21日、東京競馬場で行われたフェブラリーS(G1)は、C.ルメール騎手のカフェファラオ(牡4、美浦・堀宣行厩舎)が勝利した。2着に9番人気エアスピネル、3着には8番人気ワンダーリーデルが入り、3連複は2万4940円、3連単は10万1710円の波乱の決着となった。
外から追い上げるエアスピネルの追撃を交わしてゴールした瞬間。ルメール騎手は力強くガッツポーズ、初G1勝利を挙げたパートナーの頭をポンと叩いて労った。
カフェファラオにとって、東京・ダート1600mは昨年のヒヤシンスS(L)を快勝。ユニコーンS (G3)では、2着に5馬身差をつけるレースレコード勝利を飾った得意の舞台。古馬となった今年、フェブラリーSを制してこれで3戦無敗のパーフェクトだ。
「今日は本当のカフェファラオでしたね」ルメール騎手も納得の強さだった。「状態がすごくよかった。スタート前に勝つ自信を持つことができました」と振り返ったように、大一番を前に絶好の出来だったカフェファラオ。
「ポテンシャルがとても高い馬で、トップの出来ならG1馬になれると思っていたので、勝つことができてうれしいです」と、3歳世代NO.1の呼び声が高かった期待馬に足りなかったG1馬の称号が加わった。
そして、この勝利の裏にはリーディングを独走する名手の好騎乗も大きな後押しとなっている。「チークピーシーズを着けて、アグレッシブな競馬をしたかった」というコメント通り、自ら動いて手に入れた栄冠だったといえる。
フルゲート16頭立てのレース。ルメール騎手はスタートしてカフェファラオを出して行き、インの5番手につける積極的な位置取りを選択。前の馬を常に射程圏に入れる競馬で、最後の直線では早々と3番手に上がって行く。
残り200mを過ぎて、懸命に粘るエアアルマスを交わすと抜群の手応えで先頭に躍り出る。外からエアスピネルが猛追を見せるものの、追いつく気配はない。勝ちタイム1分34秒4は、過去10年のフェブラリーSでも、重馬場で1分34秒0だった16年のモーニンに次ぐ2番目の好時計だった。
「ルメール騎手が本当のカフェファラオと評した強さも見事でしたが、この勝利はジョッキーの腕も大きかったでしょう。今年の東京開催のダートは前に行った馬が残る傾向が強く、後ろから外を回すと届かないリスクもありました。
しかし、3番枠と内を引いたことも計算していたのでしょうけども、隙のないレースプランを実行しての結果といえます。位置取りといい、抜け出すタイミングといい完璧な内容でした」(競馬記者)
着差以上の楽勝を演じたカフェファラオだが、ここまで決して順風満帆で歩んだわけではない。昨年は圧倒的1番人気に支持されたジャパンダートダービー(G1)でまさかの7着に敗退。古馬相手のシリウスS(G3)こそ勝利したものの、ダートのトップクラスが集まったチャンピオンズC(G1)では力の差を感じる6着に敗れた。
ワンターンの東京ダート1600mで強い競馬を見せたカフェファラオにとって、今後の課題となるのはパフォーマンスを落としているコーナーの多いコースと地方のダートだろう。
だが、今回の内容を見せられると、ルメール騎手ならあっさり克服してしまうのではないかという期待も感じる圧勝劇でもあった。
昨年はモズアスコット、今年はカフェファラオで連覇を決めた手腕は冴えるばかり。
今年のG1もこの男を中心に回っていきそうだ。