30日、東京競馬場で行われたメインレースの白富士S(L)は、川田将雅騎手の1番人気ポタジェがサンレイポケット(牡6、栗東・高橋義忠厩舎)の猛追を凌いで勝利。父ディ―プインパクト、金子オーナー、友道康夫厩舎の期待馬が今年初戦で好発進を決めた。
着差こそわずかだったが、勝利したことに意味がある。これでコンビを組んだ5戦で全勝と、抜群の相性を誇る川田騎手は「毎回着差はわずかですが、しっかりと走り切ってくれました」と快勝を振り返った。
これに対し、悔いが残る結果となったのがサンレイポケットで2着に惜敗した横山武史騎手だ。勝利まであと一歩のところまで勝ち馬を追い詰めながらもクビ差で惜敗。昨年6月にジューンS(3勝クラス)を勝利して以降、重賞でも善戦するものの惜敗が続いていた。
そこで陣営は主戦を任していた荻野極騎手から横山武史騎手への乗り替りを決断。昨年の関東リーディングに輝いた関東のホープに白羽の矢を立てたが、またしても勝利に手が届かなかった。
初めてコンビを組んだ横山武史騎手は「ゲートを出ないのは想定内でした。ただ、外枠でしたし、開幕週の馬場も厳しかったです」とコメント。勝利を期待されての起用だけに、メンバー最速となる上がり3F33秒7の末脚を繰り出したとはいえ、欲しかったのは勝利の二文字だった。
大きなビハインドとなってしまったのは、やはり出負けしてからの後方待機策と言わざるを得ない。今年最初の開催だった東京競馬場の芝コースは絶好の馬場コンディション。多少ペースが流れても、好位から抜け出した馬の好走が目立つレースが多かった。
にもかかわらず、最後方から大外を回したサンレイポケットの進路は、大きな距離のロスを生んだに違いない。
近走は中団からの競馬が続いていた馬が、最後方からの競馬で脚を余したかに見えた敗戦にネットの掲示板やSNSでも一部のファンから「典さんの真似はやめてくれ」「開幕週で届くはずがない」といった不満もあれば、「思い切った作戦はよかった」「スタートして諦めていたけど馬券になったからいい」と評価する声も出た。
「さすがに不利な条件が揃い過ぎましたね。勝ったポタジェは厳しい展開ながらも、ソツなく抜け出した川田騎手の手綱捌きが見事でした。サンレイポケットは前走の日経新春杯(G2)で伸びない内を中団から進んで外の馬に交わされています。
結果的に敗れはしましたが、横山武騎手の後方待機は現状打破を意識した作戦だったといえるでしょう。スパッと切れるイメージのなかった馬が上がり最速を出したことも収穫がありました。不運にも前が止まりにくい開幕週だったことが悔やまれます」(競馬記者)
サンレイポケットはただでさえ大外からのスタートだった上に、ゲートを出てすぐに内にいたブレステイキングから外に追いやられる不利もあった。最後の直線こそ大外に持ち出したが、不利を受けてすぐに内へ潜り込む判断をした横山武騎手の好判断は隠れたファインプレーといえるのではないか。
そもそも白富士Sが行われる東京・芝2000mのDコースは圧倒的に外枠が不利とされる条件としても有名だ。AコースからDコースにかけて仮柵が段々と外に移動することで、スタート地点から最初のコーナーまでの距離が短くなるため、外枠に入った馬はロスの大きな競馬を強いられる傾向にある。
これには武豊騎手でさえ武豊TV(フジテレビONE TWO NEXT)内にて「ダメですね。やらない方がいいくらい」と苦言を呈しているほどだ。
今回、残念ながら惜しくも勝利は逃したが、新味を引き出した横山武騎手とのコンビは“善戦マン返上”に大きなプラスとなるかもしれない。