やはり「幻の秋華賞馬」は“本物”だった。
4日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、4番人気のレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が4馬身差で圧勝。デビューからの連勝を6に伸ばし、無敗のG1馬に輝いた。
「この後、この馬が背負っていくものは極端に大きくなりました」
主戦の川田将雅騎手が「馬場的にも、周りの馬的にも、今日はスムーズにハナまで行ってしまおう」と腹を括った作戦が見事にハマっての勝利だが、G1・4勝馬のコントレイルとグランアレグリアを相手に4馬身以上の差をつけたレースぶりは、まさに圧巻。
今回の勝利で、この新女王も9冠馬アーモンドアイの後継者となる「現役最強」を争う1頭に名を連ねたことは間違いないだろう。
一方、コントレイル、グランアレグリア、そして新女王レイパパレ――。この3頭に割って入る存在といえば、やはり牝馬三冠馬デアリングタクトに他ならないだろう。
思えば、レイパパレが全国の競馬ファンに名を馳せたのは昨年10月18日。デアリングタクトが秋華賞(G1)を制し、史上初の無敗による牝馬三冠を達成した約40分前のことだった。
秋華賞に登録したものの4/6の抽選に漏れ、大原S(3勝クラス)に出走したレイパパレは押し出されるようにハナに立つと、ほぼ馬なりのまま後続をちぎって圧勝した。
川田騎手が3勝クラスの古馬を相手に、ムチを一切使わなかった内容も然ることながら、走破時計の1:46.3はデアリングタクトが勝った秋華賞の1800m通過1:48.5より2.2秒も速い。同日同競馬場での比較の上、自ら逃げて刻んだタイムだけに、レイパパレの強さがより際立った。
その結果、この日はデアリングタクトと共にレイパパレもTwitterのトレンド入り。ネット上の競馬ファンから「幻の秋華賞馬」との賛辞が飛んだ。
無論、懐疑的な声もある。デアリングタクトたち秋華賞組が55kgを背負っていたことに対して、レイパパレは52kg。この3kg差は大きく、そもそも同じ京都でも外回りの1800mと内回りの2000mのタイムを比較すること自体ナンセンスだ。
また、レイパパレを管理する高野調教師が「出走馬に対して失礼なので」と、やんわりと否定したことからも時が経つにつれ、本馬を「幻の秋華賞馬」と呼ぶ声は小さくなった。
しかし、今回の勝利は“幻の秋華賞馬説”を再燃させるにインパクト十分の内容だった。
「(大阪杯の)阪神と(秋華賞の)京都の違いはありますが、同じ2000mでしたからね。秋華賞当日も稍重のコンディションでしたし、大阪杯の後はネット上でも『もし、レイパパレが秋華賞に出ていたら……』という声が多く見られました。
もちろんデアリングタクトに勝てたかは定かではありませんが、先月の金鯱賞(G2)でデアリングタクトが2着に負けてしまったことも“レイパパレ派”の逆転の色を強くしているのかもしれません」(競馬記者)
これでデビュー6連勝と、今度はG1馬として無敗街道を突き進むレイパパレ。一方のデアリングタクトは香港のクイーンエリザベス2世C(G1)で、世界にその名を轟かせられるか。再び「世代最強」の座を分かつことになった2頭の名牝が相見える日は、そう遠くないはずだ。