JRAキャロットファーム「屈辱」のG1未勝利!? ノーザンファーム主体クラブの「形勢逆転」巻き返しの鍵は「アワブラ」の存在か

 今年も残すところ1カ月を切り、G1レースもあと5つ(障害レース含む)。

 三冠馬3頭の共演で大盛り上がりを見せたジャパンC(G1)を筆頭に、牡馬牝馬の三冠レースなど、見どころある一年であった今年。最強牝馬として現役を退いたアーモンドアイなど、シルクレーシングの勝負服(水色、赤玉霰、袖赤一本輪)が多くのG1で活躍した。

 近年、大きな躍進を見せたシルクレーシングだが、これに大きく関わっているのがノーザンファーム。2011年にノーザンファームと提携したシルクレーシングは、7年後の2018年から大ブレイクしている。

 それまで有馬記念(G1)のシルクジャスティス(1997年)、オークス(G1)のシルクプリマドンナ(2000年)、阪神JF(G1)のローブティサージュ(2012年)とG1で3勝しかしていなかったが、2018年にアーモンドアイが牝馬三冠を達成すると、勢いそのままにジャパンCも制覇。年末にはブラストワンピースが有馬記念を勝利し、中央競馬のG1を年間で5勝した。

 昨年のアーモンドアイは1勝(ドバイターフ除く)に留まったが、インディチャンプが春秋マイルG1を制覇し、サリオスも朝日杯FS(G1)勝利も加わり4勝。今年はラウダシオンのNHKマイルC(G1)勝利に始まり、再びアーモンドアイが3勝と勢いは止まらない。

・シルクレーシングのG1成績
2012年 1- 1- 0- 2/ 4
2013年 0- 0- 1-10/11
2014年 0- 0- 0-11/11
2015年 0- 1- 0-10/11
2016年 0- 0- 0- 5/ 5
2017年 0- 0- 0- 8/ 8
2018年 5- 0- 0-12/17
2019年 4- 3- 1-11/19
2020年 4- 5- 4-16/29

 近3年は4勝以上のG1勝ちをキープし続けるシルクレーシング。今年の有馬記念でも、グローリーヴェイズは出走未定なものの、オーソリティ、サラキア、ブラストワンピースと3頭以上の出走を予定しており、その勢いは飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 一方、先週行われたチャンピオンズC(G1)では、断然の1番人気クリソベリルが4着に沈んだキャロットファーム。シルクレーシングとは対照的に、今年は今だ勝ち星がない。

 1999年産までは出口牧場やグリーンヒルスタッド等が関連した外国産馬を多く扱っていたが、2000年産以降は経営者も代わりノーザンファーム生産馬が主体に。ここまで成績を伸ばしてきたが、今年は2012年以来となる「JRA・G1未勝利」のピンチを迎えている。

・キャロットファームG1成績
2012年 0- 1- 1-17/19
2013年 1- 3- 0-13/17
2014年 2- 3- 2-15/22
2015年 2- 3- 2-15/22
2016年 2- 2- 2-19/25
2017年 1- 4- 0-16/21
2018年 3- 2- 0-10/15
2019年 5- 1- 1-20/27
2020年 0- 2- 0-11/13

 先週、単勝1.4倍だったクリソベリルの敗戦も痛手であったが、芝の古馬勢で大将格とされたサートゥルナーリア不振も一つの原因。宝塚記念(G1)では、クリソベリルと同じく1番人気となりながらも4着に敗れている。

 3歳牝馬レシステンシアは健闘したともとれるが、桜花賞(G1)では三冠馬デアリングタクトに屈し2着。NHKマイルC(G1)では、シルクレーシングのラウダシオンに敗れ、両レースともに1番人気ながら2着と惜敗したのだ。

 以前の立場からは一変。「形勢逆転」となったキャロットファームとシルクレーシング。しかし、記者は来年以降、キャロットファームの巻き返しがあるのではないかという。

「近年、シルクブランド定着のために、良い馬はシルクレーシングに回されていた感が否めません。アーモンドアイも引退しましたし、これからはじょじょに『元シルク所有馬』が繁殖として増えていくでしょう。いわゆる『Our Blood』(通称アワブラ)と言われるやつですね。

シルクがダメになるというわけではありませんが特別的な扱いはなくなっていくでしょうし、キャロットファームにはこれまで蓄積した良質なアワブラがたくさんいます。来年以降は巻き返しが期待できると思いますよ」(競馬記者)

 確かに、キャロットファームにはシンハライトやルージュバックを筆頭に、数多くの「Our Blood」が存在する。今年は不振の一年であったが、来年以降の逆襲に期待したいところだ。