JRA福永祐一「俺も2005年はミルコってたなぁ」スプリンターズS(G1)M.デムーロ連覇の偉業から3年。同じ「レッド」の勝負服で掴み取るのは“白星”か

 2017年、M.デムーロ騎手は絶好調だった。

 前半は、G1勝利が2月のフェブラリーS(ゴールドドリーム)のみと寂しい成績ではあったが、後半に大爆発。宝塚記念(サトノクラウン)、スプリンターズS(レッドファルクス)、菊花賞(キセキ)、エリザベス女王杯(モズカッチャン)、マイルCS(ペルシアンナイト)と、1年でG1を6勝した。

 一部ジョッキーの間では「GIをたくさん勝つ」という意味で“ミルコってる”という言葉が使われていた事があり『netkeiba.com』のコラム『M.デムーロ世界一になる Road to No.1』では、福永祐一騎手が「俺も2005年はミルコってたなぁ」と話していた事が紹介されている。

 そんなデムーロ騎手にとって最高の一年にスプリンターズS(G1)で連覇を達成したのがレッドファルクスだ。

 2014年、レッドファルクスと共に未勝利戦を勝利したデムーロ騎手。当時は短期免許で日本に乗りにきていた事もあり、JRAのジョッキーとなって久々に騎乗したのは2016年のCBC賞(G3)だった。

 CBC賞で「32.7秒」という驚異的な末脚を披露したレッドファルクス。デムーロ騎手にとっても、想像を超える脚だったようで「絶対にG1を獲れる!」と、この時に思ったそうだ。

 実際に次走のスプリンターズSを勝利し、翌年には連覇を達成するレッドファルクス。まさにデムーロ騎手が一番輝いていた時代でもある。

 しかし、その後は成績が低迷。絶好調だった2017年が171勝していたのに対し、今年は現時点で53勝と100勝にも届かない勢いだ。

 そんな“ミルコってない”デムーロ騎手に、秋初戦のG1戦スプリンターズSでチャンスが回ってきた。

 レッドファルクスと同じ「レッド」軍団の、レッドアンシェル(牡6歳、栗東・庄野靖志厩舎)の騎乗が決まったのだ。もちろんオーナーは、東京ホースレーシング。「レッド」×「M.デムーロ」のコンビ再結成に2017年の記憶が蘇ったファンも少なくないだろう。

 今回のスプリンターズSでの乗り替わりは、主戦の福永騎手がインディチャンプに騎乗する事が決まっての事。その後、インディチャンプの出走回避が発表される訳だが、その前にレッドアンシェルの鞍上はデムーロ騎手に決まっていた。

 もし「インディチャンプの出走回避」と「レッドアンシェルの鞍上決定」の順番が逆であったなら、福永騎手の騎乗もあり得た状況なだけに、デムーロ騎手にとっては何ともラッキーだったといえるだろう。

 デムーロ騎手が今回騎乗するレッドアンシェルは、前走の北九州記念(G3)を快勝。レースに騎乗した福永騎手は「手応えほど伸びないので、ブリンカーを着けてもらった。いい時の走りをしてくれたし、ブリンカーの装着は大正解だった」とコメント。ブリンカー着用で、本来の能力を発揮できるようになったとみて良さそうだ。

 陣営は「昨年は脚元の不安があって回避。今年は順調に使えるし楽しみ」と前走後は短期放牧を挟み、ここを目標に順調そのものだ。

 レッドファルクスのスプリンターズS連覇の偉業から約3年。あの頃のような“ミルコってる”デムーロ騎手が返ってくるのか……同じ「レッド」の勝負服(赤、白星散、袖白一本輪)なら、きっと“白星”を掴み取れるはずだ。