11月1日、東京競馬場で天皇賞・秋(G1)が開催される。今年の注目は何と言っても、JRA史上初の芝G1・8勝をかけて出走するアーモンドアイだろう。
今年のヴィクトリアマイル(G1)を制し、最多タイの芝G1・7勝を挙げたアーモンドアイ。次走の安田記念(G1)は単勝1.3倍の圧倒的な支持を集めるも、グランアレグリアの2着に敗れ、偉業はお預けとなった。
クラブ規約で6歳3月が引退期限に定められているため、実質的に年内のG1がアーモンドアイにとってラストチャンスとなる。数少ない機会でG1を勝たなければ、記録更新とならないのだ。
だが、昨年の天皇賞・秋でアーモンドアイは2着のダノンプレミアムに3馬身差をつける圧勝。東京芝2000mは最高の舞台と言えるだろう。最強牝馬が日本競馬史に金字塔を打ち立てる可能性は高いかもしれない。
また、その裏にあるアーモンドアイ“忖度”も見逃せない。
「先日、毎日王冠(G2)を制したサリオスはファンの間で天皇賞・秋への出走が熱望されていますが、マイルCS(G1)への出走が既定路線です。これにはノーザンファームの思惑が大きく影響しています。
もし、安田記念でアーモンドアイが最多勝記録を更新していたとしたら、サリオスの出走もあり得たかもしれません。しかし、未達に終わったことで、天皇賞は何としても勝たせたいという流れになっています。ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)だと、メンバーや条件を考えると不安があるようですね。
サリオスが天皇賞・秋に出走しないのは、アーモンドアイの記録のためということでしょうね」(競馬記者)
今年のジャパンCには3歳牡馬の総大将コントレイルが出走を予定しており、有馬記念はアーモンドアイが唯一惨敗を喫した舞台。なんとしても、得意の天皇賞・秋で記録を達成しておきたいところだろう。
また、サリオス以外に、京都大賞典(G2)を勝ったグローリーヴェイズ、サートゥルナーリアが天皇賞・秋へ出走しないことも、もしかするとアーモンドアイへのお膳立てなのかもしれない。
実はこの状況、昨年とは大きく異なるようだ。
「ノーザンファームは昨年の天皇賞・秋でアーモンドアイとサートゥルナーリアを激突させました。これにはサートゥルナーリアの種牡馬としての価値を高める目的があったようです。超良血でデビュー前から怪物と呼ばれていた同馬が、現役最強馬アーモンドアイを倒せば箔が付きますからね。
しかし、その目論見は儚くも散りました。その後は有馬記念で2着でしたが、勝ち馬のリスグラシューに5馬身差の完敗。宝塚記念(G1)は見せ場なしで敗れており、ノーザンファーム内での評価は急落しています。今となっては早熟だったのではないかという声も聞こえてくるぐらいです。そこから一転、今年はアーモンドアイのG1最多勝が優先される事になったようです」(同)
当初、サートゥルナーリアは天皇賞・秋を目標に調整されていたが、態勢が整わないことを理由にジャパンCで復帰することになった。宝塚記念でC.ルメール騎手が「2200mはギリギリ」と話していただけに、厳しい戦いとなるだろう。
だが、強敵相手に結果を残すことができれば、再び評価は上がるはず。
評価急落のサートゥルナーリアにとって、ジャパンCは見返すための重要な1戦となりそうだ。