昨年の有馬記念(G1)を5着に敗れたカレンブーケドール(牝5、美浦・国枝栄厩舎)が、3月27日に中山競馬場で行われる日経賞(G2)を松山弘平騎手とのコンビで始動を予定していることが分かった。
陣営の発表によるとその後は日経賞の結果次第。春の大目標を宝塚記念(G1)に調整が行われるようだ。
何といっても注目となるのが、松山騎手とのコンビ結成だろう。
カレンブーケドールは善戦するものの、あと一歩のところで勝ち切れない競馬の多さが目立つ馬だった。これまでオークス、秋華賞、ジャパンCなどのG1で勝ち負けするほどの実力がありながら、G2やG3でも2着や3着と惜敗している。
それもあってか、陣営は19年のスイートピーS(OP)を制して以降、7戦連続でコンビを組んでいた津村明秀騎手から乗り替りを決断。新たに池添謙一騎手を鞍上に迎えて有馬記念に挑んだものの5着に敗れた。
次走で引き続き池添騎手とコンビを続行するのか、それとも津村騎手の手綱に戻るのか、鞍上の行方に競馬ファンの関心も集まっていた。ところが、陣営の出した結論は2人のいずれでもなく松山騎手だったことは意外な結果にも映る。
なぜなら松山騎手はデアリングタクトを無敗で牝馬三冠に導いた主戦騎手でもある。今年最初の重賞である中山金杯(G3)も制した腕利きは、今年の騎手リーディング1位と飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている。
しかし、前走で池添騎手に乗り替わったとはいえ、カレンブーケドールの鞍上問題は今に始まったことではないことも事実だ。
昨年の始動戦となった京都記念(G2)はクロノジェネシスの2着に敗れた。愛馬の勝利を見届けるべく、鈴木隆司オーナーが観戦に訪れていた御前レースだったこともあり、次走に予定しているドバイシーマクラシック(G1)ではO.マーフィー騎手への乗り替わりが発表された。
結果的に、コロナ禍の影響でドバイ国際競走そのものが中止となり、津村騎手は九死に一生を得たという経緯もある。
だが、“元サヤ”を期待された津村騎手にとって不運だったのは、今年まだ未勝利という自身の不甲斐なさも、少なからず影響がありそうなことだ。2021年の津村騎手の成績は【0.3.3.33/39】と、開催6日間を終えてまだ勝利がない。ただでさえ降板したばかりの上に、これでは陣営が気後れしたとしてもやむを得ないだろう。
その一方で、気になるのは日経賞に出走するカレンブーケドールのローテーションである。大阪杯(G1)は4月4日と間隔が詰まるため、おそらく候補からは外れている。同じく牝馬であるカレンブーケドールに騎乗したとしても、デアリングタクトも中距離戦を歩む可能性が高く、同じレースに出走ともなれば鞍上問題の発生は避けられない。
「2500mの日経賞で始動ということは、もしかしたら春の天皇賞(G1)に使ってくる可能性もありそうです。グランアレグリア、クロノジェネシス、コントレイルなどの強敵が控えているマイルから中距離路線は分が悪いでしょう。
それに引き換え、フィエールマンが引退した長距離路線は、一転して手薄になりそうな雰囲気があります。是が非でもG1タイトルを手に入れたいカレンブーケドール陣営とすれば、チャンスがあるならここと考えたとしても不思議ではありません」(競馬記者)
デアリングタクトは3月14日の金鯱賞(G2)からの復帰が発表済みで、同馬を管理している杉山晴紀調教師は中2週の大阪杯には消極的。さらに「ジャパンCでモタれる面を見せたため、不安を解消しておきたい」という左回りを意識した発言から、ヴィクトリアマイル(G1)参戦も視野に入っていると噂されている。
ただ、デアリングタクトが大阪杯を自重したとしても、グランプリレースである宝塚記念には出走する見込みが高い。そうなるとこのタイミングで鞍上問題が発生してくる。
だとすれば、松山騎手の起用は日経賞、天皇賞のピンポイントの可能性も考えられるかもしれない。