28日、中山競馬場で中山記念(G2)が開催される。例年は春のG1戦線を占う豪華メンバーが集っているが、今年は近年最低レベル。抜けた馬がいないため波乱の余地も十分にありそうだ。
とはいえ、過去10年の3連単平均配当が5万6652円である通り、大波乱までは望めない。配当は狙っていくが、ある程度現実的な視野も必要になってくるだろう。「強力現場情報」をもとに京都記念をハナビ杉崎が攻略する。
小回りな中山の開幕週であり、週末の天候的にも良馬場が予想される。馬場コンディションが良好なことで内枠、そして前が有利であり、高速決着もイメージしておきたいところだ。
それらを踏まえ「◎」はトーセンスーリヤ(牡6歳、美浦・小野次郎厩舎)だ。
昨夏の札幌記念(G2)以来のレースだが、実は昨年11月の福島記念(G3)を使う予定だったそうだ。しかし、爪に不安が出てしまい、大事を取って回避。中山金杯(G3)もスルーして、ここに照準を合わせてきた。
それだけに乗り込みの量は十分。美浦坂路の最終追い切りで52.5秒、ラスト11.9秒をマークし調教師も「心臓もいいし、状態は申し分ない」と太鼓判を押している。
「先週あたりから動きが良くなってきましたし、心肺機能も高まっています。久々のレース勘がどうかですが、ここ2戦は強敵相手に接戦したように力をつけていますからね。得意の舞台ですし、楽しみはありますよ」(関係者)
ここ2走は掲示板(5着以内)にさえ載れていないが、宝塚記念(G1)7着、札幌記念(G2)6着なら悲観する必要はまったくない。前に行ける脚があるだけに1枠1番は絶好。2連敗と休み明けで人気が落ちる、今回が買い時だ。最近の横山和生騎手は一皮むけた感がある。迷わず本命にする。
次に「〇」はウインイクシード(牡7歳、美浦・鈴木伸尋厩舎)だ。
勝ち切れない分「〇」としたが、中山金杯(G3)で2着、3着と好走している通り、この辺りの条件がベスト。特に前から粘った前走の中山金杯3着は、このメンバーなら十分に評価に値する。
陣営も「1週前は少し重い感じだったが、直前の3頭併せで合格点に仕上がったと思う。今年のメンバーならそう差はありませんよ」と強気。「インのポケットに収まって、直線は気を抜かないように競る形が理想」と話していたが、バビットという計算できる逃げ馬がいるのは、この馬にとってプラスだ。
8枠からの発走となってしまったが、前に行く脚質に加え、前走も8枠で馬券になっているので問題ない。横山武史騎手が兄弟ワンツーを決め、父・横山典弘騎手を歓喜させる絵が今から浮かぶ。
「▲」はバビット(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
ここ2戦は二桁着順の大敗が続いたが菊花賞(G1)、有馬記念(G1)はメンバーも強い上に距離も長かった。陣営も「母系からスピードを受け継いでいて、本質はマイル~2000がベスト」と強気。1800mという距離に対しても「ラジオNIKKEI賞(G3)のパフォーマンスが1番良かった」と5馬身差の圧逃劇を持ち出すなど自信満々だ。
開幕週の馬場を考慮しても、本来なら本命視してもおかしくない。だが、バビットと同じ明け4歳牡馬の不振ぶりが気にかかる。ここまでの重賞勝ちは菊花賞(G1)でコントレイルに迫ったアリストテレスのAJCC(G2)だけ。人気になって飛ぶケースも多く。世代レベルそのものが低い可能性は否めない。
重賞2勝はこのメンバーなら胸を張れるバビットだが、いずれも同世代が相手。条件が大きくプラスに働くため「▲」としたが、昔から三冠馬の出た同世代のライバルたちは、古馬になって大きく苦戦している。過信は禁物だ。
「△」にはクラージュゲリエ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)を指名する。
アンドロメダS(L)2着、日経新春杯(G2)3着と上り調子に見えるが、元々相手なりに走れる馬。3走前のカシオペアS(L)は10着だが、勝ち馬からは0.5秒しか離れていない。今回も上位争いには加わりそうだが、4着から6着あたりも充分にあると見て「△」に留めた。
ただし、プラス材料もある。C.ルメール騎手が騎乗する点はもちろんだが、特筆すべきは除外の可能性があったにもかかわらずルメール騎手を確保していた点だ。逆に言えば、陣営に自信がなければ、出れるかどうかもわからない馬で4年連続リーディング騎手を縛ったりはしない。追い切りの動きも、この馬なりに動いていたようだ。
「☆」は当然ゴーフォザサミット(牡6歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だろう。
最後に勝ったのが2018年春の青葉賞(G2)で、それ以降は馬券にさえ絡んでいない。「休み明けを叩いて体調面はアップしていますし、今のデキでどこまでやれるかですね」(関係者)とさすがに控えめで、常識的には買う要素に乏しい。
だが、何といっても蛯名正義騎手の最後の騎乗。かつて松永幹夫騎手(現調教師)が引退当日の阪急杯(G3)を11番人気のブルーショットガンで勝った伝説はあまりに有名であり、蛯名クラスの名手なら、奇跡が再来しても不思議ではない。当日には中山競馬場で引退式も行われる予定で、花を添えられるか。理屈ではなく、買う。
なお、3連勝中のヒシイグアスは「消し」とする。
前走の中山金杯はレース後に松山弘平騎手が「全然上手く乗れませんでしたが、馬の強い精神力に助けられた」と話していた通り、不利を跳ね返しての勝利だった。
だが、不利があったのは道中で、特に戒告などもない軽いものだった。勝負どころでは松山騎手らしくスムーズで、実力は十分に発揮できていたように見える。それで54キロで2着馬とクビ差なら、別定戦に戻る今回は不安の方が大きい。今回は消しとする。
買い目は以下の通り。
3連単 2頭軸マルチ 18点
軸[1][13] 相手[7,10,11]
馬連 流し 4点
[1]- [7,10,11,13]
今年は例年より低レベルの混戦模様だが、チャンスのある馬とそうでない馬がはっきり分かれているため上位は拮抗している。開幕週の絶好の馬場を利用した先行粘り込みが理想。ここはしっかり当てて春競馬の軍資金にさせてもらう。
(文=ハナビ杉崎)