JRA【中山記念(G2)展望】昨年はラッキーライラックVSインディチャンプなど「G1馬」5頭共演→今年はまさかの……

 28日、中山競馬場では伝統のG2戦、中山記念が開催される。

 昨年はG1馬がなんと5頭も集結。ラッキーライラックやインディチャンプ、ウインブライトらに加え、ダノンキングリーなどG1さながらの豪華対決が話題を呼んだが、今年は一転G1馬が不在という小粒感が否めないメンバー構成となりそうだ。

 そんななか、今後の古馬中距離路線に向けて、楽しみな馬もいる。

 現在3連勝中の上がり馬、ヒシイグアス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)は、前走の中山金杯(G3)で、54kgの軽ハンデを味方にココロノトウダイをクビ差退け、重賞初制覇を飾った。期待のハーツクライ産駒が5歳を迎え、ようやく本格化の兆しを見せている。

 中山の芝コースでは通算「3-2-0-1」。唯一の着外に敗れたスプリングS(G2)も1着馬と0秒2差の5着と大崩れしていない。確固たる主役不在の今年なら4連勝を飾り、堂々と大阪杯(G1)に名乗りを上げてもおかしくないだろう。

 不安があるとすれば、ハイペースになった時の対応だろう。これまで前半3ハロンが36秒を切るペースは2度しか経験がなく、5着と9着に敗れている。一方、36秒以上平均ペース以下の時は、「5-3-0-0」。ヒシイグアスの明暗は逃げ馬が作り出すペース次第になりそうだ。

 そんなペースのカギを握るのが、キャリア8戦中6戦で逃げの手を打っているバビット(牡4歳、栗東・浜田多実雄厩舎)だ。

 昨年4月にデビュー3戦目で初勝利を挙げると、9月にかけてトントン拍子で4連勝を飾った。圧巻だったのは4連勝目のセントライト記念(G2)。春のクラシックでも善戦していたサトノフラッグやガロアクリークという強豪馬に影をも踏まさぬ逃亡劇を演じた。

 その勢いが買われ、菊花賞では3番人気という高い支持を受けたが、ハナを譲ったことが裏目に出たのか、10着に敗れた。その後は有馬記念(G1)にも挑戦。ここでは、敢然と逃げたが、13着に終わった。

 G1では、2戦連続2ケタ着順と結果が出なかったが、一線級と相まみえたことは今後の糧となるだろう。メンバーレベルが大きく下がる今回、単騎のマイペースで行ければ重賞3勝目がおのずと見えてくる。

 ヒシイグアスとバビットは、乗り慣れた松山弘平騎手と内田博幸騎手がそれぞれ継続して騎乗する。一方、C.ルメール騎手に初めて手綱を委ねるのがクラージュゲリエ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 2018年11月の京都2歳S(G3)を最後に勝利から遠ざかっているが、鞍上強化で重賞2勝目を狙う。

 19年には、皐月賞(G1)5着、日本ダービー(G1)6着とクラシックでも善戦していた素質馬も、その後は爪の不安などがあって、長期休養に入っていた。復帰予定だった昨年2月の京都記念(G2)では、右前挫跖のためレース前日に無念の出走取消。ようやく復帰したのは、それから9か月後の昨年11月だった。

 復帰初戦のカシオペアS(L)こそ10着に敗れたクラージュゲリエだが、その後は中2週で臨んだアンドロメダS(L)で2着、そして1月の日経新春杯(G2)で3着と徐々に本来の実力を見せている。フルゲート超えの登録が想定されている今年の中山記念。無事ゲートインにこぎつけられれば、ルメールマジックで主役候補になり得る存在だ。

 この他には、前走の京都金杯(G3)で12番人気の低評価を覆し、2年4か月ぶりの美酒を味わったケイデンスコール(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)、中山金杯では斤量が2kg軽かったヒシイグアスと0秒3差の3着に入ったウインイクシード(牡7歳、美浦・鈴木伸尋厩舎)。ともに年明け2戦目で一発を狙う。

 サンアップルトン(牡5歳、美浦・中野栄治厩舎)に騎乗予定の柴田善臣騎手は、JRA最年長重賞制覇の記録更新が懸かる。また、この日をもって騎手を引退し、調教師に転身する蛯名正義騎手は、ゴーフォザサミット(牡6歳、美浦・藤沢和雄厩舎)で最後の重賞騎乗を迎える。

 G1馬不在となった今年の中山記念だが、11年ぶりのフルゲートが濃厚。実力拮抗で、白熱した戦いになることは必至だ。発走は28日の15時45分を予定している。