JRAジャパンC(G1)コントレイル「茨の道」待ち受ける!? 矢作師「デアリングタクトも出てくるということで」も…… 過去の3冠馬が避けられなかった明と暗

 今年のジャパンC(G1)は空前絶後の盛り上がりを見せるかもしれない。

 先週、東京競馬場で行われた天皇賞・秋(G1)をアーモンドアイが制し、見事に8冠を達成したばかりの競馬界にまたしてもビッグニュースが飛び込んだ。

 牝馬で史上初の無敗3冠に輝いたデアリングタクトが、次走にジャパンCを予定していることは既知の事実だった。だが、これに加えて同じく牡馬クラシック無敗3冠を成し遂げていたコントレイル(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)も同レースに参戦することがわかった。

 同馬を管理している矢作芳人調教師が「デアリングタクトも出てくるということで『ファンの盛り上がり、競馬としての盛り上がり』を考えても、そういう決断に至りました」とコメントをすれば、デアリングタクトを育成したノルマンディーの岡田牧雄代表も「コントレイルが参戦を表明してくれて、凄く嬉しく思います。これでアーモンドアイも出てくれれば最高ですね」と対決を歓迎した。

 同年度に牡牝で無敗3冠馬の誕生は、競馬史を塗り替える大偉業だった。

 これだけでも競馬ファンや関係者にとって十分な衝撃なのだが、さらに2頭の対決が実現するというのだから、これが盛り上がらない理由がない。

 さらに注目すべきはそれぞれの陣営の心意気だろう。無敗馬同士の対決となれば、必ず勝者と敗者が生まれるため、いずれかは「無敗」ではなくなってしまうリスクもある。目先の勝利だけではない。はたして2頭のどちらが強いのか?春から多くのファンが待ち望んでいた答えが、このジャパンCの舞台でようやくわかるのだ。

 その一方、コントレイル陣営にとっては気掛かりなデータもないことはない。以下は過去、菊花賞の次走に3冠馬が出走した有馬記念(G1)の成績である。

2011年 オルフェーヴル1着
2005年 ディープインパクト2着
1994年 ナリタブライアン1着

 奇しくもコントレイルの父ディープインパクトは、ハーツクライの前に2着と敗れたが、オルフェーヴル、ナリタブライアンの2頭は優勝と相性は悪くない。3冠馬の条件を外しても、2016年のサトノダイヤモンドや、2012年のゴールドシップのように3歳で優勝しているケースもある。

 これに対し、次走がジャパンCだった場合は、難易度が急騰する。

 該当するのはシンボリルドルフのみだが、同馬は3着に敗れて有馬記念を優勝しているレアケース。また、3歳牡馬がジャパンCを3着以内に好走することはあっても、優勝した例は非常に少ない。

 2011年ジャングルポケット、2010年ローズキングダム(1位入線したブエナビスタの2位降着による繰り上がり)、1998年エルコンドルパサーがいるが、いずれも3冠馬ではない。牝馬の場合は、2018年アーモンドアイ、2012年ジェンティルドンナが秋華賞からのローテーションで優勝と牡馬をリードしている。

 初代無敗3冠馬であるシンボリルドルフ、2代目ディープインパクトでさえも3歳シーズンを無敗で終えることは叶わなかった。そういう意味では、もしコントレイルがジャパンCを優勝すれば、過去の3冠馬を超えられたといってもいいのかもしれない。

「例年ならともかくとして、今年はよりによって同じ無敗3冠馬であるデアリングタクトと戦わなくてはならないというのは厳しい条件です。また、比較的相性のいい有馬記念とは異なり、ジャパンCはルドルフさえ3着に敗れた舞台でもあります。これはディープインパクトルートではなく、ルドルフルートといえそうですね。

ただ、有馬記念ではなく直接対決を選択した陣営の気概には敬意を表したいです。強い馬同士の戦いに、盛り上がることは間違いないですから。コロナ禍の状況でなければ、おそらく徹夜待ちするファンが大勢いたでしょうね」(競馬記者)

 秋華賞に直行したデアリングタクトに対し、コントレイルは神戸新聞杯を経由して菊花賞を制している。おそらく、ジャパンCを使えば年内休養が濃厚だろう。

 だが、ジャパンCを優勝するようなら、その後の状態によっては有馬記念参戦もわずかながら残されていないだろうか。3冠とジャパンC、有馬記念すべてに優勝すれば、文句なしの史上最強3冠馬を名乗ることも可能なのだが、さすがにそれは欲張り過ぎかもしれない。