パチスロ「再びの規則改正で2号機から3号機へ」~3号機名機伝説『ドリームセブン』編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.36】


 日本が戦後最大のバブル景気に沸き立っていた1990年秋。遊技機の技術規格に関わる規則の一部が改訂され、パチスロは2号機から3号機へ代替わりすることとなった。

 他に先んじて、この新たな3号機を市場に送り込んできたのが、2号機でも業界一番乗りを果たした高砂電器(のちのアビリット→現・コナミアミューズメント)。

 機種名を模した上パネルのLED装飾が目を引く『ドリームセブン』はBR両ボーナスのみで出玉を増やす、きわめてオーソドックスな仕様のAタイプ機。

 写真では小さくて判然としないが、ビッグ絵柄にパチスロでは初となる青色(スカイブルー)の7を採用していて、デビュー当初は大いに話題となった。

 が、逆に言えばそれくらいしか取り上げるところが無い、ごくごく「フツーのパチスロ機」だったのである。

 ハード・ソフト両面において様々な新機軸が満載されたことで大きな話題となった2号機誕生の時とは対照的に、3号機時代の幕開けは至って静かなものだった。

 なぜならば、エポックになるような新機能の採用もなく、どちらかといえば規制強化の意味合いが強かったからだ。

 2号機時代、『チャレンジマン』や『アラジン』など、集中役での一撃大量獲得に重きを置いたマシンが人気を博していた。

 しかし、そのギャンブル性の高さが問題視されたことで、3号機では集中役に対して規制のメスが入れられたのである。

 具体的に説明すると、フルーツ(小役の集中役)は一切禁止。一方、シングルボーナスの集中役に関してもパンク確率の下限が300分の1と定められたことで、ロング継続による大量獲得に歯止めがかけられた。

 シングルボーナスの集中役に対する規制強化は致し方ないとしても、解せないのはフルーツの全面禁止だ。

 フルーツは元来、ゲームにちょっとしたアクセントをつける程度のものだった。たとえば8枚小役メインの場合、最大継続60Gで獲得枚数は180枚程度。「入ればちょっとおトク」な、いわば第3のボーナス的な立ち位置のはずだった。

 ところが、『チャレンジマン』の「ジャンボフルーツ」のように、抽選プログラムに巧妙なトリックを仕掛けて60Gのフルーツをビッグ成立まで延々とループさせることで一撃の大量出玉を実現するという「事案」が発生してしまった。

 同じ頃、『アニマル』が2号機では御法度の天井吸い込み+一発抽選によって激しい連チャン性(と深いハマリ)を生み出していたことが発覚し問題となっていた。

 いずれのケースに対しても、脱法プログラムを見抜けず検査をパスさせてしまった保通協ならびに監督官庁に対する批判の声も少なくはなかった。

 幾度となくメンツを潰され、ついに堪忍袋の緒が切れた行政。見せつけ的にフルーツ全面禁止という強攻策に打って出ることで面目を保つほか無かったのだろう。

 他にも、細かい部分では「1ゲームあたりの遊技時間を4秒から4.1秒にする」といった変更もあったが、そんなことはもうどうでもいい話だ。

 風適法の基本理念として「著しく射幸心をそそるものであってはならない」というのがある。
 
 3号機におけるフルーツの全面禁止を含めた集中役への規制強化も、それに従ったものだ。行政が「著しく射幸心をそそるからダメ」といえば、メーカーとして「はい、すみません」と従うほかない。

 しかし、結果的にはこの締め付けが、行政の思惑とは真逆の方向にパチスロを向かわせてしまうことになる。

 次回からは、3号機のラインナップを紹介しつつ、この時代のパチスロ業界に巻き起こった「様々な出来事」を綴ってみたいと思う。

(文=アニマルかつみ)