JRA【フェブラリーS(G1)展望】最有力カフェファラオ、レッドルゼルらに「不安情報」あり……1番人気7年連続3着以内も今年は大混戦か

 2021年のG1シリーズ開幕を告げるフェブラリーS(G1)が21日、東京競馬場で開催される。

 近年は1番人気の信頼度が高く、14年のベルシャザール(3着)から昨年のモズアスコット(1着)まで7年連続で3着以内に好走している。混戦模様の今年は、カフェファラオ、レッドルゼル、そしてアルクトスの3頭が1番人気を争う形になりそうだ。

 未知の魅力を感じさせるのはキャリア6戦で臨むカフェファラオ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)。2走前からコンビを組むC.ルメール騎手の存在も人気を押し上げる要因となりそうだ。

 フェブラリーSがG1に昇格した1997年以降、キャリア6戦以下での出走はカフェファラオが3頭目。13年のカレンブラックヒルは、デビュー5連勝後の天皇賞・秋(G1)で初黒星(5着)を喫し、ダートに初挑戦。1番人気に支持されたが、15着に大敗した。

 もう1頭は16年のモーニンで、前哨戦の根岸S(G3)を制し、6戦5勝でG1初挑戦。2番人気の支持を集めると、好位から抜け出してノンコノユメらを抑え快勝した。

 過去の2頭はともにダートG1初挑戦だったが、カフェファラオは昨年のJDDとチャンピオンズCでG1を経験済み。ただしどちらも着外に敗れている。

 昨年7月のJDDでは同世代相手に1.1倍の断然人気を背負ったが、キックバックに過剰反応するなど、直線ズルズル後退。状態面も万全ではなく、初黒星を喫した。

 その後は10月のシリウスS(G3)で古馬相手に完勝。前走のチャンピオンズCではクリソベリルに次ぐ2番人気に支持されたが、チュウワウィザードから0秒9差の6着に敗れた。

 この敗戦には、元JRA騎手の安藤勝己氏が「現状の力差やと思う。気性面の成長がほしいところやね」と課題を挙げていたが、2か月半ぶりの実戦でその成長が問われることになるだろう。

 11日(木)には、美浦南Wで3頭併せの追い切りを敢行。内に進路を取ったカフェファラオは外レインフロムヘヴンと併入するも中ポンデザールには1馬身遅れた。

 その状態面について、記者は「ここを目標にじっくり乗り込まれ、順調に来ています。2戦2勝のこの舞台(東京マイル)で、前走に比べれば相手関係も落ちるため、勝機は十分にありそう」と高評価。最終追い切り次第で、やや抜けた1番人気に推される可能性もありそうだ。

 過去10年で最多の4勝を誇る根岸S組からは、レッドルゼル(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)が有力視される。コンビを組むのは、引き続き川田将雅騎手だ。

 これまでは、一貫して1200~1400mを使われ、前走の根岸Sで重賞初制覇。今回は初のマイル戦となるが、安田隆調教師が「不安もある」と話しているように、距離は大きな課題だ。

 2か月半ぶりのカフェファラオに対し、こちらは中2週で本番を迎える。前走は陣営も「厳しい競馬になった」と語っていたが、回復力がカギとなりそうだ。

 1週前追い切りも栗東坂路で馬なり調整に終始。「馬体重こそ戻しているものの、前走の疲労は抜けきっていない可能性が高い。最終追い切りでしっかり見極めたい」(同)と状態面が気になるところだ。

 レッドルゼルが勝った根岸Sで0秒2差の4着に粘ったのがアルクトス(牡6歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。前走は勝ち馬に比べ3kg重い59kgを背負っての惜敗。斤量差がなくなり、距離延長も追い風となる。

 その前走は順調さをやや欠いた中で、いかにも前哨戦仕様の一戦だったこともプラスに働きそう。ひと叩きされ、上昇度という点では最も期待できる。日本レコードを樹立した昨年10月の南部杯(G1)に続くG1・2勝目に向けて、中間も順調にきている。

 11日の1週前追い切りは美浦南Bダートコースで5ハロン70秒5-ラスト12秒9を計時。陣営も「状態はかなり良くなっている」と自信をのぞかせた。

 もう1頭の根岸S組は、2着に追い込んだワンダーリーデル(牡8歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。その前走は、代打の田中勝春騎手が騎乗し、道中は最後方からの追走。直線大外に持ち出すと、メンバー最速34秒台の末脚を繰り出し、レッドルゼルにアタマ差まで迫った。

 8歳を迎えたが、末脚は堅実。中2週での一戦となるが、11日には栗東坂路で52秒8-13秒0をマークしており、状態面に不安はない。

 カギを握るのは初めて装着するブリンカー。安田翔調教師は「最後にフワッとするところがあるので」とその効果が表れれば、差し切るシーンも頭に入れておきたい。

 G1昇格後は7歳以上の優勝馬はいないが、果たして8歳馬の大駆けはあるだろうか。

 勢いなら3連勝中のオーヴェルニュ(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)が一番。前走の東海S(G2)は川田騎手の好騎乗も手伝って重賞初挑戦で初制覇を飾った。しかし、その川田騎手はレッドルゼルを選択。13日現在で鞍上は未定のままだ。ただし、近3走はいずれも異なる鞍上で勝っており、乗り替わり自体は大きなマイナスにはならないだろう。

 陣営は「今が充実期」と話す通り、10日栗東坂路の1週前追い切りは素軽い動きで54秒8-12秒7をマークした。4連勝での戴冠を狙う。

 この他には、昨年の3着馬で、東京巧者のサンライズノヴァ(牡7歳、栗東・音無秀孝厩舎)、前走の東海Sはスタートからダイシンインディーに絡まれ、12着に惨敗を喫した武豊騎手のインティ(牡7歳、栗東・野中賢二厩舎)が巻き返しを狙う。

 角居勝彦厩舎が最後のG1に送り込むワイドファラオ(牡5歳、栗東・角居勝彦厩舎)。昨年の東海S覇者、エアアルマス(牡6歳、栗東・池添学厩舎)も一発の可能性を秘める。

 混戦模様の春のダート王決定戦。上位人気馬がその実力を見せるのか、それとも思わぬ伏兵の台頭はあるのか。注目の一戦は、21日15時40分に発走予定だ。