ビートたけし、明石家さんま、松本人志は誰が最初に引退するのか?萩本欽一との“因縁”

 伝説のコメディアン“欽ちゃん”こと萩本欽一(79歳)に異変が起きたのは、2月6日の『欽ちゃん&香取慎吾の第98回全日本仮装大賞』(日本テレビ系)の放送中だった。

「ある常連出場者が作品を披露したときのことでした。萩本は『今回でね私、この番組終わり。おしまい』と衝撃の“降板”宣言をしたのです。さらに、これまでの番組を盛り上げてきてくれた出場者に向かって『本当に長い間ありがとう』と頭を下げました。これを聞いた審査員たちは、困惑というより、何を言っているのかわからないといった表情で欽ちゃんを見つめていました。直後に数社がネットニュースで報じて、すぐに話題となりました」(芸能ライター)

 萩本は次々回の100回を機に勇退し、共同司会の香取慎吾にその座を譲ると見る向きもあるが、いずれにしても放送中にサラッと降板をほのめかすというのは、いかにも萩本らしい。今回は、そんな芸人の引退事情を探ってみよう。

欽ちゃんに引導を渡したビートたけし

 芸人人生の後半は、とにかく人を傷つけない笑いを提供してきた萩本。そんなスタンスに終始異議を唱えてきたのが、萩本より5歳年下のビートたけし(74歳)だ。

「『笑いは差別から生まれる』を信条とするたけしは、優しい笑いを求める萩本に“引退した方が良い”と、週刊誌を通じて長年、一大批判キャンペーンを打ってきました。また、萩本はいわゆる“素人イジり”で笑いをとる芸人でしたが、たけしは40年も前から『萩本の他人を使う笑いは芸が“引退”している』と批判しています」(テレビ局関係者)

 そんな萩本は、各番組の視聴率が下がってきていた1985年3月、充電と称して当時のレギュラー番組をすべて降板し、半年間休養することを決める。すると、その1カ月後の85年4月から、たけしは冠番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)をスタートさせた。

 公約通り、萩本は半年後に復帰するが、かつての勢いは取り戻せなくなっていた。すでに、世間は毒のある笑いを求める、たけしの時代に突入していたのだ。実際、この『元気が出るテレビ』は、裏で放送されてきた萩本の『オールスター家族対抗歌合戦』(フジテレビ系)を終了に追い込んでいる。つまり、たけしは名実ともに萩本に引導を渡したのだ。

 そして、今回の『仮装大賞』での降板宣言が本当であれば、萩本が地上波に出る機会はほぼ消滅することになる。

バイク事故で引退を示唆していたビートたけし

 一方で、萩本を揶揄し続けてきたたけしも、今や“老害”と言われることが多くなってきたが、かなり早い時期から引退を考えていたという。

「たけしは94年8月、47歳のときにバイク事故を起こして入院。事故から57日目に退院し、顔面のマヒを隠すこともなく会見を開きました。そのとき、彼は『前と同じように、いつまでもトップを走るわけにはいかない』と珍しく弱音を吐き、『テレビもつまんないし、数を減らしたい、徐々にね』と、第一線から退く意向もほのめかしています」(同)

 しかし、それから27年経った今も、たけしはテレビに出続けている。かつて、たけしが萩本に引導を渡したように、たけしを引退に追い込む芸人はいるのだろうか?

明石家さんまは「元気なうちに辞めたい」

 もうひとり、常に去就が注目されているのが、明石家さんま(65歳)である。さんまは、本来であれば2015年、60歳になったのを機に芸能界を引退する予定だった。

「15年の主演舞台『七人ぐらいの兵士』で芸能界を引退しようとしていたことは、本人が明らかにしています。しかし、爆笑問題の太田光から『落ちるところを見せろ。落ちていくさまを見せないまま引退したら格好良すぎる』と言われ、『続けられるとこまでは続ける』と語っています。

 実は、07年頃から、業界内ではトークに陰りが出始めているという不穏な噂が広まっていたのですが、世間的にはまだ気づかれていなかった。それが顕在化してきたのは、ここ最近のことでしょう。しかも、これまで、さんまの恋愛や結婚、さらにハニートラップといったスキャンダルで恩恵を受けてきた御用雑誌とは違い、新興のネットメディアが衰えを指摘してきました。今後も、この“監視”は続いていくでしょう」(前出の芸能ライター)

 そんなさんまが引退を考え始めたのは、いつ頃なのだろうか。

「11年に島田紳助さんが暴力団幹部との親密交際が発覚して芸能界を引退したとき、彼はこんなコメントを残しています。『(紳助さんの)気持ちはよくわかる。疲れてくるんですよ。俺も年がら年中、辞めよう、向いてないかな、と。生涯現役じゃない。元気なうちに辞めたい』と、盟友の心労を思いやりながら、自身の進退について語っているのです。ちなみに、その紳助さんは2月10日に雨上がり決死隊・宮迫博之のYouTubeチャンネル『宮迫ですッ!』に電話出演し、一部で臆測が流れている芸能界復帰を完全否定していました」(同)

 かつての同志が芸能界に何の未練もない一方、いまだに笑いに貪欲で、飽くなき向上心を持ち続けるさんま。中堅芸人はその姿勢に尊敬のまなざしを向けながらも、どこかで辟易としているのかもしれない。

17年前に引退していたはずの松本人志

 かつては早期の引退をほのめかしながらも、いまだに威光を放ち続けているたけし、さんまの例を見ただけでも、芸人は“辞めない人種”であると考えざるを得ない。その傾向は、ダウンタウンの松本人志(57歳)にも感じられる。

「有名な話ですが、230万部のベストセラーとなった『遺書』(朝日新聞社)の中で、当時30歳だった松本は『ピークは40歳、そのあと引退』と綴っています。このエッセイが出たのは1994年ですから、この言葉の通りであれば、10年後の2004年に芸能界から身を引いていたことになります。しかし、幸か不幸か、その04年から『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)がスタートしました」(同)

 周知の通り、『すべらない話』は今やフジテレビを代表する人気コンテンツとなっている。さらに、その前年の03年にも、現在の人気番組のルーツがあるという。

「大みそかの恒例特番『絶対に笑ってはいけない』シリーズの事実上の1弾目である『絶対に笑ってはいけない温泉旅館一泊二日の旅』(日本テレビ系)が放送されたのです。つまり、当時は、松本個人にとってもダウンタウンにとっても、第2の黄金期を迎える重要な時期に差しかかっていたタイミングといえます。そのため、かつて抱いていた引退への思いは、自然となくなっていったのではないでしょうか」(同)

 そんな松本は、1月17日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で引退について言及した。3月いっぱいで終了する『とくダネ!』(同)の小倉智昭アナウンサーについてコメントし、「お笑いはね、ダメになったくらいがおもしろいという、難しいところがある。さすがに65歳で辞めようとは思っているけど。最低でもね。それまで仕事あるかわからんけど。あと8年くらいかな』と語ったのだ。

 79歳の萩本、74歳のたけし、65歳のさんま、57歳の松本……。彼らが牛耳るお笑い界に新陳代謝が起きるのは、いつの日になるのだろうか?

(文=編集部)