10歳の息子には3つの癖がある。
鼻をほじる、爪を噛む、貧乏ゆすりをする。行儀の悪い子供がやりそうな癖3点セットであり、特に鼻をほじる、爪を噛むといった行為は不衛生だからヤメるようにと何度も言い聞かせているのだが、貧乏ゆすりに関してはあまり強く注意できないというのが本音。何故なら、アタシもついつい貧乏ゆすりをしてしまうからである。
パチスロで「クソハマリ」した際をはじめ、テレビを見ている際や読書の際、時には何も考えずにポケ―っとしている際などにも無意識のうちに足を小刻みに動かしており、その都度、ハッと気が付く始末。
それを目撃した嫁さんからは呆れられ、みのりんらと組む楽団「タカハシ」のギタリスト兼、作・編曲のイイジマンからは「貧乏ゆすりをすると、本当に貧乏になるからよくないよ」とたしなめられる。
自分でも意識はしているものの、先述のように無意識のうちに作動してしまうのだから困ったもの。どうにか直せないものかとあらゆる文献を読み漁った結果、昨今ではふくらはぎなどの筋肉を動かすことからむくみや冷えの解消、ストレス発散などによく、アメリカではジグリングと呼ばれて変形性膝関節症のリハビリなどにも取り入れられていることを知り、
「じゃあ無理にヤメなくてもいいか」と感じてしまったものの、やはり見た目上はよろしくない。子供の手本となるためにも、悪戦苦闘の日々なのである。
先日、祖母の一周忌があった。鎌倉のとあるお寺で供養してもらったのだが、息子は退屈になったのか、経本をアコーディオンのように広げて遊び始めたと思ったら、高速貧乏ゆすりを開始。小さな声で注意するも最後までストップすることなく、結局、息子は帰り道に嫁さんから叱られた。
正直、大人でも少々、退屈である。祖母にはめちゃくちゃ可愛がってもらっただけに故人を偲ぶ心は大いにあるのだが、ついつい時計に目が行ってしまうのも事実。それ故、「仕方がないよなぁ」と息子をフォローしたのだが、その息子から帰ってきた言葉を聞いたアタシは驚愕し、嫁さんは怒りを通り越して唖然とした。
「おとーちゃんも貧乏ゆすり、してたもんね」
アタシには貧乏ゆすりのほか、もう1つの癖がある。
その癖とは、「音楽に合わせて足でリズムを刻んでしまう」というもの。幼少期にピアノを習って体でリズムを感じることを覚え、学生時代にドラムを始めたことでそれに拍車がかかったのかどうかは分からないが、音楽を聞くと体が勝手に反応してしまい、レコード会社勤務時代は演歌歌手のレコーディング時に歌声と共に足を動かしていたら作曲家の先生に「若いのに演歌が好きとは見込みがある」とえらく気に入られたこともあった。
まぁ実際に演歌も好きではあるのだが、要するにどんな音楽でもOKなのである。
つまり、息子の発言は誤り。貧乏ゆすりに見えたそれは、お経に合わせてリズムを取ってしまっていたことであり、まぁ行儀が悪いことには変わりはないのだが、断じて貧乏ゆすりではないのである。
「どっちも一緒でしょ」
嫁さんの意見はもっともなのだが、例えば『ハナハナ鳳凰』で千ゲームチカらなかった時と、87G以内のビッグ5連を射止めてガーゴイルの「HANA!-chika-HANA!」が流れた時の動きは全くの別物。これを読んでくださった皆さま、仮にホールで足を高速に動かすアタシを見かけたら、大当り中か否かでどちらかを判別してくださいませ。
もちろん、これも直したい気持ちは大いにあります。
(文=濱マモル)