『あさイチ』視聴率激減の致命的な理由…“玉川徹劇場”化する『モーニングショー』が逆転

 朝の人気番組『あさイチ』(NHK)が『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)と熾烈な戦いを繰り広げている。11月6日の視聴率は『あさイチ』が世帯11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)に対し、『モーニングショー』は世帯11.3%と、まさに“0コンマ”の争いをしているのだ。

コロナ禍で分かれた明暗

 ちなみに11月10日は、世帯10.1%(個人5.2%)の『モーニングショー』に対し、『あさイチ』の8時台は世帯9.2%(個人4.8%)。さらに、翌11日の『モーニングショー』は世帯10.4%(個人5.3%)で、『あさイチ』の8時台は8.6%(個人4.6%)と、『モーニングショー』が優勢だ。

「この時間帯は、かつては『あさイチ』の独壇場でした。それが徐々に変わっていったのは、一部でも言われているように新型コロナウイルスの感染拡大の影響です。『モーニングショー』では“コロナの女王”とまで言われた白鴎大学の岡田晴恵教授、さらに舌鋒鋭い局員の玉川徹氏をスタジオに据えて、連日のようにコロナ関連のニュースを報道。毀誉褒貶の激しさもあり、世間の関心を一身に集めていったのです」(テレビ局関係者)

 また、『あさイチ』は言うまでもなく、朝の連続テレビ小説の後に放送されている。現在でいえば窪田正孝主演の『エール』だが、同作はコロナによる撮影の遅れで一時は放送を休止し、過去回が再放送されていた。その当時、『あさイチ』の停滞ぶりは目も当てられなかったという。

「たとえば、8月12日の『エール』は世帯13.1%と朝ドラにしては相当低い数字ですが、この後の『あさイチ』は世帯7.9%と、さらに下げているのです。ただ、最低視聴率を記録したのは8月6日でした。この日は、本来『エール』が始まるはずの8時から広島平和記念式典が生中継されていて、これが9.7%という視聴率でした。そして、8時37分という中途半端な時間から始まった『エール』が7.7%という、近年まれにみる低い数字を叩き出したのです。続く『あさイチ』は9時52分という、さらに中途半端な時間から始まり、視聴率は世帯5.9%。おそらく『あさイチ』史上最低の数字をマークしてしまいました」(同)

 この日の放送内容は、8月6日の広島平和記念日に合わせて、もし戦時中にSNSがあったらどんなことがつぶやかれていたのかを75年前の広島市民の日記を手がかりにシミュレーションしてみるという、画期的な内容だった。現在もNHK広島放送局がツイッターでつぶやいている大変意義のある取り組みだが、一方の『モーニングショー』は10.4%と『あさイチ』に圧勝している。

「いずれにしても、コロナによって潮目が変わったのは間違いありません。そして、『あさイチ』が危ういのは朝9時台に数字が激減していることです。これは、9時またぎでニュースが5分間入り、番組が中断してしまうことが影響しているのでしょう。視聴者が他局に流れてしまい、そのまま『あさイチ』に戻ってこないということを意味しています。つまり、悪い視聴習慣がついてしまっているのです」(同)

 いずれにしても、のんびりと生活情報番組を見るより、コロナという健康に直結する問題に目が向いてしまうのは仕方ないのかもしれない。しかし、『あさイチ』の致命的な問題はそれだけではないという。

博多華丸・大吉と近江アナは無難すぎる?

 生放送の醍醐味とは何だろうか。それは、ちょっとしたハプニングである。『あさイチ』の前任司会者であるV6・井ノ原快彦とフリーに転身する前の有働由美子アナには、それがあった。

「2015年10月のことです。波瑠主演の『あさが来た』の“朝ドラ受け”で有働アナのつけまつげが取れてしまい、3分ほど一時退席するという“事件”が起きました。その日の『あさが来た』が重苦しい展開で終わっただけに、その神がかり的ハプニングでスタジオのスタッフも大笑い。一転して、明るい雰囲気となったのです。他にも、有働アナが朝ドラ終わりで泣いていたとき、井ノ原がそっとハンカチを手渡すシーンも話題を呼びました」(芸能ライター)

 そんなゴールデンコンビの後任が現在の博多華丸・大吉と近江友里恵アナなのだが……。

「正直言って、華大2人もいりません。漫才では華丸がボケですが、こうした番組では、そこまで明確なポジション分けができているとは言い難い。井ノ原・有働は安定感がありながらも、何かを起こしてくれるのではという期待感がありました。そんな2人と比べるのは酷かもしれませんし、現在の3人にファンがついているのも事実ですが、掛け合いにしても進行にしても、あえて言えば無難すぎるのです」(同)

『モーニングショー』は“玉川徹劇場”に?

 それに対して、『モーニングショー』は良きにつけ悪しきにつけ、玉川徹氏というテレ朝局員の発言が注目されている。「今日はどう口を滑らせるのか」と、腹を立てながらも見ている人も多いのではないだろうか。

「時には羽鳥との“VS構造”になったり、斎藤ちはるアナから意外と厳しいことを言われたり、『モーニングショー』は玉川氏の喜怒哀楽を楽しむ番組になっています。また、彼の発言がネットニュースになる頻度は『バイキングMORE』(フジテレビ系)の司会である坂上忍に次いで多いのではないでしょうか。ちなみに、終盤のストレッチタイムで、それまで仏頂面だった玉川氏がいきなり異様な笑顔を見せる瞬間は『モーニングショー』ファン必見の場面でしょう」(同)

 折しも、再びコロナの感染が拡大している。また『モーニングショー』が強さを発揮しそうだ。

(文=編集部)