13日は、香港のシャティン競馬場で香港C、ヴァーズ、マイル、スプリントの4つのG1からなる「香港国際競走」が開催される。
コロナ禍の今年は、昨年の9頭より3頭少ない6頭の日本馬が遠征する予定。最注目は3頭の日本馬が出走を予定している「香港C」だ。
2000mの一戦で2連覇を狙うのはウインブライト(牡6歳、美浦・畠山吉宏厩舎)。過去2度の香港遠征は、いずれも強い勝ち方でG1を制覇。この馬にとって香港のターフはまさに“庭”と呼べるほど相性抜群だ。
前走・天皇賞・秋(G1)を使って、気配は上昇。香港C連覇、そして香港G1・3連勝で有終の美を飾れるか。引退レースに騎乗するのはもちろん松岡正海騎手。『スポーツ報知』の取材に、「勝つのは俺の馬でしょうって感じです」と自信に満ち溢れたコメントを残している。
前走の天皇賞・秋を逃げ粘り、4着に入ったダノンプレミアム(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)は香港に初参戦。ただし、3走前にオーストラリア遠征(3着)を経験している。
鞍上は2年前のマイルCS(G1)をステルヴィオで制したW.ビュイック騎手が務める。勝利から遠ざかっているダノンプレミアムに2つ目のG1タイトルをもたらすことはできるだろうか。
3頭目の日本馬は、エリザベス女王杯(G1)16着から巻き返しを図るノームコア(牝5歳、美浦・萩原清厩舎)だ。前走は横山典弘騎手を背にまさかの大逃げ。本来は脚を溜めて瞬発力で勝負する馬だけに、この大敗は度外視していいだろう。
その前走は2200mの距離も少し長かった。鞍上にはC.スミヨン騎手が配され、距離短縮と鞍上強化で一発を狙う。
日本馬以外では、世界の名門オブライエン厩舎が送り込むガリレオ産駒のマジカル(牡5歳、アイルランド)が注目の的だ。
前走のブリーダーズCターフ(G1)は2着に敗れたが、キャリア27戦で20連対と安定感は抜群。特に2000mでは常に上位争いをしている。香港初参戦で日本馬3頭を蹴散らすか。
日本馬が毎年苦戦を強いられる「香港スプリント」には、ダノンスマッシュ(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)とタワーオブロンドン(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)の同世代のライバル2頭が挑戦する。
ダノンスマッシュは、前走のスプリンターズS(G1)の内容が秀逸。スタートでやや立ち遅れたが、すぐに挽回。差し馬有利の超ハイペースを先行して、2着に粘り込んだ。
昨年もこのレースに出走。3番人気に支持されたが、スタートで後手を踏んだのが響き、8着に敗れた。持ち前の先行力を生かすためにも、昨年と同じ失敗は許されない。国内最終追い切りは栗東坂路でラスト11秒6をマーク。国内外9度目のG1挑戦で悲願達成はなるか。
京王杯SC(G2)以来のタワーオブロンドンは、約7か月ぶりの実戦が初の海外競馬と、条件は決して易しくない。ただし、藤沢調教師は、「香港の芝は合うと思う」と話しており、適性次第では、大駆けの可能性もあるだろう。
地元勢の代表格は、通算21戦11勝のホットキングプローン(セ6歳、香港)だろう。昨年は4番人気で出走し、ビートザクロックにクビ差の2着に好走した。
前走は約5か月ぶりの休み明けで勝利を飾った。鞍上には7戦連続でコンビを組むJ.モレイラ騎手を予定している。マジックマンの異名を持つ世界のモレイラ騎手は、同馬に初G1制覇をプレゼントできるだろうか。
海外勢では、インファーノ(セ4歳、シンガポール)にも注目が集まる。シンガポールで9戦8勝、2着1回という戦績で、目下4連勝中。鞍上は、5年前の高松宮記念(G1)をエアロヴェロシティとのコンビで制したZ.パートン騎手が務める。
「香港マイル」では、昨年日本馬として4年ぶりに勝利を飾ったアドマイヤマーズ(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)の連覇が懸かる。
前走のマイルCSでは見せ場たっぷりの3着に好走。この秋3戦目で、前走から再び中2週での参戦が海外遠征という強行軍。疲れがやや心配だが、もともと使われて良くなるタイプだけにプラスに出ることを期待したい。
鞍上は優勝した昨年に続きスミヨン騎手が務める。昨年は5番人気という挑戦者の立場だったが、今年は一転、地元勢にマークされることが予想される。
打倒アドマイヤマーズの筆頭は、ビューティージェネレーション(セ8歳、香港)だ。3連覇を狙った昨年は、3着に敗れた。2年ぶりの美酒を味わえるか。
通算40戦20勝という戦績が示すとおり、長く一線級で活躍。8歳となった今年もすでに6戦を消化し、「2-3-0-1」という成績を残している。ただし、唯一の着外が前走シャティンT(G2)の6着。ピークは過ぎた印象だが、8歳馬の意地を見せられるか。
衰えを見せるビューティージェネレーションに引導を渡すのは、ゴールデンシックスティ(セ5歳、香港)かもしれない。通算成績は14戦13勝で、現在10連勝中。今年(19-20シーズン)は香港の4歳クラシックで3冠を達成した。世代交代を果たすならこの馬だろう。
他には、昨年2着のワイクク(セ5歳、香港)、前走のブリーダーズCマイルを制したオーダーオブオーストラリア(牡3歳、アイルランド)などが上位をうかがう。
唯一、日本馬の参戦がないのは、2400mの「香港ヴァーズ」。注目はモーグル(牡3歳、アイルランド)とエグザルタント(セ6歳、香港)の2頭だ。
モーグルは今年のパリ大賞(G1)を制覇。全兄のジャパンとの兄弟連覇を達成した。今年の凱旋門賞(G1)には、兄弟そろって出走予定だったが、ともに摂取していた飼料から禁止薬物が検出され、出走取消の憂き目にあった。
2年前の香港ヴァーズ覇者、エグザルタントもまだまだ見限れない。連覇を狙った昨年3着に敗れたリベンジを期す。6歳で迎えた今秋は、2戦連続で2着。やや衰えを見せており、ここでも世代交代の可能性が高い。
今年は4レース中3レースに日本馬が出走。昨年は日本馬が3勝したが、少数精鋭の今年は幾つのタイトルを持ち帰ることができるか。香港国際競走は8日に開催される。