パチスロ「激しい連チャン性」をひっさげシーンに返り咲き ~2号機名機伝説「サファリラリー」編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.29】


 日本が未曾有のバブル景気に沸き立っていた1990年代初頭。パチスロ界もまた、異様な熱気に沸き立っていた。

 あらゆるマシンが裏モノ化、つまりは第三者による不正改造によって激しい連チャン性が与えられ、世のギャンブラーたちを熱狂させていたのである。

 デビュー当初から連チャン機として登場するものもある一方、不人気で早々に一線を退いてしまったマシンが連チャン機に生まれ変わってシーンに返り咲く例も多々あった。

 エーアイの2-1号機『サファリラリー』も、裏モノ化したことで勢力を拡大したマシンの代表格だ。

 デビューは1990年の秋。すでに各メーカーから新基準の3号機が出揃った中に登場した最後の2号機である。

 機種名のとおりカーラリーがモチーフとなっており、絵柄もバッテリーやハンドル、ヘッドライト、ヘルメットなどクルマ関連のものが採用されているのが、当時としてはユニークだった。

 仕様は、フルーツ(小役の集中役)を持つAタイプ機。スペック上のBR比率は表面上の組み合わせと同様に1:2となっており、「REG主体で波が穏やかな遊べるマシン」というのが本来のゲーム性である。

 当初は、ユニークな絵柄が注目を集め話題を呼んだが、大手メーカーから3号機の大物たちが続々と登場する中にあって人気を獲得するに至らず、早々に表舞台から消え去ってしまう。

 ところが、1年が経過した頃のこと。突如として増殖を開始する。先述のとおり、本来はありえないはずの激しい連チャン性を身につけて…だ。

 裏モノ化した『サファリラリー』の特徴としては、フルーツをからめて全てのボーナスが連チャンすること。

 当時の裏モノはビッグオンリーの連チャンが主流だったが、『サファリラリー』の場合は本来のBR比率どおりREGも連チャンに多く絡む。それが伝説の連チャン機『アニマル』を彷彿とさせることから「アニマル・サファリ」などと呼ばれファンに親しまれていた。

 自分も、この在りし日のアニマルのような連チャン性が大好きで、中野駅南口商店街の端にあったホール(いまはビデオ屋になっている)へ、足繁く通ったものである。

 『サファリラリー』はまた、数々の攻略法でも話題になった。

 最初に発覚したのは、通常時の1枚がけ小役抜き。小役確率が投入枚数を問わず同一なので、「ボーナス確率はダウンするが1枚掛けで小役をしっかり取った方がトータルの機械割はアップする」のである。

 続いては、厳密には攻略法というよりもゴト行為だった、その名も「ワンプッシュ33倍打法」。

 まずはクレジットモードでコインを6枚投入し(デジタル表示は「3」)、普通に1ゲーム消化。続いて、精算ボタンとBETボタンを交互に素早く連打する。…と、あろことかデジタルに本来は存在するはずのない「99」という枚数が表示され、精算ボタンを押せばその分のメダルが払い出されるのだ。

 当初は雑誌などでは攻略法として紹介された。が、その後、この打法を使って出したメダルを景品に交換した者が逮捕され、裁判で詐欺罪や窃盗罪に問われるという事案が発生。「よい子はまねをしないように」ということになった次第である。

 一方、長きにわたってプロの懐を肥やし続けた正統派の攻略法が、「BAR→7変換打法」である。

 文字通りこれは、REG成立時に特定の打ち方をすることで777を揃えるというもの。特定の打ち方とは、REG成立を確認したら1枚掛けで中段に7を狙う。ただそれだけのことである。

 正確にビタ押しすれば狙い通りに揃うというものではなく、ランダムなスベリでかわされたりするのだが、小役成立時に特定の条件(押した位置と選択されたスベリコマ数)に合致すれば777が揃って、フツーにビッグがスタートするのだ。

 リール制御のバグを突いた攻略法だったのだが、メーカー側が対策部品で修正するといったこともなく、ホールが自衛策として「1枚掛け禁止」の張り紙をすることくらいしかできなかったので、「店員の目を盗めばいくらでもできた」とは当時のプロ氏の弁。

 これら3つのネタ、自分も当時は何度かトライしてみたが、店員よりも周りのプロたちの目が厳しかったので諦めたという苦い思い出がある。

 後年、ゲームセンターの台で「変換」にチャレンジし、本当に777が揃ってファンファーレが流れた時の感動は、筆舌に尽くしがたいものがあった。

 

(文=アニマルかつみ)