先週行われた金鯱賞(G2)のギベオンには驚かされた。10頭立て最低人気、単勝220倍超の2万馬券での大勝利。JRA重賞史上6番目の高額単勝万馬券だという。
かつてNHKマイルC(G1)で2着に好走した実績があり、中京コースで重賞勝利もあったが、ここ一連の不振からデアリングタクト相手にまさか逃げ切るとは誰も想像していなかっただろう。
しかしよくよく振り返ると、今年の中京開催は波乱のレースが続出している。
そもそも京都競馬場が改修工事のため使えないことで、中京競馬場の使用頻度が上がっているのがその原因の一つ。1月以降に行われた中京競馬場の芝の重賞7レースを見てみると、なんと1番人気は未勝利、2着と3着がそれぞれ1回と負けまくっているのだ。
3連単の配当も122万馬券、11万馬券、96万馬券、78万馬券など7レースのうち4レースで高額万馬券、馬連ですらも万馬券が3レースあり、馬連平均配当は1万4137円というから恐ろしい。
この傾向から考えると、京都競馬場が完成するまでの中京競馬場は芝コースの負担が大きく、今後も波乱が続出する可能性が高いと言っても過言ではないだろう。
もちろん今週以降も中京競馬場で芝の重賞レースは行われる。今週はNHKマイルCの前哨戦となる3歳限定のファルコンS(G3)に注目したい。ここまでの流れを考えれば波乱は必至、先週のギベオンのような穴馬がいるのか興味深いところだ。
このレースで1番人気が予想されるのは、昨年の朝日杯FS(G1)を勝利したグレナディアガーズだ。鞍上は引き続き川田将雅騎手が騎乗することもあって、ここも人気になるのは確実。だが川田騎手の3歳重賞と言えば、ダノンザキッドで負けた弥生賞(G2)が思い出される。グレナディアガーズも目標が次のNHKマイルCであることを考えると、ダノンザキッド同様にここも足元をすくわれる可能性も小さくない。
加えて今年の川田騎手は、中京芝コースの重賞が5戦全敗ですべて4着以下、全競馬場に広げても、芝の重賞は牝馬でしか勝利していないという嫌なデータがある。
そして前走の朝日杯FSが7番人気での勝利だったことも見逃せない。1999年以降に4番人気以下で朝日杯FSを勝利した8頭で、復帰戦を勝利した馬は2頭しかいない。負けた6頭のうち1番人気で敗退したのは4頭であり、1番人気が見込まれるグレナディアガーズは「危険な人気馬」と言わざるを得ないのだ。
では逆に、ここで激走が期待できる穴馬とは何か。ここまで行われた中京の芝重賞レースで激走した穴馬や、3歳戦の結果を見てみると、以下の傾向が判明する。
■古馬重賞レース穴馬の傾向
今年中京で行われた古馬芝重賞レースにて、4番人気以下で3着以内に好走した10頭を見てみる。
まず対象馬は関西馬9頭、関東馬1頭、関西所属騎手が10頭に騎乗し、関東所属騎手はゼロと圧倒的に西高東低。さらに乗り替わりが9頭、継続騎乗は1頭と、前走からジョッキーが替わったことが好結果に繋がる傾向がある。
前走はG1レース以外なら7番人気以内で10着以内の成績が必要。また過去3走以内に上がり1~3位の脚を使ったことがあるのも必須の条件だ。
全体的には休み明けの好走は厳しく、前走から3か月以内の出走が望ましい。
■3歳重賞レース穴馬の傾向
次に今年の3歳限定重賞レースにて、4番人気以下で3着以内に好走した12頭も見てみよう。
こちらは関西馬8頭、関東馬4頭、そして鞍上は関西所属騎手7頭、関東所属騎手5頭となっている。一見東西互角のように見えるが、中京と阪神で行われた3歳重賞に限定すれば、関西馬と関西所属騎手が圧倒。関東は厩舎も騎手もランドオブリバティの3着のみ。やはり関西馬と関西所属騎手の組み合わせが狙い。
またデビュー戦は3着以内で、過去3走以内に上がり1~3位の脚を使ったことがある馬が狙い。いずれも該当しない馬は対象外となる。
そして激走馬12頭にノーザンファームの生産馬が9頭もいるのがポイント。もともと3歳の重賞レースはノーザンファームの生産馬が多いが、当然ここでも要注意だ。
さらに前走は芝のレースであり、G1以外なら5番人気以内の支持、4着以内の成績が必要だ。
以上、今年の中京芝重賞レースと3歳重賞レースの激走データから浮上したのは以下の2頭。
◎アスコルターレ
鮫島克駿騎手
西村真幸厩舎
上記の条件にすべて合致。オープン特別2勝は評価でき、3戦2勝の芝1400mも魅力。そして3歳戦に強いノーザンファームの生産馬で、父ドゥラメンテはタイトルホルダーが弥生賞(G2)を勝利したが、産駒でもっとも勝率が高いのは今回の芝1400mと狙い目だ。
◎ヴィジュネル
藤岡康太騎手
渡辺薫彦厩舎
こちらもすべての条件に合致。前走が中京のマイル戦を上がり最速で勝利して2勝目をクリアと勢いに乗り、コース相性もいい。鞍上の藤岡康太騎手は重賞初勝利がこのファルコンSというのも興味深い。
波乱続きの中京芝重賞レースだが、このファルコンSも危険な人気馬と激走馬の存在で、高配当が狙えるレースとなった。そこで注目してほしい穴馬は上記の2頭。ぜひ参考にしていただければと思う。