2日に阪神競馬場で行われた天皇賞・春(G1)は、3番人気のワールドプレミア(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)が復活の勝利。2019年の菊花賞馬が、長距離王決定戦で約1年半ぶりの美酒に酔った。
昔から長距離戦は騎手の腕が問われるというだけに、菊花賞馬の復活劇の立役者は何といっても鞍上の福永祐一騎手だろう。昨年、コントレイルと無敗の三冠制覇を成し遂げた名手が、主戦の武豊騎手が負傷したために巡ってきたチャンスをしっかりと掴み取った格好だ。
また、福永騎手にとっては、これが嬉しい天皇賞・春初制覇。これで大騎手の証となる八大競走制覇へ、残すは有馬記念のみとなった。
一方、この日の天皇賞・春(G1)はNHKも中継を行ったことで、テレビでは「フジテレビ(みんなのKEIBA・競馬BEAT)VS NHK」という構図が描かれた。
様々な芸能人をゲストに招き、どちらかと言えばバラエティー色の強いフジテレビの中継に対して、1999年に天皇賞・春を勝ったスペシャルウィークの白井寿昭元調教師がゲスト出演するなど「まさに硬派」という感じのNHKの中継。
競馬ファンによって度々議論の的になるなど好みが分かれるところだが、この日はややフジテレビに軍配が上がったのかもしれない。
「どうやら音声のトラブルがあったみたいですね……」
レース後の勝利騎手インタビューの一幕だ。主役はもちろん福永騎手だったが、何故かなかなか喋りださない(ように見えた)。インタビューが始まるのを待っているのかと思ったのも束の間、いきなりボソボソと声が流れ始めた。
「福永騎手としては普通に喋っていたはずですが、機材トラブルで音声が拾われず、さらにマスクをしているため視聴者には口の動きもわからず……約10秒ほどでしょうか、まるで棒立ちのまま立っているだけといった“絵”になってしまいました。
この日の阪神競馬場は風が強かったですし、ライブ放送なので仕方ない面もあると思いますが、肝心の勝利騎手インタビューでの音声トラブルは放送サイドにとっても痛恨でしょう」(記者)
勝利騎手インタビューは代表取材のため各局が同じものを流すのが定番だけに、フジテレビ系の中継でも同様のシーンが見られたが、こちらは尺の都合もあったのかインタビューは途中から。幸いにも音声トラブルの影響は、ほんの数秒だけだった。
一方のNHKの中継では、インタビューの尺をしっかりと確保していたことが裏目に出てしまい、しばし福永騎手が“無言”で棒立ちしているようなシーンが……。
結局、音声はなかなか復帰せず、インタビューの序盤はほとんど何を言っているのかわからないといった悲しい仕上がりになってしまった。訂正こそあったが、横山典弘騎手の三男・横山武史騎手を「次男」と紹介してしまったことも痛恨だ。
また、勝利騎手インタビューをアップしているJRAの公式ホームページでは、トラブルがあった序盤は全カット。この辺りは、さすがの手腕である。福永騎手にとっては、記念すべき天皇賞・春初制覇だったが、トホホなインタビューになってしまった。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。まれに自分の記事で泣く。