若駒S「珍客」襲来でヨシオの衝撃再び!? JRA「ルール改正」のきっかけとなった策士の狙いはクラシックよりも……

 策士の狙いはいったいなんだろうか。

 23日、中京競馬場で若駒S(L)が開催される。2005年はディープインパクトが衝撃の末脚を披露して優勝し、そのまま無敗の3冠馬へと駆け上がった。他にも、アンライバルド、ヒルノダムール、マカヒキなどのG1馬を輩出した出世レースだ。

 今年も注目のメンバーが集まった。素質馬グロリアムンディ、黄菊賞(1勝クラス)の勝ち馬アドマイヤザーゲ、中内田充正厩舎が送り込むヴァリアメンテも新馬戦を上がり33秒7で制した期待馬である。

 その中で異色とも言える2頭を送り込むのが森秀行厩舎だ。

 ジャスパードリーム(牡3歳)は芝2000mでデビューするも10着に大敗。2戦目からダートに転向し、3戦目の未勝利戦で勝ち上がったばかりである。

 もう1頭のアスカロン(牡3歳)は芝1200mの新馬戦を制するも、2戦目のすずらん賞(OP・芝1200m)は15着。前走はマイル戦のジュニアC(L)に出走して、11着と惨敗を繰り返している。

 芝2000mで行われる若駒Sに、ダートの未勝利戦を勝ったばかりの馬、勝ち鞍は1200mのみでマイルで大敗している馬は“場違い”と感じざるを得ないだろう。

 森調教師と言えば、海外挑戦に積極的なことでも知られている。

 1995年にフジヤマケンザンで香港国際カップを優勝。98年にはシーキングザパールがフランスのモーリス・ド・ゲスト賞(G1)を優勝し、日本調教馬として初の欧州G1制覇を達成するなど、歴史にその名を刻んできた。昨年もサウジダービーをフルフラットで制し、初代王者に輝いたばかりだ。

 だが、国内では“お騒がせ”な面も見せてきた。

 2018年の弥生賞(G2)に初出走となるヘヴィータンクを出走させるという意外な手に出るも、最下位の10着に惨敗。9着馬から約20秒遅い時計でゴールという大差負けに終わり、同馬はそのまま引退となった。だが、重賞競走では6着から10着馬に対してJRAから出走奨励金が支給されるため、ヘヴィータンクは108万円を獲得。さらに特別出走手当を含めれば、151万円を手にしたのだ。

 翌年からJRAはルールを改正し、未出走馬、未勝利馬が重賞に出走した場合でも、タイムオーバーによる出走制限と賞金の減額措置(現在は不交付)が適用されるようになった。

 また、昨年は世紀の一戦・ジャパンC(G1)にヨシオを出走させ、さらに翌週のチャンピオンズC(G1)に連闘で挑み、多くのファンに衝撃を与えた。ジャパンCは積極的にハナを主張したことで、キセキが掛かってしまい超ハイペースの流れを演出。これについて、一部のファンの間で物議を醸しだし、賛否が分かれることとなった。

 今回の若駒Sも“冷やかし”ではないかという見方がされるかもしれないが、陣営にはしっかりとした意図があるという意見もある。

「ジャスパードリーム、アスカロンに芝2000mの適性があるかは正直わかりません。ただ、2頭ともサウジダービーに登録しているという共通点があります。昨年、フルフラットで同レースを制した森厩舎はそれ以外にも3頭を登録しており、連覇に意欲を見せているようです。

今年の賞金は約5000万円から約1億円に増額されますので、出走馬のレベルも上がるのではないでしょうか。そうなると、招待基準も厳しくなり、新馬勝ち、未勝利勝ちの2頭が招待を受ける可能性は低くなりそうです。

フルフラットは当時1勝馬でしたが、アメリカのG1で5着、1勝クラスで2着の実績がありました。若駒Sに出走する2頭も、ここで結果を残せばチャンスがありそうですね」(競馬記者)

 森調教師はいち早くサウジアラビアのレースに目をつけて、フルフラットがサウジダービーを制し、マテラスカイがサウジアカップで2着に好走。遠征費用が主催者負担の招待競走で荒稼ぎをした策士でもある。

 若駒Sは8頭立てということもあり、5着以内に入賞するハードルはそこまで高いわけでないということから出走を決意した可能性もあるだろう。

 森厩舎の2頭は適性外に思われる若駒Sでどのような結果を残すだろうか。