JRAアーモンドアイ、エネイブルの偉業達成に「黄色信号」!? 凱旋門賞(G1)制覇に立ちはだかる「9馬身差」の衝撃が再び圧勝。日英最強牝馬に苦難の秋が……

 史上初の凱旋門賞(G1)3勝を目論むエネイブル。ライバルがまたしても圧勝を飾った。

 20日、イギリスのヨーク競馬場で行われたヨークシャーオークス(G1)は1番人気ラブ(牝3歳、愛・A.オブライエン厩舎)が人気に応えて優勝。英1000ギニー(G1)、英オークス(G1)に続いて、G1・3連勝となった。

 2番手からレースを進めたラブは余力十分で最後の直線へ。逃げ馬を捉えて先頭に立つと、後続を寄せ付けず5馬身差をつけて勝利。英1000ギニーの4・1/4馬身差、英オークスの9馬身に続いて、またしても圧巻のパフォーマンスだった。

 このレースを受けて、各ブックメーカーの凱旋門賞のオッズに変動があった。『bet365』と『レースベッツ』と『パディーパワー』がラブを1番人気に、『ベットフェア』はエネイブルと並んで1番人気とした。

 すでにA.オブライエン調教師は「凱旋門賞に直行する」と明言しており、エネイブルとの対決はほぼ確実だ。新旧最強牝馬対決はパリロンシャン競馬場をよりアツくすることだろう。

 だが、エネイブルにとって強敵はラブだけでない。19日の英インターナショナルS(G1)を制したガイヤースも忘れてはならない。同レースでは、2着のマジカルに3馬身差をつけての逃げ切り勝ち。3着にはロードノースと、欧州を代表する実力馬を相手に勝利して、完全に充実期を迎えている。

 この2頭がエネイブルの凱旋門賞制覇に大きく立ちはだかるのは、間違いないだろう。

 その一方、日本ではこの秋、アーモンドアイが史上初のG1・8勝をかけて出走する。だが、こちらも容易なものではなさそうだ。

 天皇賞・秋(G1)を始動戦に予定しているアーモンドアイ。その後のローテーションは未定だが、3歳時にレコードタイムで制したジャパンC(G1)が最有力ではないだろうか。

 まず天皇賞・秋には昨年の最優秀3歳牡馬のサートゥルナーリア、宝塚記念(G1)で2着のキセキが出走予定。ただ、この2頭以上に脅威となるのが3歳馬のサリオスだ。同馬はクラシックでいずれもコントレイルの2着と、3歳世代トップクラスの実力馬。秋の始動戦に毎日王冠(G2)を選択したことから、秋以降はマイル~中距離路線を歩む可能性が高い。天皇賞・秋に参戦するとなれば、アーモンドアイにとって最も脅威となるだろう。

 また、ジャパンCも激戦となりそうだ。天皇賞・春(G1)を2連覇したフィエールマンが秋の最大目標に設定。さらに無敗の2冠馬コントレイルも秋のローテーションを「神戸新聞杯(G2)→菊花賞(G1)→ジャパンC」と想定しており、参戦の可能性が高い。これに加えて、牝馬2冠のデアリングタクトの出走も十分にあり得るだろう。

「アーモンドアイはクラブ規定で6歳3月までの引退が決まっています。つまり、G1が行われる年内での引退が濃厚です。ブエナビスタの引退レースで当時3歳のオルフェーヴルと対決したように、アーモンドアイと3歳代表の対決はファンが熱望するところです。

かつて、G1・8勝を目指して秋G1に挑んだテイエムオペラオーは、ジャパンCではジャングルポケット、有馬記念ではマンハッタンカフェに敗れました。これと同じように、アーモンドアイにも3歳馬が立ちはだかるかもしれませんね」(競馬記者)

 史上初がかかるエネイブルの凱旋門賞3勝、アーモンドアイのG1・8勝は、強敵が立ちはだかり一筋縄ではいかないだろう。過去の名馬たちが達成できなかった記録というものは、それだけ壁が高いということだ。

 この秋、イギリスと日本の最強牝馬はそろって偉業を達成することができるだろうか。