コロナウイルスの感染が全国に拡大する中、今週は東京競馬場で第40回ジャパンC(G1)が行われる。世間の注目は何と言っても3頭の三冠馬の対決だ。
ディープインパクト以来となる無敗のクラシック三冠馬コントレイル、史上初となる無敗の牝馬三冠馬デアリングタクト、そして2018年の牝馬三冠馬アーモンドアイによる日本競馬史に残る一戦。この3頭の中でどの馬がもっとも強いのか、あるいは馬券から外れるのはどの馬か、誰もがレース直前まで悩むことだろう。
そもそもこのジャパンCには、過去に7頭の三冠馬が合計10回出走している。その成績は【5・1・1・3】で勝率は50%。1984年にはミスターシービーとシンボリルドルフの三冠馬2頭が出走し3着と10着。2012年にはジェンティルドンナとオルフェーヴルが出走し、ここではワンツーフィニッシュを決めている。今年は3頭の三冠馬が同じレースに出走するが、これはJRA史上初の出来事だ。
この3頭でジャパンCの勝利に最も近いのはどの馬か? 答えを探るため、過去ジャパンCに挑戦した三冠馬の成績を振り返ってみた。
■ミスターシービー(1983年にクラシック三冠を達成)
・1984年ジャパンC 1番人気10着(4歳)
■シンボリルドルフ(1984年にクラシック三冠を達成)
・1984年ジャパンC 4番人気3着(3歳)
・1985年ジャパンC 1番人気1着(4歳)
■ナリタブライアン(1994年にクラシック三冠を達成)
・1995年ジャパンC 1番人気6着(4歳)
■ディープインパクト(2005年にクラシック三冠を達成)
・2006年ジャパンC 1番人気1着(4歳)
■オルフェーヴル(2011年にクラシック三冠を達成)
・2012年ジャパンC 1番人気2着(4歳)
■ジェンティルドンナ(2012年に牝馬三冠を達成)
・2012年ジャパンC 3番人気1着(3歳)
・2013年ジャパンC 1番人気1着(4歳)
・2014年ジャパンC 1番人気4着(5歳)
■アーモンドアイ(2018年に牝馬三冠を達成)
・2018年ジャパンC 1番人気1着(3歳)
牡馬三冠馬で3歳時に挑戦したのはシンボリルドルフのみ。しかも当時は菊花賞からジャパンCは中2週という過酷なローテーションで、ここでの3着はむしろ評価すべきか。そして牡馬三冠馬でジャパンCを制したのは、無敗でクラシック三冠を達成したシンボリルドルフとディープインパクトのみ。つまり同様に無敗の三冠を達成したコントレイルも資格ありと言いたいところだが、同馬に関しては来年の方がチャンスは大きいと言えそうだ。
というのも、3歳時にジャパンCに挑戦する菊花賞馬が少ないのは、秋華賞よりもローテーションが厳しいことと、秋華賞や天皇賞(秋)の2000mよりも菊花賞の3000mの方が、競走馬に与えるダメージが大きいからだと思われる。
従って9/27神戸新聞杯2200m→10/25菊花賞3000m→11/29ジャパンC2400mという2か月で3走のローテーションは、コントレイルにとって厳しいと言わざるを得ない。過去に牡馬三冠馬でジャパンCを勝利したのはすべて4歳時。コントレイルも4歳の来年の天皇賞(秋)→ジャパンCというローテーションの方が、チャンスが大きいと言えるだろう。
対して牝馬三冠馬は2頭で4戦3勝と見事な成績。特に3歳の秋華賞後に挑戦した場合は2戦2勝という成績なので、53㎏で挑める斤量面と中5週というローテーション面の有利さが表れている。
また、上記の成績から考えられるのは、三冠を達成するにはある程度の早熟性が求められること。そして早熟性のある三冠馬が、5歳以降も成長を続けるのは困難であり、いかに4歳時までのピークを維持できるかが鍵となることだ。そういった意味でも、過去に5歳でジャパンCに挑戦したジェンティルドンナが4着に敗退したのは納得できるところ。今年5歳で挑戦するアーモンドアイは、その壁を超えられるかが大きなポイントになる。
そして牝馬三冠馬の4戦3勝(勝率75%)に対し、牡馬三冠馬は6戦2勝(勝率33.3%)の傾向も踏まえると、今年のジャパンCはデアリングタクトが有利という結論にたどり着く。
牝馬三冠馬が秋華賞後に挑んだジャパンCは2戦2勝、父がジャパンCを制したエピファネイアで母の父は日本ダービー馬キングカメハメハ。そして秋2戦目で中5週のローテーション、アーモンドアイとコントレイルより2kg軽い斤量、不利をはねのけて圧勝したオークスで見せたコース適性、すべてにおいてプラスで有利といえるだろう。日本競馬史に残るジャパンCを制するのは、無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトだ。