4月4日、阪神競馬場では第65回大阪杯(G1)が行われる。G2時代も含めた過去10年で、3連単10万馬券は一度もなく、3連複万馬券も2度だけ。今年も上位と下位の実力差がはっきりしており、堅い決着が予想される。
2000mという距離なら、中心はコントレイル(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)で間違いないだろう。ご存じの通り、昨年は皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)、菊花賞(G1)を制し、史上3頭目の無敗3冠馬に輝いた。しかし、続くジャパンC(G1)では“最強牝馬”アーモンドアイに屈し、キャリア8戦目で初黒星を喫した。
アーモンドアイが引退した今、現役最強馬の称号を持つのはコントレイル――。それを証明するためにも、陣営は春の始動戦として大阪杯を選択した。陣営も常々言っている通り、コントレイルにとって2000mは最適距離。速い時計が出る今の阪神芝も追い風となりそうだ。
ポン駆けが利くのは皐月賞などで実証済みだが、4か月ぶりの実戦で気になるのはやはり状態面だろう。
「鳥取県の大山ヒルズから栗東に帰厩したのが今月6日でした。10日には坂路で初時計を出し、2週前追い切りとなった17日には、この日の一番時計となる50秒1をマーク。その後も順調に追い切りを重ねています」(競馬記者)
24日の1週前追い切りは栗東CWで3頭併せ。直線では大外を通り、僚馬2頭をあっさり交わすと、CWコースでは自己ベストを大きく更新する6ハロン78秒7を叩き出した。秋3戦の疲れは完全に抜け切った印象で、さらに成長した姿を見せてくれる可能性は高い。
パートナーの福永祐一騎手も「ここまではいいステップを踏めています」とコメントしており、主役の座は譲れない。
打倒コントレイルに燃える他陣営。中でも、昨年の皐月賞では直線接戦を演じたサリオス(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)との9か月ぶりとなる再戦は最大の見どころとなる。
2度目の対戦となったダービーでは2着に入るも、コントレイルには3馬身突き放されたサリオス。秋は毎日王冠(G2)からマイルCS(G1)とマイル路線を歩んだが、改めて中距離でコントレイルに挑む。
「2歳時には朝日杯FSをレコードで勝ったように、本質はやはりスピードタイプのマイラーだと思います。元JRA騎手の安藤勝己氏などは2000m以上もこなせると太鼓判を押していますが、2000mはぎりぎり守備範囲ではないでしょうか」(競馬誌ライター)
状態面はどうか。500kgを優に超える大型馬だけに久々の実戦が懸念されるが、1週前追い切りでは美浦南Wで直線軽く気合をつけられると僚馬を一蹴。仕上がりの良さをアピールした。
鞍上には、堀調教師も高く評価する松山弘平騎手が指名され「三度目の正直」で逆転のシナリオを描く。
サリオス以上に距離不安を抱えるのはグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だろう。2~3歳時はマイル路線を歩み、4歳となった昨年は1200~1600mの短距離路線で無類の強さを発揮した。
昨年は高松宮記念(G1)こそ、差し届かずの2着に敗れたが、安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、そしてマイルCS(G1)を3連勝。今回は一気に距離を2ハロン延ばして、スプリント、マイルに続く、中距離での“3階級制覇”を目論む。
「藤沢調教師は昨年のスプリンターズS後に『使うところを間違えた』と冗談交じりに話したそうですが、本当は天皇賞・秋(G1)を使いたかったのだと思います。大人の事情でスプリント戦を使われましたが、陣営が2000mまでは守備範囲内とみているのは間違いありません。そのスピードが生きる展開になれば、コントレイルとサリオスをまとめて差し切る可能性は十分あると思います」(前出の競馬誌ライター)
前走後はノーザンファーム天栄に放牧に出され、今月上旬に帰厩。1週前追い切りでは、スタート後に僚馬2頭に追い抜かせる異例の形をとった。肝心の動き自体は、良かったころに比べると物足りなさも。最終追い切りでどこまで良化するかに注目したい。
G1馬3頭に続く4番人気が濃厚とみられるのがレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
実績的には、“3強”に劣るが、5戦5勝で未知の魅力にあふれている。デビューから手綱を取る川田将雅騎手の評価も高く、重賞初挑戦となった前走のチャレンジC(G3)では、早め先頭からブラヴァス以下を子供扱いした。
メンバーは一気に強化され、斤量も初めて背負う55kgと克服すべき課題は少なくない。しかし、その先行力は大きな魅力。もし“3強”が中団でけん制している展開になれば、粘り込みがあってもおかしくない。
今年の大阪杯は3強プラス、レイパパレという構図だが、伏兵陣も虎視眈々と一発を狙っている。
6戦4勝のアドマイヤビルゴ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、騎乗を予定していた武豊騎手が負傷したため、若手の岩田望来騎手に託された。2戦2勝の同コースで大駆けを狙う。
他には、金鯱賞を最低人気でまんまと逃げ切ったギベオン(牡6歳、栗東・藤原英昭厩舎)、18年に2着の実績があるペルシアンナイト(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)、2走前にレイパパレの2着があるブラヴァス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)など15頭が登録している。
今後の中距離路線を占ううえでも注目度が高い今年の大阪杯。発走は4月4日15時40分を予定している。