またひとつ、日本の競馬界に伝説が生まれた――。
29日に東京競馬場で行われた第40回ジャパンカップは、1番人気だったアーモンドアイ(クリストフ・ルメール騎手騎乗)が優勝。アーモンドアイは現役最後のレースで有終の美を飾る格好となった。
アーモンドアイは2017年のデビュー以来、“現役最強馬”の名を欲しいままに。今月行われた天皇賞(秋)では昨年に続き連覇を達成し、JRAでは史上初となる芝GI・8制覇を記録。今回のジャパンカップで優勝すると、総獲得賞金ランキングでキタサンブラック(18億7684万3000円)を抜き歴代1位に躍り出ることもあり、注目されていた。
そんな“ラストラン”にさらに花を添えたのが、強豪ライバルたちの存在だ。5戦5勝で秋華賞を制したデアリングタクト、7戦7勝で菊花賞を制したコントレイルも出馬し、史上初の無敗3冠馬同士の直接対決となり、競馬ファンの間では“伝説のレース”になると期待が膨らんでいた。
レースは序盤、6番人気のキセキが大きく先頭を走っていたが、最後の直線でアーモンドアイは横並びだったグローリーヴェイズを抜き去りぐんぐん前へ上がり、ついにキセキを追い抜き先頭へ飛び出す。後ろからコントレイルとデアリングタクトがラストスパートをかけるも、そのままアーモンドアイは逃げ切り1着でゴールインした。
まさに“伝説のレース”となった戦いを受け、Twitter上では次のようにファンたちの興奮の声が溢れている。
<いやー有終の美だった 感動して泣いた>(原文ママ、以下同)
<今日のレースは、紛れもなく俺の中で最高のドリームレース 無敗の三冠馬2頭に土をつけての引退でアーモンドアイは伝説となった>
<もう36回くらい繰り返しレース見直して出た答えが、こんなに沢山の名馬達が入り乱れた超ドラマティックなレース今までに見た事ないぞぉ>
<記憶に残る名レース 三冠馬が1,2,3着来るなんて そしてアーモンドアイ 素晴らしい有終の美を飾ったね ここ数年アーモンドアイには魅せられっぱなしでした!! 感動をありがとう>
<放心状態だったの しばらく競馬を見ていなかったけど 今日のは 凄かった あり得ない あり得た 流石 アーモンドアイ 優勝 有終の美を飾った>
<アーモンドアイの有終の美も素晴らしいんやけど、ワンツースリーがやばくねって話>
そこで疑問なのは、これほどまでの強さと高い人気を誇るアーモンドアイが、なぜ引退をしなければならないのかという点だ。アーモンドアイを管理する国枝栄調教師は27日付産経新聞ウェブ版記事で「引退期限となる来年3月まで適鞍(もっとも力を出せる条件のレース)がほかにないことと、無事に繁殖に上げることも調教師としての使命」と語っているが、どういう意味なのか。スポーツ紙記者はいう。
「アーモンドアイのような牝馬には、牡馬と違い、繁殖牝馬という大事な役割があり、まだ体力が残っている年齢のうちにレースを引退して、優秀な血統馬を産むために牡馬との種付けを行っていかなければならない。そのため、アーモンドアイを所有するクラブは牝馬について引退期限を6歳3月末と定めているんです。アーモンドアイは現在5歳なので、残されたレースのなかでどのレースを最後とするのかはクラブの判断に委ねられていたわけですが、アーモンドアイの将来や体力などを総合的に考慮して、12月の有馬記念を残したまま引退するという決断をしたのでしょう。
アーモンドアイは、今回のレースの舞台となった東京競馬場の芝2400mコースと相性が良い。さらにデアリングタクトとコントレイルという強豪ライバルの出場も予想されていたので、もしアーモンドアイが出場すれば盛り上がりは必至のため、競馬ファンへの最高のサービスになるという考えも、あったのかもしれませんね」
アーモンドアイには、今はゆっくりと静養してほしいものだ。
(文=編集部)