンファーム天栄でリフレッシュを図り、先月28日に美浦に帰厩。5日に行われた1週前追い切りは、美浦南Wで6ハロン81秒8-ラスト12秒8をマーク。軽快な動きを見せ、僚馬と併入した。
不安を挙げるとすれば、前走からの間隔が中5週という点。これまで休み休み使われ、結果を残してきた同馬にとってはやや詰まったローテーションといえるだろう。
これまで最も短い間隔での出走は3歳春のNHKマイルC(G1)。桜花賞(G1)から中3週での競馬だったが直線伸びきれず、5着(4着入線、降着)に終わった。
ただし昨秋のマイルCSは中6週で完勝しており、本格化した今なら中5週のローテーションも難なく突破する可能性が高い。ここを勝てばマイルG1・4勝目となり、ウオッカが持つグレード制導入後の最多勝記録に並ぶ。
そんなグランアレグリア打倒の1番手がレシステンシア(牝4歳、栗東・松下武士厩舎)だろう。
デビューから3連勝で2歳女王に輝いた快速牝馬のレシステンシア。3歳以降は6戦1勝となかなか勝ち切れていない。しかし、馬券圏外に沈んだのは骨折休養明けで8着に敗れたマイルCS(G1)のみ。大崩れしない点は評価すべきだろう。
前走の高松宮記念(G1)は初めてスプリント戦に挑み、外枠発走から中団に控える競馬を見せた。ダノンスマッシュからクビ差の2着に敗れたが、脚質に幅を広げた収穫の多い一戦だったといえる。
今回は直線の長い東京コースで、他にも逃げたい馬が何頭かいる。無理には逃げず、3~4番手から折り合い重視で進める可能性が高いのではないだろうか。
前走後は放牧に出され、先月23日に栗東に帰厩。2週前には栗東坂路で52秒台、1週前追い切りでは、3度目のコンビを組む武豊騎手を背に54秒4をマークした。「チャンスはあると思う」と話した武豊騎手は09年のウオッカ以来、2度目のヴィクトリアマイル戴冠の大きなチャンスを迎える。
ノーザンファームの生産馬2頭を追いかけるのは、社台ファーム生産馬のデゼルとマジックキャッスルだ。
デゼル(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、昨年のオークス(G1)でデアリングタクトに次ぐ2番人気に支持された逸材。2走前の初音S(3勝クラス)を勝ってオープン入りを果たすと、昇級初戦の阪神牝馬S(G2)では1番人気に支持され、見事一発回答で差し切り勝ちを収めた。
初コンビを組んだ川田将雅騎手の継続騎乗も心強い。ハナ争いが激化し、前崩れの展開になればライバルをまとめて差し切るシーンがあっても驚けない。
マジックキャッスル(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)も同じ社台ファーム生産馬で、昨秋の秋華賞(G1)2着の実績馬。年明け初戦の愛知杯(G3)を制し、前走の阪神牝馬Sはデゼルにクビ差の2着だった。
その前走は、あくまでもヴィクトリアマイルに向けた叩き台で、輸送による大幅馬体重減も加味すれば、負けて強しの競馬だった。前走後は在厩で調整され、1週前追い切りで好時計を出すなど状態は明らかにアップ。長い東京の直線で自慢の末脚は炸裂するか。
6戦5勝とまだ底を見せていないテルツェット(牝4歳、美浦・和田正一郎厩舎)も4連勝中の上がり馬で注目が集まる。
叔母にオークス(G1)とQE2世C(G1)を制したラヴズオンリーユーがいる良血で、重賞初挑戦の前走ダービー卿CT(G3)では牡馬相手に4角8番手から差し切り勝ちを収めた。53kgとハンデに恵まれた面はあったが、牝馬限定G1なら十分チャンスはあるだろう。
出遅れ癖があって発馬には注文が付くが、前走初タッグで勝利に導いたM.デムーロ騎手は「能力がすごくある」とべた褒め。G1初挑戦でも侮れない。
出走メンバー最年長のサウンドキアラ(牝6歳、栗東・安達昭夫厩舎)は唯一の6歳馬。アーモンドアイには4馬身差ちぎられたが、昨年2着の実績は見逃せない。
中内田充正厩舎の2頭も虎視耽々。リアアメリア(牝4歳)は、昨秋のローズS(G2)制覇後は4戦連続で掲示板を外しているが、待望の左回りで激走のチャンスはある。ダノンファンタジー(牝5歳)は2走前の阪急杯(G3)は出遅れ、前走の高松宮記念は道悪と敗因は明確。良馬場なら巻き返す力は十分ある。
2年前の桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤ(牝5歳、栗東・渡辺薫彦)はグランレグリアと2年ぶりの対戦。叩き2戦目の変わり身に期待がかかる。
展開のカギを握るのは逃げ馬の2頭。スマイルカナ(牝4歳、美浦・高橋祥泰厩舎)は昨年の桜花賞3着の実力馬。近走は控える競馬でも結果を出している。東京コースでの実績はないが、道悪なら面白い。
ディアンドル(牝5歳、栗東・奥村豊厩舎)は、距離を延ばして一時期の不振からようやく抜け出した。前走の福島牝馬S(G3)では直線の長い新潟で粘り腰を発揮。大逃げを打つならこの馬か。
5歳のグランアレグリアがその実力を見せつけるのか、それともレシステンシア、デゼルなどの4歳勢が世代交代を果たすのか。
注目のヴィクトリアマイルは16日の15時40分に発走を予定している。