JRA良馬場なら「武豊×パラスアテナ」にチャンスあり!? 「オークス敗戦組」マルターズディオサら中心も混戦模様【紫苑S(G3)展望】

 12日(土)、中山競馬場では秋華賞トライアル、紫苑S(G3)が行われる。3着以内馬には優先出走権が与えられるこのレース。デアリングタクトに挑戦状を叩きつけるのはどの馬だろうか。

 実績的にはマルターズディオサ(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)が一歩リードしている。昨年末の阪神JF(G1)でレシステンシアの2着に入ると、3月のチューリップ賞(G2)で重賞初制覇を果たした。しかし肝心のクラシック2戦では桜花賞(G1)8着、オークス(G1)10着と不完全燃焼に終わった。

「桜花賞は重馬場、オークスは距離と入れ込んでしまったことが敗因です。これまでマイルと2400mしか(距離)経験がありませんが、マルターズディオサにとって2000mはちょうどいいのではないでしょうか。中山コースで勝った実績もありますし、展開に応じた自在性のある脚質を生かせれば、優勝に最も近いと思いますよ」(競馬誌ライター)

 春のクラシック未出走組で一番怖いのがパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だろう。前走のラジオNIKKEI賞(G3)では、牡馬を相手に1番人気に推されたが4着に敗れた。敗因は稍重と発表された馬場だ。

 騎乗した武豊騎手はレース後「レース自体スムーズで、思い通りの競馬ができました。フットワークがきれいで、切れる脚を使う馬なので、馬場が悪くなり過ぎました」と敗因を語っている。

 中山開幕週の良馬場なら春の実績馬相手でも巻き返しは可能だろう。父ルーラーシップは、昨年のこのレースでワンツー(1着パッシングスルー、2着フェアリーポルカ)を決めており、血統的にも期待が高まる。

 キャリアまだ3戦のスカイグルーヴ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)もまだ底を見せていない。祖母はアドマイヤグルーヴ、3代母にエアグルーヴを持つ良血馬は、昨年11月の新馬戦で持ったまま後続を5馬身突き放す圧勝劇で一躍ヒロイン候補に名乗りを上げた。

 しかし、2戦目の京成杯(G3)では、果敢に牡馬に挑むもクリスタルブラックに急襲され2着。確勝を期した3戦目のフローラS(G2)では、マイナス14kgの大幅馬体減が響き5着に終わった。

 1週前追い切りは、美浦南Wを3頭で併せ、5ハロン67秒6-ラスト12秒3とまずまずのタイムをマーク。鞍上は過去3戦に騎乗したC.ルメール騎手からこの夏重賞2勝の戸崎圭太騎手に乗り替わる。乗り難しい面がある馬だけに、乗り替わりは減点対象か。

 そのルメール騎手が紫苑Sで騎乗するのがシーズンズギフト(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)だ。春はフラワーC(G3)3着、ニュージーランドT(G2)2着と、マイル重賞で連続好走している。

 キャリア4戦のうち3戦を中山で走っており、走り慣れた舞台で重賞初制覇を狙う。これまで騎乗した騎手からは「掛かり癖ともたれ癖」を再三指摘されてきた。ひと夏越えて悪癖がどこまで改善されているかにも注目したい。

 他には、オークスで13番人気ながら3着に粘ったウインマイティー(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)も人気の一角を占めるだろう。オークスでは直線でいったん先頭に立つなど見せ場たっぷり。忘れな草賞(L)を勝っており、実績面ではマルターズディオサと双璧だ。

 アブレイズ(牝3歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、キャリア2戦目でフラワーCを制した素質馬。2戦2勝で臨んだオークスは17着に惨敗。今回は骨折明けのため、仕上がり状態がカギとなりそう。

 半兄にブラストワンピースがいるホウオウピースフル(牝3歳、美浦・大竹正博厩舎)は、池添謙一騎手との初コンビでオークス8着の雪辱を期す。

 1着で秋華賞への切符を手にするのは、オークス敗戦組かそれともクラシック未出走組か。紫苑Sは12日15時45分に発走予定だ。